現代 アウトサイダーアート リアル
–現代美術の先にあるもの-
※採択時点での情報です。
- 採択団体・個人名
- 一般社団法人Arts and Creative Mind
- 助成区分
- Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成
- 助成タイプ
- 単年
2018年度 Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成 第1期




事業概要
1. 全国各地の福祉作業所・アトリエなどで生み出されたアウトサイダーアート作家の作品 50点〜100点を展示する。 2. 国内外のアウトサイダーアートの歴史に触れられるコーナー 3. 9月6日(金)19時〜オープニングレセプション / Press ツアー(レセプション当日18時から19時15〜20名くらい) 4. 期間中に有識者等によるトークショー開催(10月5日(土)予定) 5. 展覧会カタログ制作 (執筆者: 横浜美術館館長/逢坂恵理子 ・甲南大学准教授/服部正 ・歌手/一青窈 ・デザイナー/Taishi Nobukuni ・NPO法人Swing代表/木ノ戸雅幸 その他)
- 実施時期
- 2019年9月7日(土)〜10月27日(日)
- 実施場所
- 表参道 GYRE Gallery
プロフィール
【一般社団法人アーツアンドクリエイティブマインド】
一般社団法人Arts and Creative Mind(ACM Gallery)について
一般社団法人Arts and Creative Mindは、脳に重い障害のある兄を持つ、二人の姉妹が立ち上げた団体です。知的障害など、様々なハンディのある人々の表現を、アートとしてご紹介し、彼らの存在を社会と繋げる活動をしています。当社団法人が運営するACM Galleryは、東京恵比寿駅西口より徒歩3分の場所にあり、彼らのアートを常設展示しています。そこでは、彼らの作品を適正な価格で販売し、彼らに経済的な還元を図る活動をしています。2018年6月に実施したクラウドファウンディングでは128名の賛同者を得、8月に誕生しました。
皆さんは、心身に障がいのある方が生み出すアートをご覧になったことがありますか?作品の中には、力強く、心を打つものが沢山あり、欧米ではアール・ブリュットやアウトサイダーアートと呼ばれ、大変注目を集めています。アール・ブリュットとは、フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet)が、1940年代に、精神病者など、既存の西洋美術の外側で生み出される表現に感銘を受け、ヨーロッパのアカデミズムに対する強烈なアンチテーゼとして、独自の審美眼で集めたコレクションをアール・ブリュット『生の芸術』と名付けたことから、以来、この分野の芸術がそう呼ばれるようになりました。
アウトサイダーアートとは、イギリスの評論家ロジャー・カーディナ(Roger Cardinal)が、アール・ブリュットをわかりやすく英語に置き換えたものですが、一般的には、日曜画家など独学自修の作家など専門の美術教育を受けない人々が生み出す芸術として、アール・ブリュットよりは少し広い概念として知られています。
一方、日本では、戦前から福祉的な教育の一環として、知的障害者施設において造形活動が行われてきた長い歴史があります。そして、今でも、多くの施設などで、活発に表現活動がなされています。しかし、まだ一般的には知られておらず、数多くの素晴らしい作品が、全国で眠ったままの状態です。
アートは、健常者も障がい者も関係なく活躍できる、フェアなフィールドです。通常の仕事では、ハンディのあるこうした方々も、アートの世界では、むしろその障がいが、隠れた才能として発揮されることがあるのです。健常者のアーティストと障害のあるアーティストの大きな違いは、自らの力で社会とつながることができないことです。彼らのアートが世に出るためには、常に、第三者の深い関与が必要なのです。通常の就労が困難な人々の作業所での平均賃金は、月額2万円に満たないという過酷な現実があります。私たちは、このような状況を改善したいと、この活動を始めました。具体的には、自力で発信することができない彼らの作品を発掘し、多くの人たちとの出会いの場をつくり、ささやかな価格でも買って頂き、彼らの収入になることを目指しています。
代表:杉本志乃