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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

現場に行ってみた!! 宮本篇

東京文化発信プロジェクトが行う様々なプログラムにライターの宮本が出向き、現場からお伝えします。アート、音楽、舞台、地域プロジェクト etc… 文化は会議室ではなく、現場で生まれている!

2014/10/23

トークイベント 「Art Bridge Instituteフォーラム『アートの連結力』」の現場に行ってみた!

10月8日(水)3331 Arts Chiyoda 1Fコミュニティスペースで『東京スープとブランケット紀行』の一環として行われた
トークイベント「対談紀行~転がしたり、迷ったり、眺めたり、そして、東京と話したい。~2014秋篇」に行ってきました!

「東京スープとブランケット紀行」は、演出家・劇作家の羊屋白玉が中心となりこの春誕生した、
生活圏に起こるものごとの「おわり」と「はじまり」を追求するアートプロジェクト。
プロジェクトは「東京ひと箱」「江古田スープ」「青ヶ島ブランケット」「対談紀行」の4つから成り、
今回のトークイベントは、「青ヶ島ブランケット」の名の下に9月上旬に青ヶ島を訪れた報告を兼ねての「対談紀行」です。


青ヶ島の紀行話ということで、入り口ではゲストの菊池さんの提供による青ヶ島焼酎の試飲コーナーも。

イベント冒頭、ディレクターである羊屋さんからプロジェクト説明がありました。誕生したきっかけは「演劇の手法を封印して新しい手法で表現することにチャレンジしないかという話がきたので、やってみたいと思った」。「複数ある問題を同時に進めていくことで、1つのプロジェクトが他のプロジェクトを助けたりすることがあるのではと思い、4つのプロジェクトを並行して進めることにした。」と話します。

挨拶後、この日のもう一人のホストである作家・マンガ家の小林エリカさんが登場。
その後、青ヶ島出身で青ヶ島料理を楽しめる居酒屋を営む菊池栄春さん、アートディレクターの北川フラムさん、
美術ジャーナリストの新川貴詩さんのお三方をゲストに迎え、いよいよ座談会スタート。
羊屋さん、小林さんが9月上旬に2泊3日で訪れた東京の島・青ヶ島村の旅を、スライドを見ながら振り返ります。

羊屋さんと小林さんの話に、青ヶ島出身の菊池さんの解説が入り、島の輪郭が浮き彫りになっていきます。
ヘリでの島上陸、断崖絶壁の家、島の伝統芸能「還住太鼓」、島寿司、よくやってくる台風の話。
東京でありながら、東京でないような、青ヶ島。

「羊屋さんに誘われるがまま青ヶ島に行って、戻ってきて、(自分がよく知らない、住んでいない土地)青ヶ島をこれからどういう風に考えればよいかまだわからない。東京に住む人は青ヶ島をどう思うか、みんなの意見を聞いてみたい」
という小林さんの言葉から、話は瞬間的に関わりあった旅先の土地、その土地との関わり方についての話に展開していきます。

北川 「よその土地に行ったことを人には語らない。思うことはあるが人には言わないと決めている。
     それが最低限のモラルだと思っている。」

小林 「旅行者としてその土地を見た自分がその土地とどういう関わり方が出来るか興味がある。」

羊屋 「海外にいると東京や日本を考える。その場所にいないときの方が、その場所を思う。」

ホストが立ち回り、ゲストのトークを引き出し進むようなよくある座談会ではなく、羊屋さんがゲストの言葉を丁寧に自分の中に取り入れ、そこから言葉を紡ぎじっくりゆっくりお客さんに届けていくような、ちょっと不思議な座談会となりました。
新川さんの「感じたことを演劇にするでもなく“土産話”としてアウトプットする形が新しい」という言葉にもあったように、結果ではなく、未消化のものを共有する面白さを感じる90分。まさにこの感覚こそが『「東京スープとブランケット紀行』」であり、この日はスープの煮込み始めだったのかもしれません。
これから様々な材料を投入し、グツグツ煮詰まっていくであろう『東京スープとブランケット紀行』。
今後の動きにご注目ください。

■東京スープとブランケット紀行
http://soupblanket.asia/

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