ACT取材ノート
東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術や音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクト、シンポジウムなど様々なプログラムのレポートをお届けします。
2016/11/02
今年初開催の東京芸術祭。オープニングセレモニーが南池袋公園で開催されました!
2016年9月から、東京芸術祭が始まりました。東京芸術祭組織委員会が主催し、東京都豊島区の池袋エリアを中心にさまざまな舞台芸術フェスティバルが展開されます。
会期中は、「フェスティバル/トーキョー16」「東京芸術劇場<芸劇オータムセレクション>」「としま国際アート・カルチャー都市発信プログラム」「アジア舞台芸術人材育成部門」という4つの事業による、多彩なプログラムが目白押し。
今回は、そのオープニングセレモニーに行ってきました。
神出鬼没の即興演劇!スイッチ総研による「東京芸術祭スイッチ」
東京芸術祭のオープニングセレモニーは、2016年4月にできたばかりの南池袋公園で行われました。
セレモニーでの主催者やゲストのあいさつの前に、公園内には不思議な立て看板や、スタンドがちらほらと出現。
「東京芸術祭スイッチ」と書かれたピンクの札には、「旗を上げてください」という指示が。
実際にやってみると……
物陰から突然人が集まってきました!
実はこれ、「スイッチ総研」という俳優たちのユニットによる、即興演劇。園内に全部で8つの“スイッチ”が設置され、参加者が指示された動きを行うと、俳優陣による短い即興演劇が展開されるというパフォーマンスです。
スタンドに置かれた封筒を開けると、突然目の前の席にいた人たちが「ヤッター!」と喜び出す
封筒には「TOKYO」の文字が。五輪の開催地が決まった瞬間を再現したスイッチ
公園内で遊んでいた子供たちも参加。“スイッチ”を入れると、昆虫マニア(?)たちが現れる
8つのスイッチは、同時多発的に行われ、園内は「何やっているんだろう?」と人がたくさん集まってきました。
また、10月21日〜23日の「六本木アートナイト2016」でもパフォーマンスを行いました。
東京芸術祭オープニングセレモニーがスタート
「スイッチ総研」の演劇を堪能した後、東京芸術祭のオープニングセレモニーがスタート。東京芸術祭組織委員会委員長の福地氏のあいさつから始まり、芸術祭への期待と熱意を述べました。
東京芸術祭組織委員会委員長の福地茂雄氏
小池百合子東京都知事
高野之夫豊島区長
能楽・和泉流狂言師で人間国宝の野村萬氏
次に、司会の中井美穂氏の合図でバルーンリリースが行われました。
東京芸術祭で行われる演目のミニパフォーマンスも
華々しくバルーンが空に舞った後、東京芸術祭のプログラムの一つである「大田楽 いけぶくろ絵巻」のプレパフォーマンスが行われました。
「大田楽 いけぶくろ絵巻」は、11月5日(土)18:00から南池袋公園ほかで開催されます。中世に人々が熱狂していた大田楽を、現代版にアレンジしたダンスパフォーマンスです。一般の参加者の方々も混ざって、踊りを披露します。
当日は誰でも無料で参加でき、事前の申し込みなどは不要です。
また、パフォーマンス後には、大田楽の演出・構成を務める野村万蔵氏と、芸劇オータムセレクションの演目の一つである「かもめ」に出演する中嶋朋子氏、そして司会の中井氏によるミニトークが行われ、演目への意気込みを語りました。
セレモニーの締めくくりは、「珍しいキノコ舞踊団」によるダンス。賑やかな音楽に合わせた踊りを披露し、セレモニーを彩りました。
「珍しいキノコ舞踊団」は、10月15日(土)~16日(日)に「プロジェクトFUKUSHIMA!@池袋西口公園」でもダンスを披露しました。
ふだん、あまり舞台を観ない人々でも、気軽に触れられる機会がたっぷりと用意された、東京芸術祭。アート・カルチャー都市として盛り上がる池袋エリアに、今年の秋冬は注目が集まりそうです。
東京芸術祭2016オープニングセレモニー概要
- 日時:2016年9月25日(日)16:00
- 会場:南池袋公園(東京都豊島区南池袋2-21-1)
- 主催:東京芸術祭組織委員会 [アーツカウンシル東京・東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)、豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、アジア舞台芸術祭実行委員会]
- ウェブサイト:https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/what-we-do/support/activity/hub-formation/11455/
写真:鈴木穣蔵
取材・文:立花実咲