アーツカウンシル東京

伝統芸能見本市 ―春迎え―

文華と技が彩る日本伝統芸能の世界
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日時:平成25年2月6日〈水〉午後6時30分開演[午後5時30分ロビー開場]※午後5時30分より「道行き」
場所:東京芸術劇場コンサートホール
※午後5時30分より、東京芸術劇場前の池袋西口公園で、大田楽や木遣り、新ばし芸者衆が練り歩く「道行」があります(雨天時は、東京芸術劇場1Fアトリウムにて)

演目・出演

  • 日本舞踊 手習子てならいこ 舞踊:花柳美輝風 長唄:杵屋巳津也 ほか 三味線:今藤長龍郎 ほか 囃子:藤舎呂英社中
  • 文楽 二人三番叟ににんさんばそう 豊竹呂勢大夫 竹澤宗助 鶴澤藤蔵 桐竹勘十郎 吉田勘彌 ほか
  • 舞楽 春庭花しゅんでいか 東京楽所(代表 多忠輝)
  • 大田楽だいでんがく 番楽ばんがく田主奏上たあるじそうじょう総田楽そうでんがく ほか  野村万蔵 野村扇丞 ほか わざおぎ

公演休憩中のロビーでは、新内流し、里神楽、太神楽もお楽しみいただきます。
出演:新内剛士しんないたけし新内仲之助しんないなかのすけ里神楽さとかぐら石渡大介連中いしわただいすけれんちゅう太神楽だいかぐら鏡味仙志郎かがみせんしろう

「道行」
開演の1時間前(午後5時30分)から、劇場前の池袋西口公園で、大田楽や木遣り、新ばし芸者衆が練り歩く「道行」があります。
出演:新ばし芸者衆、江戸消防記念会第一区連中、大田楽 わざおぎ

※都合により、出演者・演目等変更になる場合がございますのでご了承ください。

企画構成:茂手木潔子もてぎきよこ

料金

[全席指定]一般:2,000 円 学生:1,000円 ※「道行」は無料で観覧いただけます。
• 車椅子席は、東京芸術劇場ボックスオフィスでお求めください。
• 未就学児の入場はご遠慮ください。
 東京芸術劇場館内のキッズルームがご利用いただけます(事前申込制・有料)
 お問合せ・お申込み:03-3981-7003
• 英語イヤホンガイドのサービスがあります(無料)

チケット取扱い

◎チケットぴあ
http://t.pia.jp/ 電話 0570-02-9999 P-コード:426-174

◎イープラス[e+]
http://eplus.jp/

◎東京芸術劇場ボックスオフィス
電話 03-5391-3010(10:00-19:00) PC: http://www.geigeki.jp/t/ mobile: http://www.geigeki.jp/i/t/


演目について(解説:茂手木潔子)

コンサートホール

日本舞踊「手習子(てならいこ)」

花柳美輝風 ※写真は《手習子》ではなく《團十郎娘》

1792年(寛政4)初演の長唄舞踊の作品です。舞踊のお浚い会で取り上げられることの多い作品のため、初心者用と誤解されている向きもありますが、どうして、実はなかなか奥深く、きちんと踊るには相当の技量が必要です。
主役は寺子屋帰りの可憐な少女です。春の陽を浴びて、愛らしい少女が道草をしながら、時には大人っぽい雰囲気ものぞかせながら艶やかに踊るという内容です。長唄と囃子の若手実力者の演奏で本格的な手習子をお楽しみ下さい。

文楽「二人三番叟(ににんさんばそう)」

写真:ⓒ青木信二

《二人三番叟》とは、人形浄瑠璃文楽《寿式三番叟ことぶきしきさんばそう》から三番叟部分のみを演ずるときの題名で、2人の三番叟が踊るリズミカルでダイナミックな、そしてボケとツッコミ的なやり取りのある非常に面白い作品であり、また音楽も、義太夫三味線の魅力満載の聞きがい一杯の作品です。「三番叟」は、天下泰平・五穀豊穣・延命息災を祈る芸能で、「能」の神事的な作品「翁」の中で演じられるものが有名ですが、文楽の三番叟は、竹本義太夫が原型を作ったと言われます。
文楽は、世界に類を見ない日本独自の人形芝居です。太夫は豊竹呂勢大夫とよたけろせたゆうほか、三味線は竹澤宗助たけざわそうすけほか、そして人形は桐竹勘十郎きりたけかんじゅうろう吉田勘弥よしだかんやほかで上演しますが、文楽界の若手実力派が本公演のために集合してくださいました。

舞楽「春庭花(しゅんでいか)」

写真:ⓒ青木信二

舞楽は、雅楽の中で舞を伴う作品のことで、唐楽と高麗楽こまがくの2種類に分類されます。唐楽と高麗楽の違いは、舞では舞人の衣装の色の違い、音楽では演奏する楽器の種類の違いに現れます。
この作品は、唐の玄宗皇帝げんそうこうていろうに登った時に、その年の花の開花が遅いのを嘆いて曲を演奏した所、花がたちまち咲きはじめたという逸話に基づいています。後半では、4人の舞人が輪になって、花が開いたりしぼんだりする様子も表現しています。
舞および演奏は、古事記を編纂した太安万侶おおのやすまろの子孫で、宮内庁楽部楽長を務めた故多忠麿おおのただまろが、宮内庁楽部有志による雅楽演奏団体「雅楽紫絃会ががくしげんかい」を母体に東京の民間雅楽団体からの選抜演奏家を含めて1978年10月に組織した「東京楽所とうきょうがくそ」(現在の代表は多忠輝おおのただあき)です。

「大田楽(だいでんがく)」 ※道行にも出演

写真:ⓒ赤坂久美

大田楽は、若くして亡くなった狂言師五世野村万之丞のむらまんのじょう(没後八世万蔵を追贈される)が発案し創りあげた、伝統に基づいた新たな芸能です。中世・京の都を中心に全国で流行った、能狂言のルーツである「田楽でんがく」の伝統を現代に蘇らせた作品です。
当時もそうであったように、色とりどりの花をあしらった笠をかぶり、腰鼓ようこ*編木びんざさら*を鳴らしながら躍る人々や、アクロバット、ジャグリングなど、同時代の様々な大道芸を取り入れて華やかに構成されています。現代の背景の中で伝統を継承するコンセプトで貫かれ、NHK大河ドラマ「利家とまつ」「平清盛」でも当時の情景を補完する大きな役割を果たしてきました。
今回は、その一部を道行と舞台公演両方で演じますが、九世野村万蔵も登場します。

*大田楽では腰鼓くれつづみ編木ささらとそれぞれ呼んでいる。


ロビー

新内流し(しんないながし)

新内剛士たけし[右] 新内仲之助なかのすけ

里神楽(さとかぐら)

石渡大介連中いしわただいすけれんちゅう

太神楽(だいかぐら)

鏡味仙志郎かがみせんしろう


道行(みちゆき) 池袋西口公園

江戸木遣り(えどきやり)

写真:ⓒ国立劇場

木遣りは、寺社の建築のための木材を運ぶ行程で歌われる声の音楽で、長野の諏訪大社御柱祭おんばしらまつりの木遣り、伊勢神宮の御木曳おこびきの木遣り、江戸火消しの木遣りなどが有名です。江戸の木遣りは高音域の声を長く引いて歌う自由リズムの唄ですが、現在は、出初式でぞめしき、増上寺御忌大会ぎょぎだいえ、浅草三社祭さんじゃまつり天王祭てんのうさいなどで、祭の先陣を切って歌われます。特に、出初式では、江戸時代から受け継ぐ梯子乗はしごのりも披露され、江戸火消しの各組の勇壮な纏振まといふりも見ることができます。演唱は中村達太郎なかむらたつたろうを代表とする江戸消防記念会の皆さんです。

新ばし芸者の道行

写真:ⓒ東京新橋組合

江戸といえば、助六に象徴される粋で華やかな歌舞伎の世界を思い浮かべます。舞台に欠かせないのは、艶やかな芸妓たちと武士や町人との恋模様でしょうか。多くの浄瑠璃や歌舞伎のエピソードが、芸妓の存在によって色づけられてきました。
今回は、新橋の芸者連中のご協力で豪華な道行を再現します。黒のの衣装に身を包んだ新ばし芸者を、手に金棒を携えた手古舞てこまい役の芸者が先導します。


アクセス

お問合わせ

◎伝統芸能見本市事務局
電話 03-5623-2556(平日10時-18時) Eメール

主催:アーツカウンシル東京 (公益財団法人東京都歴史文化財団)
協力:東京文化発信プロジェクト室 (公益財団法人東京都歴史文化財団)