日本の糸あやつり人形(人形浄瑠璃)は、世界でも類を見ない演劇性に富んだ人形芝居である。
しかし常設の小屋が無いため、常時古典の上演を観ることができない。
一糸座は庶民に育てられた人形浄瑠璃芝居を、もっと身近で安価に観てもらうことができないか模索していたが、劇団拠点の小平市には江戸時代の建物を保存している「ふるさと村」があり、昨年はその建物を利用して人形浄瑠璃公演を行い好評を博した。今年は同じ市内の「平櫛田中彫刻美術館」での上演を企画。
小平市民に愛されている田中館で、人形浄瑠璃公演を行う事で、近隣市民の方にも足を運んでもらい、多くの方に田中館、そして糸あやつり人形を知ってもらう事に繋がればと考え上演を行った。
◇演目:伊達娘恋緋鹿子八百屋お七
田能久
◇出演:人形 結城一糸 結城民子 結城敬太 金子展尚 根岸まりな
(糸あやつり人形一糸座)
浄瑠璃 竹本綾之助 竹本綾一
三味線 鶴澤三寿々 鶴澤弥々
(義太夫協会)
【糸あやつり人形一糸座・結城一糸】
<結城一糸>
結城座十代目、結城孫三郎(故人)の三男。
1972年三代目結城一糸を襲名。2003年結城座から独立し、2005年に「江戸糸あやつり人形座」旗揚げ。2015年に「糸あやつり人形一糸座」と名を改めて現在に至る。江戸糸あやつり人形の古典作品のほか、宮沢賢治、エウリピデス、バタイユ、ブレヒト、アルトーなどの作品に取り組むほか、海外でも公演を行い高い評価を得ている。
2015年にイタリア・ボローニャ大学から招聘され、「伝統と前衛」をテーマに「古典作品とアルトー24時再びの抜粋」を上演。同時に学生に向けたワークショップ及びアルトー研究者らと公開シンポジウムを3日間かけて開催。古典糸あやつり人形の新たな掘り起こしと、新作においては、領域を越えた人達とのコラボレーションにより、実験的な演劇を次々と産み出している。
〒187-0045 東京都小平市学園西町2-14-21-3F
糸あやつり人形 一糸座
制作:結城 民子
TEL:042-201-5811
FAX:042-403-0653
e-mail: acephale-yuki@ace.odn.ne.jp
小平市 平櫛田中彫刻美術館(東京都小平市)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。