アーツカウンシル東京の事業

  • 開催終了

フォーラム「障害のある人の文化芸術活動と、これからの社会」

-ロンドン2012から東京、その先の未来へ-

2020年に向けて、スポーツだけでなく文化を通して、日本全体を盛り上げようとする機運が高まる中、障害のある人々の芸術表現の可能性や、あらゆる人々がアートを享受できる環境整備の必要性について多様な議論が広がってきています。

2012年に開催されたロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会では、文化プログラムの主要プログラムのひとつとして、障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援する大規模なプログラム 「アンリミテッド」 が英国全土で展開されました。
「アンリミテッド」は、障害のあるアーティストの育成や環境整備、助成プログラムを通して、障害のあるアーティストによる優れた芸術活動に対する認知度の向上と、アーティストの活躍の場の拡大に大きく貢献し、その成功を受け、大会後も継続して新たなアーティストの育成や作品の委託が実施されています。

本フォーラムでは、2014年より英国「アンリミテッド」のシニア・プロデューサーを務めているジョー・ヴェレント氏や英国を拠点に振付家、ダンサーとして活動をしている南村千里氏をはじめ、日本でアート、デザイン、スポーツなど様々な分野で活躍されているスピーカーの方々をゲストにお迎えします。英国において障害のある方々の文化芸術活動の変遷や、ロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会およびアンリミテッドがもたらした成果などを共有しながら、2020年の東京大会を視野に、障害のあるアーティストが活動の場を広げ、より多様性のある社会を作っていくためのヒントを探ります。

スピーカー

ジョー・ヴェレント(アンリミテッド・プログラム シニア・プロデューサー)
為末大
保坂健二朗(東京国立近代美術館 主任研究員)
南村千里(振付家/ダンサー/ダンス講師/芸術解説者)
山中俊治(デザインエンジニア/東京大学教授)

モデレーター:藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク 代表 )

定員

200名(先着順)

参加費

無料 (日英同時通訳、手話通訳、要約筆記付き)

申込方法 ※定員に達したため、申込受付を終了いたしました。

ブリティッシュ・カウンシルウェブサイトの専用オンライン申込フォームからお申し込みください。

スピーカープロフィール

ジョー・ヴェレント|Jo Verrent(アンリミテッド・プログラム シニア・プロデューサー)
「”different” is delicious not divergent(”違い”とは”異質”ではなく”味わい”である)」の信念のもと、文化芸術セクターにおいて、様々なレベルで携わり活動。多様性は物事に”texture(特色)”をもたらすという考えを定着させ、政策を実際のアクションに移しながら活動を展開。2012年ロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会の文化プログラムの一環で、同大会組織委員会、英国の4つのアーツカウンシルおよびブリティッシュ・カウンシルが2009年に立ち上げた「アンリミテッド」プログラムにおいて、2014年より2年間、シニア・プロデューサーを務めている。アーティストとしても活動を展開し、近年はビデオインスタレーション「Take Me to Bed」を制作、アイルランドのリメリック・ライト・ムーブ2014のフェスティバルで最優秀作品賞を受賞。サラ・ピクトホールとともに、障害のあるアーティストの感性とデジタル技術を融合するプログラム「ショート・サーキット」や、文化セクターにおける障害者のリーダーシップ促進を目指すプログラム「SYNC」を立ち上げ運営。アーツカウンシル・イングランドの北部アドバイザリー・パネルなども務める。

為末 大|Dai Tamesue
スプリント競技における日本初の世界大会メダリスト。五輪はシドニー、アテネ、北京の3大会に連続出場。2012年に現役を引退。現在は、一般社団法人アスリート・ソサエティ(2010年設立)、為末大学(2012年開講)、Xiborg(2014年設立)などを通じ、スポーツ、社会、教育、研究に関する活動を幅広く行っている。

保坂健二朗|Kenjiro Hosaka(東京国立近代美術館 主任研究員)
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了(美学美術史学)。2000年より美術館に勤務。企画した主な展覧会に「建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳」(2008)、「エモーショナル・ドローイング」(2008)、「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」(2010)、「フランシス・ベーコン展」(2013)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014-15:ハウス・コンストルクティヴ、クラクフ現代美術館等)など。主な著作に『アール・ブリュット? アウトサイダー・アート? ポコラート! 福祉×表現×美術×魂』(監修、3331 Arts Chiyoda、2013年)、『アール・ブリュット アート 日本』(監修、平凡社、2013年)など。『すばる』や『朝日新聞』で連載。東京藝術大学、金沢美術工芸大学、弘前大学、九州大学の非常勤講師のほか、厚生労働省「障害者の芸術活動支援モデル事業評価委員会」構成員や滋賀県アール・ブリュット・アドバイザーなども務める。

南村千里|Chisato Minamimura(振付家/ダンスアーティスト/芸術解説者)
生後7ヶ月目に聴力を失い、きこえない世界へ。1999年Laban、2003年横浜国立大学大学院修士課程修了。2003年より2006年末、英国に渡り、CandoCo Dance Companyのダンスアーティストとして活動。以降、フリーランスアーティストとして、ロンドンを拠点に、アジア、アフリカ、欧米など15カ国35都市以上で公演、ワークショップなどのプロジェクトを実施中。傍ら、英国手話による芸術解説者として、テート美術館、ナショナルギャラリー、ホワイトチャペルギャラリーなどで活動中。振付作品に「SCOT」(2007年:the Place)、「the Canon for Duet」(2008年: Place Prize ’08 / Firsts 2008 ロイヤルオペラハウス)、「BEATS」(2009年:BEACDS / リバティフェスティバル2009)、「NEW BEATS」(2010年:Stepping East / DaDaFest International 2010、2011年/Spring Dance@オランダ)がある。スウェーデンでのダンスプロジェクト「VIBRAGERA」(2009年)、グリニッジ+ドックランド インターナショナル フェスティバル(2009-2013)、カンボジアでのダンスプロジェクト(2009年)などにも携わる。ロンドンパラリンピック開会式2012に、パフォーマーとして出演。2014年9月、UNLIMITED 2014にメインワーク9作品の1つに選出され、ダンスとテクノロジとのコラボレーション、新作「RING THE CHANGES+」をロンドンとリスボンで上演する。

山中俊治|Shunji Yamanaka(デザインエンジニア/東京大学生産技術研究所教授)
1957年愛媛県生まれ。1982年東京大学工学部卒業後、日産自動車デザインセンター勤務。1987年フリーのデザイナーとして独立。1991~94年東京大学助教授、同年リーディング・エッジ・デザインを設立。2008~12年慶應義塾大学教授、2013年より東京大学生産技術研究所教授。腕時計、カメラ、乗用車、家電、家具など携わった工業製品は多岐にわたり、グッドデザイン金賞、ニューヨーク近代美術館永久所蔵品選定など授賞多数。近年は「美しい義足」や「生き物っぽいロボット」など、人とものの新しい関係を研究している。近著に『デザインの骨格』(日経BP社、2011年)、『カーボン・アスリート 美しい義足に描く夢』(白水社、2012年)。

藤沢久美|Kumi Fujisawa(シンクタンク・ソフィアバンク 代表)
国内外の投資運用会社勤務を経て、96年に日本初の投資信託評価会社を起業。99年、同社を世界的格付け会社スタンダード&プアーズに売却後、2000年にシンクタンク・ソフィアバンクの設立に参画。現在、代表。07年、ダボス会議を主宰する世界経済フォーラムより「ヤング・グローバル・リーダー」に選出。08年、世界の課題を議論する「グローバルアジェンダカウンシル」のメンバーにも選出され、世界30カ国以上を訪問。文部科学省参与、政府各省の審議委員や日本証券業協会公益理事等の公職に加え、豊田通商など上場企業の社外取締役なども兼務。国内外の多くのリーダーとの交流や対談の機会が多く、取材した企業だけでも、1000社を超え、ネットラジオ「藤沢久美の社長Talk」のほか、書籍、雑誌、テレビ、各地での講演などを通して、リーダーのあり方や社会の課題を考えるヒントを発信。2014年『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』を上梓、「地方創生」の一翼を担う。

記録映像

全スピーカーのプレゼンテーションとパネルディスカッションの記録映像を下記よりご覧いただけます。

開催場所

国立新美術館 3階講堂(〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2)

クレジット

主催
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、厚生労働省、独立行政法人国際交流基金、ブリティッシュ・カウンシル、文化庁 (五十音順)
協力
国立新美術館