関かおりは、近年、ダンサーが自身の五感(皮膚感覚含め)を使って動くこと、また観客の五感を刺激しその身体全体を使って作品を観てもらうことを大切に考え、出演者と観客の物理的・心象的距離を狭めた空間構成、時間の演出を模索してきた。
今作では2014年の課題としていた、より大きな劇場空間での公演を視野に入れた取り組みと、これまで取り組んできた個の身体の探求、作品を通して他者への感覚のアプローチはどのようなことができるのか、視覚を通してだけではなく体感から伝わるもの(嗅覚や触覚)の模索を続ける。
人間や動植物には、自身が体験していなくても、生き物として既にその身体が知っていることが沢山あるのではないか。具体的な出来事を思い出すという意味の「懐かしさ」と「そこから引き出される感情」だけではなく、ふと泣きたくなる、無性に人恋しくなる、危機感を覚える等、観客の「感覚」を揺さぶるような振付を探求する。
2003年より自身の作品を発表する。’12年岩渕貞太との共作にて横浜ダンスコレクションEX「若手振付家のための在日フランス大使館賞」受賞、フランス国立現代舞踊センターに滞在。同年トヨタ コレオグラフィー アワード「次代を担う振付家賞」受賞。’13年エルスール財団新人賞受賞、関かおりPUNCTUMUN設立。近年は演劇公演やファッションカタログに振付で参加、ダンサーとして室伏鴻の作品に参加する等活動の場を広げている。’14年〜15年度セゾン文化財団ジュニアフェロー。
団体せきおかり
制作:須知聡子
e-mail:punctumun@kaoriseki.info
森下スタジオCスタジオ(東京都江東区)