湯浅譲二 室内楽作品による個展 合唱作品による個展



Business Overview
2024年は、作曲家:湯浅譲二が95歳を迎える年であった。しかしながら、湯浅は誕生日(合唱公演が予定されていた8月12日)を待たずに、7月21日に逝去。残念ながら、当公演が追悼公演となった。特に、室内楽公演に関しては、次代を担う若手・中堅の演奏家に、湯浅の謦咳に接する機会を与える、という狙いもあったが、残念ながら、湯浅は録音や動画を通じても演奏にコメントができる状態になく、この点については果たせなかった。しかしながら、湯浅の志向をダイレクトに反映させた電子音楽を聴き、楽曲の制作過程で書かれたグラフ(湯浅作品の多くは、方眼紙上のグラフとして発想されている)を閲覧することで、単に出版された五線譜を読むだけでは汲み取り切れない、湯浅作品の音楽の本質を表現できたものと考える。
また、合唱作品個展は、谷川俊太郎の詩による楽曲が多くを占めた。湯浅譲二は、谷川俊太郎にとってもっとも重要なコラボレーターの一人であり、湯浅に向けて詩を捧げている(「世界への睦言 湯浅譲二に」(「夜のミッキーマウス所収」)。谷川俊太郎も逝去した昨年、その共働の頂点である「問い」を再演できたのは、大きな収穫だったといえるだろう。また、室内楽公演はNHKによって収録され、9月に湯浅譲二追悼特集番組の一環として、FM放送された。
- Period of Activity / Project
- 2024年8月7日、8月12日
- Venues
- Toyosu Civic Center Hall
Profile
【TRANSIENT】
TRANSIENTは、2016年9月。石塚潤一、木下正道、小内將人、杉山洋一、西川竜太によって、松平頼曉の作品を中心に、現代において真に聴かれるべき作品を、理想的な演奏家を参集して公演を行うべく結成された任意団体である。
2018年12月に、松平のオペラ≪The Provocators ~挑発者たち~≫(ピアノリダクション版)を世界初演。以来、9公演を主催、制作。3公演がNHK FMにて収録、放送されるなど、高い評価を得ている。




