アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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多摩の未来の地勢図をともに描く ワークショップ参加者募集

ジャンル:
  • アートプロジェクト ,
  • ワークショップ・体験

私たちの生活に甚大な被害を及ぼす災禍であるコロナ禍は、私たちが目を向けてこなかった社会の、私たち自身の暗部と脆弱さをあらわにしました。同時に、他者と生きることの意味や大切さに改めて焦点をあてる契機ともなっています。
先行きのわからない今、自分たちの足元や身の周りに目を向け、手や身体をつかい、生活と街のこれからについて考え、試み、他者に、周囲に働きかけてみませんか?
このワークショップでは、アーティストや、様々なフィールドで活動している方々とともに、フィールドワークやレクチャー、リサーチ、制作などを通して一人ひとりで、そして皆で、「考えること」「知ること」「試みること」をはじめます。

本ワークショップは、フィールドワーク編、レクチャー編の二部構成で行います。
フィールドワーク編では、地域で活動するために欠かせないフィールドワークとはどのようなものか理解を深め、実践するために、写真家・豊田有希さんの活動にみちびかれつつ、参加者が各自のフィールドを探し、向き合うための立ち方、術(すべ)について考えます。
レクチャー編では、出来事、物事の見方、取り組みに関する認識を拡張するために、水俣、ハンセン病、社会的養護といったフィールドで活動する人々をゲストに迎え、話を聞きディスカッションする場を設けます。
本年度の後半では、フィールドワークやレクチャーと並走しながら、参加者がそれぞれのフィールドでリサーチや制作に取り組むことも予定しています。

「多摩の未来の地勢図をともに描く」をはじめるにあたって

<風土とは単なる自然現象ではなく、その中で人間が自己を見出すところの対象であり、文芸、美術、宗教、風習などあらゆる人間生活の表現が見出される人間の「自己了解」の方法である>と哲学者・和辻哲郎は書いています。風土は、耳慣れた「環境」とも違います。まして郷愁ともまったく異なるものでしょう。連綿と続いてきた時間とその中で繰り広げられてきた人の営みが形作った、いわば人と土地の応答の結果とも言えるものだと思います。
一方、地勢図は、山脈や河川、その高低差によって作られる原野など地理学的、静的な様子をあらわすように一見思えます。しかしながら多摩地域、あるいは日本国内のさまざまな風景を思い浮かべるとき、現れるイメージ、切り開かれた丘陵地や山間をぬう高速道路、捨てられた農地、壁に覆われた海岸線などは、もはや地理学的自然状態を示すものとは言えないでしょう。私たちは、地勢図についても人の働きかけを抜きに語ることができなくなっているように思います。そしてこの風景は戦後の、私たちの社会経済の選択の結果であり、私たちの心性に様々な影響を与えているものでもあります。
風土、というにはあまりに人工的になりすぎた今日。しかし、今日には今日の風景や土地と関わりがあるはずです。単なる郷愁や安易な自然賛歌ではなく、今、このコロナの時代に、「私たちはどのような地勢図を描いてきたのか」「そこにはどのような暮らしが存在しているのか」、そして「これから地勢図を描くことができるのか」「私たちはどのような風景、出来事との関係、人々との関係を築くことができるのか」、そして、「風土がいかに可能なのか」という問いをもってフィールドに立ち、実践を始めてみたいと思います。

フィールドワーク編「辺境としての東京を外から見る」(7回程度)

ゲストアーティスト
豊田有希(写真家)

日程
・2021年9月29日(水)19:00~21:00
・2021年10月23日(土)15:00~17:00
・2021年11月27日(土)15:00~17:00
・2021年12月25日(土)15:00~17:00
※以降の日程は決まり次第アップいたします。

【ゲストアーティストプロフィール】
豊田有希(写真家)
1987年生まれ。その土地の風土や暮らしを見て得るだけでなく感じ得ていきたいと、住んでいる地域の周辺を主なフィールドとして撮影を行い、潜在化する人権や差別など社会問題への意識を根底にもちつつ、土地や人物の魅力をとらえることを目指している。「山間地、半数に水俣病」という1枚の新聞記事を見たことをきっかけに、熊本県芦北町黒岩地区に通い、その後、水俣市に移住。2016年から農作業の手伝いなどをしながら撮り続けた写真を「あめつちのことづて」シリーズにまとめる。

レクチャー編「プロジェクトの「技術」を得、試みる」(7回程度)

ゲスト
永野三智(水俣病センター相思社職員)、木村哲也(国立ハンセン病資料館学芸員)、高橋亜美(社会福祉法人 子供の家 ゆずりは 所長)他

日程
・2021年9月16日(木)19:00~21:00(ゲスト:高橋亜美)
・2021年10月8日(金)19:00~21:00(ゲスト:永野三智)
・2021年11月6日(土)15:00~17:00(ゲスト:木村哲也)
※以降の日程は決まり次第アップします。

対象

・これから自らが住んでいる地域で何らかの活動を始めたいと思っている方
・これまで自らが関わってきた活動の更新をしたいと思っている方
・年齢、性別、経験は問いません。

定員

20名

参加費

無料(フィールドワークやリサーチ、制作にかかる費用等は参加者負担)

申込について

次のいずれかの方法でお申し込みください。

  • ウェブフォームよりお申し込み
  • FAXで、次の(1)~(4)の内容をお知らせください。
    (1)お名前
    (2)メールアドレス
    (3)連絡の取りやすい電話番号
    (4)志望の動機(300文字程度)
    FAX送信先:050-3627-9531

※お申し込みが定員を上回った場合は、抽選とさせていただきます。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営及びご案内のみに使用いたします。

申込締切
2021年8月31日(火)必着

お問い合わせ

特定非営利活動法人アートフル・アクション
〒184-0004 東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井 2F
FAX: 050-3627-9531
E-mail: mail@artfullaction.net 

開催場所

多摩地域各所および小金井アートスポット シャトー2F(東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井2F)、オンライン(Zoomなどを利用)
※新型コロナウイルスの感染拡大等の状況に応じて活動方法を検討

クレジット

主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、特定非営利活動法人アートフル・アクション