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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2018/08/20

ぐるっと回すと、見えてくる―プログラムオフィサー1年目日記(2)

日々、回転しています。

「何が?」というと、一言で言うのは難しい。例えば事業の名前とか、企画の内容とか、広報物のデザインなど、誰かと一緒に進めているものすべてです。

仕事をするとき、相手と何かを考えていく、決めていく、話をつめていく場面で、「一回転させる」ということばがよく使われます。
「タイトルはもう一回転させてみよう」「少なくとも一、二回転させたい」「あと一回転すると内容がよくなる気がする」…など。

「やりとりする」でも「練る」でもなく、「一回転/二回転/三回転させる」(もちろん前者の単語も使いますし、言い換えることもできるのですが)。

この「回転」の中で表されているニュアンスは、“軌跡”と“自分との距離”なのではないかなと感じています。

自分たちから相手に投げかけて、フィードバックが戻ってくるのを待つ。
もしくは、一緒に企画に取り組んでいる相手と一緒に「せーの」と宙に投げて(つまり一旦距離を置いたり、一晩寝かしたりして)、もう一度物事に出合い直してみる。
よくある話ですが、一旦距離を置いて冷静になると、何が大事で何がバランスが悪いか見えてくるもの。
「一回転する」ということばは、その“出合い直し”の状態をうまく表しているなと感じました。

一旦自分たちの手から離れても、大事だと思える軸や要素は、回転の軌跡として戻ってきます。
逆に、余計な考えや先入観が残っていると回転させたもののスピードが落ち、うまく軌跡を描けなくなる、つまり、物事が整理しきれないこともある。
一方で、回転させるときに意見を言い過ぎたり、先走ったりすると、回転のパワーが強すぎて周りが情報を受け止めきれなくなる。

うまく「回転」させるには、コツがいるのだ…と感じさせられています。

「東京プロジェクトスタディ」のチラシ。初めて制作進行を担当しました。

ところで先月から、人材育成事業「Tokyo Art Research Lab」の「思考と技術と対話の学校」において、今年度のプログラムが始まりました。
現在も参加者募集中のプログラムがあります。その一つが今年度の軸となるプログラム「東京プロジェクトスタディ」です。

5組のナビゲーターが参加者とチームを組み、テーマに基づいて“スタディ(勉強、調査、研究、試作)”を行っていく試み。
今年度から始まる新しい取り組みなので、広報物にはリニューアル感が求められました。

伝えたい情報が多かったので、当初は冊子のような形態の広報物を検討していましたが、デザイナーの方を交えてアイディアを練るなかで、入れ込む要素を限定し、広げるとポスターのようになるチラシの形態に落ち着いていきました。

チラシのデザインについても、何度も修正・検討をお願いし…というように、一回転どころか何回転もしました。
入稿までの時間も迫るなか、「これ以上回転させるのは申し訳ないかな」というところまで一緒につめていき、インパクトのある素敵なチラシができあがりました。

チラシを広げるとこうなります!

物事を回転させる、つまり自分の手から離していくことは、不安でもあります。特に、時間がないときは、すぐにでも方向性などの決着を付けたくなります。
しかし、いくら時間がなく焦りを感じても、思い切って一旦距離を取ってみると「回転させてみてよかったな」と思うことが多いように思います。

いつの間にか、POになってはや5ヶ月。一年目も、そろそろ「半回転」を迎えようとしているのだと思うと焦ります。

回転するなかで、失敗したり抜けてしまったりして(このブログもまだ2本目ですし…)、取りこぼしてきてしまった色々なものも、残りの半回転で拾い上げるようにしていきたいなと思う今日この頃です。

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