福田輝久(尺八)、杵屋子邦(三味線)による、邦楽聖会の第19回公演。箏助演に林美音子。最初に、尺八本曲「聖調 阿字観」、三味線「新砧」の独奏2作品で、“伝統”を披瀝する。続いて、丹波明、遠藤雅夫、和泉耕二、宮川渉による新作を演奏する。丹波明「音の干渉 第10番」は伝統的な三曲編成(尺八・三味線・箏)による作品。遠藤雅夫、和泉耕二、宮川渉の各作品(題未定)は尺八・三味線による二重奏曲だが、この編成はアンサンブルとして高い可能性を持つものの作品数がまだ極めて少ない。三味線は伝統的な“声”も伴う。人、風土、時代により支えられてきた伝統音楽の継承と、同時代の作曲家の手で創造される新たな伝統音楽の可能性について、演奏を通じて考える機会とする。
【福田輝久(尺八)・杵屋子邦(三味線)】
1986年頃より作曲家と邦楽器を巡る新作品の演奏、コラボレーションを活発に展開。1999年「ミュージック・フロム・ジャパン」アメリカ・カナダツアー。2002年、作曲家丹波明氏を音楽監督に招き「邦楽聖会(ほうがくひじりかい)」を結成。東京、フランスにて「伝統と刷新」をテーマに定期公演を重ねる他、日本伝統音楽の紹介、レクチャー、指導、ラジオフランスでのCDレコーディングなどを行う。近年は中国、台湾、香港、韓国での演奏も多く、演奏家や芸術大学生との共演や交流も盛んに行っている。
邦楽聖会
代表:福田 輝久
e-mail:fukuda108@yahoo.co.jp
東京オペラシティ リサイタルホール (東京都新宿区)