美術家、音楽家である向井山朋子が監修する「Multus」(複数の意)シリーズの第二弾。向井山をはじめ、現代音楽のスペシャリスト、ゲラルド・バウハウスをオランダから招き、日本の若手実力派、浦壁信二、佐藤祐介を加え、総勢四名で四手連弾による二台ピアノ・コンサートを行う。今回の作品は、<ダンス>のように踊り波打つ音楽と、観客を取り囲んで上映されるビデオ・インスタレーションとの共演。映像は「オランダフィルムミュージアム」(EYE Film Institute Netherlands)が所有する60年代のモノクロの無声映画、ドキュメンタリー映画を素材として再編集した新作。100年近くの時を経て再編集された映像の時間軸と音楽の躍動感が交差する。新しい音楽の聴き方、音楽空間を追求するコンサートである。
【向井山朋子】
1991年国際ガウデアムス演奏家コンクール優勝後、ロイヤルコンセルトヘボウなど世界一流オーケストラにソリストとして招聘され、新曲の初演に携わる。近年は、イリ・キリアン、マリーナ・アブラモヴィッチらとのコラボレーションのほか、従来の形式にとらわれない舞台芸術やインスタレーションなど美術の領域にも進出し、2013年はあいちトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭で新作を発表、好評を博す。
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