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【開催】カロクリサイクル|記録から表現をつくる 成果展 風のある場所


開催時期
2026年4月23日(木)~5月6日(水・振休)
※4月27日、28日は閉室
木・金 13:00~20:00、土・日・祝 11:00~18:00
開室カレンダー
開催場所
Studio 04
(〒136-0072 東京都江東区大島4-1-1 大島四丁目団地1号棟1階106)



2022年より毎年夏に開催しているワークショップ「記録から表現をつくる」では、参加者が自身の関心に基づいて、残された記録を集めたり、自ら記録したりすることからはじめ、たがいにプロセスを共有し、対話しながら、記録やリサーチをひらいていくための表現を実践しています。

本展は、これまでのワークショップ参加者のうち有志9名が、それぞれワークショップ当時から向き合っているテーマについて、あるいは現在関心のあることがらについて、リサーチをもとに制作した作品や記録資料等を構成しながら、現時点での表現の形を模索し、発表する展覧会です。それぞれの生活実感に即したテーマは多種多様ですが、隣り合って並べてみると、類似する課題が見つかったり、反対に、似たテーマなのにずいぶん細部が異なったり、といった発見があります。

それぞれがライフワークとして長期的に向き合っていく(かもしれない)プロジェクト。節目節目で立ち止まって形にして発表し、さまざまな人と共有することで、より豊かな活動へとつながっていく予感がしています。ぜひ個性豊かなプロジェクトの“いま”の形を、楽しみにいらしてください。

一般社団法人NOOK

※プログラムは変更になる可能性があります。

展示のテーマについて

風のある場所──そこでは草はゆれ、波はたつ。遠くの小さな音がふと聞こえきたりして、思いがけない存在を偶然知ることもある。
本展では、9人の作家がそれぞれ自分の居場所や訪れた先々、日々の暮らしや積み重なる歴史に吹く風に耳を澄ましながら、記録と表現に取り組みました。
そして、ここに並ぶ作品もまた新たな風になります。小さな音や声が思いがけない誰かのもとへ届いていく。本展が、そのような「風のある場所」となれたら幸いです。

入場料

無料

展示参加者(五十音順)

有賀峻、牛尾日莉、大木諒也、鈴木睦海、早田仁知、竹浪春花、沼田梓、宮田恵、矢部ゆりか

展示参加者コメント

有賀峻(ありが しゅん)
瀬戸内海にある豊島には、さまざまな立場から豊島を見たお話を聞かせてもらえる場がいくつもある。その語りたちは、豊島の美しい自然、切り崩された山や海岸線、道端に放置され錆びついた重機、柵で区切られた県の管理地といった、そこにある風景や、それぞれの物語の情景と、緩やかにつながっている。
私は、2022年夏に聞かせてもらった、とある切り崩された豊島の山についてのお話をきっかけに、昨年の夏から豊島に通い始めました。今回の展示では、これまで聞かせてもらったお話に加え、豊島で起きた公害事件の資料館に積み重ねて保存されている、かつて豊島住民の間で行われた豊島事件への理解を広めることを目的とした講演会のための勉強会の資料をもとにした作品を制作します。

牛尾日莉(うしお ひまり)
「折り鶴の折り方」をききます。
折り鶴は、折り紙の代表的なかたちとして、また平和のシンボルとして、広く知られています。「鶴を折る」という行為は、文化や平和と結びついたものとして受け取られることが多く、一人ひとりとの結びつきに目を向けられることは少ないように感じます。
折り鶴の折り方をその人の語りとして耳を澄ませるとき、私たちは何をきくことができるのでしょうか。

大木諒也(おおぎ りょうや)
出生地である長野県のことを調べる中で満蒙開拓団に興味を持ち、リサーチを続けています。
引揚者が入植した地を訪ねる中、長崎県雲仙市の百花台地区にて、朝鮮からの引揚者を両親に持つ方と出会いました。彼女が両親から聞いている引き揚げ後の生活や、彼女自身のライフヒストリーを聞き取り、それらを基にした作品を制作します。

鈴木睦海(すずき むつみ)
方言で語られることについて、祖母の語りをもとにパフォーマンスと展示を行います。「語り」という行為を身体の記録として捉え、他者の語りを自分の身体を通して語り直すことを試みます。失われつつあることばを記録することについて考えながら、ある方言における身体性、呼吸や発声、発音、抑揚、リズム、思考との関係についても探ってみたいと思います。

早田仁知 (そうだ にち)
コロナ禍はロックにとって災禍だったというに十分足るのではないでしょうか。あの時代は、身体の底から湧き出る想いを歌うことは忌避され、ロックは録音という技術の中に押し込められました。
高校時代、私が所属していた軽音楽部には、顧問の先生が、私たち部員のオリジナル曲を収録し、アルバムにしてくれるという文化がありました。その音源を頼りに、あの頃の音楽仲間が作った曲を、ただカバーします。
私が曲を作る時は、その曲を作る理由が最初から明確にあるわけではない。最初はただ「自分のために作らなければならない」という初期衝動だけがある。その曲を自分の身体を使って叫んでみてから初めて、その曲が自分にとって何なのかを少しずつ実感していく。ひょっとしたら、他人の曲をカバーすることは、その歌がその人にとって何であったのかを少しずつ実感していく術になるかもしれない──し、ならないかもしれない。

竹浪春花(たけなみ はるか)
福島県双葉郡川内村にある高田島という地区に通って今年で14年になります。最近はこの高田島だけに伝わる『ばかめくり』という花札の遊びについて調べたり遊んだりしているので、それをもとに物語をつくり、展示します。「戦前は歩いていける範囲に生活の全部があった」「高田島のなかでも地域(徒歩圏内)によって花札のルールがちがった」という話を聞いたので、『歩いて遊ぶ』をテーマに制作します。

沼田梓(ぬまた あずさ)
2022年より、横浜から新潟県阿賀野市に移住し老人ホームに勤めながら阿賀野川や新潟水俣病に関するお話を聞いています。
今回の展示は、2024年に展示した聞き書き「仮想 阿賀野川流域ツアー」に、写真や加筆を行った追補版を展示します。また1981年に編まれた聞き書き集『あがの岸辺にて』の制作過程をたどり、新たに聞き書きを行い冊子として展示します。

宮田恵(みやた めぐみ)
日本海に浮かぶ離島、佐渡島に移住して1年が経ちました。「日本の縮図」とも呼ばれるこの島では、多様な自然環境や文化が育まれ、それらが形づくる美しい風景がみられます。少子高齢化や周縁部の過疎化、観光開発の風が吹きつけるなかで失われゆく風景と、そこで紡いだ言葉に関する作品を展示します。

矢部ゆりか(やべ ゆりか)
旧大東亜共栄圏の各地で出会った民話を、「日本人」である私が、その土地の言語で朗読する音声作品を展示します。
大日本帝国によって言葉を奪われた人々は、それでもなお、土地の物語を語り継いできました。
私は、日本語を第一言語として生きる一方で、かつて抑圧された言語を学んでいます。本作では、言語を「奪った」日本語話者である私が、「奪われた」言語で物語を語り直します。
言葉を奪うこと、奪われること、そしてそれを取り戻すこと。語り直すこと、受け継ぐこと、そして、それでもこぼれ落ちること。これらを包み込んだ声が、あなたに届きますように。

関連イベント

展示期間中には、以下の関連イベントを開催予定です。
会場はすべて「Studio 04(東京都江東区大島4-1 大島四丁目団地1号棟1階106)」となります。展覧会とあわせて、ぜひご参加ください。

イベント① ギャラリーツアー

本展参加者が、作品のテーマや制作過程について紹介しながら会場をご案内します。会期中2回開催します。

日時
2026年4月25日(土)13:00〜15:00 
展示案内:有賀峻、鈴木睦海、竹浪春花、沼田梓 、矢部ゆりか
2026年5月5日(火・祝)14:00〜16:00  
展示案内:牛尾日莉、大木諒也、早田仁知、宮田恵
参加費
無料
*予約不要。直接会場にお越しください

イベント② トークセッション「他者の語りを、自分の“声”で語り直す」

故郷の方言の語りを語り直す鈴木と、旅先で出会った民話を現地語で語り直す矢部。
「他者の語りを、自らの身体を通して語り直すこと」を試みた2人の作家によるパフォーマンスとクロストークをお届けします。他者と自分との距離や言語の違い、消えゆくものを残すこと、受け継がれるものと溢れ落ちるもの…。対象は違えど、共に「他者の言葉の身体的な語り直し」に取り組んだ2人が、作品制作を通して考えたこと・感じたことをもとに、お互いの共通点や差異について語り合います。

登壇者
鈴木睦海、矢部ゆりか(本展参加者)
進行
大木諒也(本展参加者)
日時
4月25日(土)16:00~17:30
入場料
無料
定員
20名(先着順)
申込み方法
こちらのフォームからお申込みください。
申込締切
4月20日(月)23:59

イベント③ ワークショップ「記録から脚本をつくり、みんなで読み合わせる」

山のように積み重なっていく記録や記憶を、脚本や物語として伝える/共有することを試みた作家の竹浪と鈴木によるプログラムです。
前半は、福島県双葉郡川内村にある高田島地区でのリサーチ・記録をもとにつくられた脚本の読み合わせをします。きっと読んでいくなかで、「このセリフはどうやって言うの?」「これってどんな動き?」「どんな場所?」と疑問が湧いてくると思うので、後半では、そのひとつひとつをみんなで考えたり話したりしながら、脚本をどんどん書き直していきます。そして最後に出来上がった完成稿をまたみんなで読み合わせてみたいと思います。

読むのは苦手という方は見るだけ・書き直すだけの参加もできます。お子様もぜひ。
さまざまな視点と、さまざまな言葉で読み合わせながら、ひとつの物語を編むことができたら嬉しいです。みなさまのご参加をお待ちしております。

ファシリテーター
竹浪春花(本展参加者)
協力
鈴木睦海(本展参加者)
日時
4月29日(水・祝)13:00~15:00
入場料
無料
定員
10名(先着順)
申込み方法
こちらのフォームからお申込みください。
申込締切
4月24日(金)23:59

イベント④ 『あがの岸辺にて』朗読会&こぼれ話

『あがの岸辺にて』は、阿賀野川の岸辺に暮らす人々の川筋の生活の聞き書き集です。阿賀の方言が染み込んだ古老たちの語りの中には、今はもう失われた阿賀の風景が描かれています。そして古老たちは新潟水俣病の未認定患者でもありました。
阿賀の人々が阿賀の言葉で語った川と人のつながり。そこに水俣病も横たわっています。

朗読会では、沼田が進行役となり、『あがの岸辺にて』から抜粋したいくつかの文章を参加者間で朗読します。なまりがありとっつきにくい部分もありますが、川魚漁のダイナミックな描写はリズミカルで臨場感に溢れています。
その後、読んでみた感想を語りあい、束の間、阿賀の土地と言葉を味わう時間にしたいと思います。テキスト中の風景の説明や、阿賀で行われている文化運動にも触れます。
朗読会を通じて、裁判やマスコミ報道といった、統一化された現代日本語システムからこぼれ落ちる阿賀野川の物語としての水俣病に出会っていただけたら幸いです。

日時
5月6日(水・振休)16:00~17:30
進行
沼田梓(本展参加者)
入場料
無料
定員
なし ※要事前申し込み
申込み方法
こちらのフォームからお申込みください。
申込締切
5月5日(火・祝)23:59

クレジット

主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、一般社団法人NOOK
協力
UR都市機構

お問い合わせ

一般社団法人NOOK
E-mail:karoku.nook*gmail.com(*を@に置き換えてください)