アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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カントール生誕100年記念 カントールと演劇の二十世紀 【作品上映+展示+レクチャー+シンポジウム】

ジャンル:
  • 演劇・舞踊 ,
  • 展覧会・上映会

20世紀を代表し、世界に衝撃を与えたポーランドの演出家、タデウシュ・カントール。「戦争と革命の時代」と言われる20世紀にカントールが現実への応答として作り上げた作品群は芸術という愉楽とともに21世紀の門口に立つわれわれを新たな思索へと向かわせます。

カントール生誕100年にあたり、作品の映像、自筆ドローイング、タニノクロウによるカントールへのオマージュ、レクチャー、シンポジウムなど、あらゆる角度からカントールを再検討します。

スケジュール

10月8日(木)19:00「死の教室」「愛と死の機械」
10月9日(金)19:00「くたばれ! 芸術家」「愛と死の機械」
10月10日(土)13:30「ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ」、16:15 レクチャー「カントールと演劇の二十世紀」、19:00「死の教室」
10月11日(日)13:30「私は二度とここには戻らない」、16:15「死の教室」
10月12日(月・祝)13:30「くたばれ! 芸術家」、16:15 シンポジウム「カントールの衝撃」
10月13日(火)19:00「死の教室」「愛と死の機械」
10月14日(水)19:00「ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ」「愛と死の機械」
10月15日(木)19:00「私は二度とここには戻らない」「愛と死の機械」
10月16日(金)19:00「死の教室」「愛と死の機械」
10月17日(土)13:30「くたばれ! 芸術家」、16:15「ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ」、19:00「私は二度とここには戻らない」
10月18日(日)13:30「死の教室」「愛と死の機械」

※開場時より終演後30分まで、会場およびロビーのドローイング・写真の展示をご覧いただけます。
※各上映、シンポジウム、レクチャーは入替制となります。
※「愛と死の機械」は平日および最終日の特典上映となりますので、料金は1本分と同一料金となります。

作品上映

作・演出:タデウシュ・カントール、出演=Teatr Cricot²
いずれも日本語字幕付き
協力:京都市立芸術大学

「死の教室」

1976~1990年 Change Performing Arts制作
字幕翻訳:荒川いづみ 
朗読テキスト翻訳:鴻英良
上映時間:90分
1975年11月15日、クラクフのクシシュトフォリ・ギャラリーにて初演。奇怪な死を巡るアラベスク。古びた教室の机の周辺で、狂おしくも演じなおされ、反復される絶望と歓喜。愚行の輝かしさ。こうして死を現前化させる空間が奇妙な透明感に満ちてくる。これは死の演劇。日本ではアンジェイ・ワイダ監督による劇場映画版が公開されているが、これは初演の数ヵ月後の希少な映像を中心に世界各地の上演映像を、カントールのテキストを最も忠実に再現することを目的に構成し、日本語朗読を加えた特別版。

「くたばれ! 芸術家」

1986年 ポーランドテレビ制作
上映時間:77分
1985年、ニュルンベルグ初演。ヴァイト・ストシュ、ニュルンベルグの彫刻家、クラクフの教会の祭壇を作った彼は、望郷の念抑えがたく、故郷に帰った時、財政法の罪で頬に釘を打ち込まれた。「芸術家よ、くたばれ!」。芸術家に向けられた死の命令。死者は墓の向こうに旅立っていく。ここで試みられるのは、生と死を引き合わせるという不可能の企てである。

「ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ」

1984年 ポーランドテレビ制作
字幕翻訳:津田晃岐
上映時間:86分
1980年、フィレンツェ初演。第一次世界大戦下、オーストリア軍に徴集された7人の新兵たち、そして、カントール本人の家族、親族たちの物語が交錯する。ポーランドの歴史と運命が浮き彫りにされてくる。ヴィエロポーレはカントールの生まれた村の名前である。タイトルの持つ鏡像的効果、反復。

「私は二度とここには戻らない」

1990年 ポーランドテレビ制作
字幕翻訳:津田晃岐
上映時間:81分
1988年、ミラノ初演。タイトルは、ガス室へと連れられて行く絶滅収容所のユダヤ人たちが、去り際に、まだ殺されないでいる仲間たちに語った言葉である。殺された人たちの亡霊が、宿屋にやってくる。われわれはここで対面しなければならない。20世紀に何が起こったのかを。「ガス室への行進」とともに歴史が蘇る。

「愛と死の機械」

1987年 Change Performing Arts制作
字幕翻訳:荒川いづみ
上映時間:34分
カントールは、1938年、クラクフ芸術アカデミーの学生の時、メーテルリンクの象徴主義的作品『タンタジールの死』を、構成主義的、バウハウス的方法とぶつけて上演した。それから50余年、この舞台を再構築し、「演劇的機械」のなかに新たにはめ込み、それをクリコタージュと呼んだ。1987年、カッセルのドキュメンタにて初演。

展示

美術家としても知られたカントール自筆のドローイング20点、スケッチ写真など約20点、カントール来日時に写真家・宮本隆司が撮影した舞台稽古写真約15点など、貴重な資料を一挙公開。

レクチャー「カントールと演劇の二十世紀」

日時:10月10日(土)16:15

カントール作品に触れつつ、カントールの芸術理念、その世界史的な意味について考察する。彼が20世紀の現実をどのように分析し、それにどのように応答したのか、そうした彼の試みが21世紀を生きるわれわれに何を語りかけているのか、それが問題だ。

講師:鴻英良(おおとり ひでなが)
演劇批評家。1948年生まれ。国際演劇祭ラオコオン(カンプナーゲル、ハンブルグ)、ウォーカー・アート・センター(ミネアポリス)グローバル委員、京都舞台芸術センター副所長などを歴任。著書に、『二十世紀劇場:歴史としての芸術と世界』(朝日新聞社)、訳書に、カントール『芸術家よ、くたばれ!』(作品社)、タルコフスキー『映像のポエジア』(キネマ旬報社)、カバコフ『イリヤ・カバコフ自伝』(みすず書房)など。

シンポジウム「カントールの衝撃」

日時:10月12日(月・祝)16:15

演劇との出会いの初期にカントールに衝撃を受け、今回カントールに捧げるエチュードを創作する演出家、タニノクロウ。ポーランドとの共同作業を続ける演出家、清水信臣。ポーランド現代演劇の研究者、アンナ・R・ブジンスカ。元Cricot²(カントールの主宰した劇団)の俳優、レフ・スタングレット。4人が、それぞれの視点からカントールに迫る。

スピーカー:タニノクロウ、清水信臣、アンナ・R・ブジンスカ、レフ・スタングレト
司会:鴻英良

チケット情報

【9月5日(土)発売】

作品上映+展示

1本:1,500円(上映毎に入替)
セット券:2本 2,800円、3本 3,900円、4本 4,800円

※全席自由席・税込
※セット券は前売のみ取扱い(枚数限定)
※シンポジウム、レクチャーはセット券の対象外です。

レクチャーまたはシンポジウム+展示

前売・当日:1,000円

・東京芸術劇場ボックスオフィス
TEL:0570-010-296 (休館日を除く10:00~19:00)
※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。
窓口:営業時間は休館日を除く10:00~19:00
ウェブ:http://www.geigeki.jp/t/ (PC) http://www.geigeki.jp/i/t/ (携帯) ※24時間受付(メンテナンスの時間を除く)

お問い合わせ

東京芸術劇場ボックスオフィス
TEL:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)

※チラシに記載されている「鈴木忠志×鴻英良対談」は、事情により中止となりました。

開催場所

東京芸術劇場 シアターイースト

チラシ

クレジット

主催
東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
共催
ポーランド広報文化センター
後援
ポーランド共和国大使館
協力
cricoteka、CULTURE.PL
助成
平成27年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業