歳松会『心に響く歌舞伎音楽の調べ』モンテネグロ公演
※採択時点での情報です。
- 採択団体・個人名
- 一般社団法人 邦楽囃子研究所歳松会
- 助成区分
- 東京芸術文化創造発信助成
- 助成タイプ
- 単年
平成30年度 東京芸術文化創造発信助成[単年助成プログラム] 第2期



事業概要
今回の事業は、日本とモンテネグロの友好のために日本の伝統的な歌舞伎音楽と歌舞伎舞踊の魅力を、モンテネグロの人々に伝え、両国の相互理解、音楽的創造、発展に寄与することを目的に企画された。モンテネグロでは、これまで本格的な伝統芸能の公演が実施されておらず、楽器の説明や実際に楽器に触れる体験もなかった。今回は日本文化に触れる、貴重な機会を提供することができた。
主になる公演は、モンテネグロ国立劇場で実施した。公演の模様はモンテネグロのテレビ番組でも紹介され、大変な好評を得た。言葉の通じない観客にも理解しやすいように、視覚的効果を舞台に取り入れる工夫を行った。モンテネグロの子供の空手演武との共演や、日本舞踊、そして、曲に因んだ水墨画をプロジェクターで映し出し、衣桁に振袖を飾ったことで、日本を視覚からも感じて頂く、趣向を凝らした舞台となった。 〔プログラム〕 ・歌舞伎囃子組曲『鼓動』(モンテネグロ子供の空手演武との共演) ・山田流箏曲『花の寺』 ・三味線器楽曲『流れ』 ・歌舞伎舞踊『石橋』 ・アンコール:『髪洗い』
モンテネグロ大学では、レクチャーコンサートとワークショップ(小鼓・笛・日本舞踊・三味線)を行った。大学生をはじめ、西洋楽器の演奏家等、多くの聴衆に、日本の楽器(大鼓・小鼓・太鼓・笛・三味線・箏)や日本舞踊の魅力を伝えることができた。レクチャー終了後のワークショップでは、参加者は初めて触れる日本の楽器や舞踊に、大変興味を見せ、盛り上がりを見せた。ワークショップの最後には、舞台上で、古謡『さくら』を参加者全員で合奏した。
コトル精霊教会では、短いプログラムで公演を行った。コトルは古い城壁に囲まれた古都で、コンサート会場も様々な制限があったが、趣のある教会であり、その美しい響きを生かす以下のプログラムで構成した。舞台が客席と近く、邦楽器の魅力を間近に感じて頂けた。終演後には観客と写真撮影を行い和やかな雰囲気で終演した。 〔プログラム〕 ・山田流箏曲『花の寺』(舞踊入) ・三味線器楽曲『流れ』 ・『コトルの空(笛ソロ曲)』(モンテネグロの代表的民謡を入れた) ・合奏曲古謡『さくら』(舞踊入)
〔主な出演者・スタッフ〕 望月彦十郎、奥貴江子、芦野孝男、望月彦慶、望月左喜十郎、藤舎正生、望月彦太喜、杵屋六多之、今藤政十郎、今藤龍市郎、佐々木千香能、朝香麻美子、東路要、和歌山富朗、杵屋勝英治、吉住小多紀、桐山孝司、上平晃代、他
- 実施時期
- 2019年3月15日(金)–17日(日)
- 実施場所
- モンテネグロ大学(ポトゴリッツァ/モンテネグロ)、モンテネグロ国立劇場(ポトゴリッツァ/モンテネグロ)、コトル精霊教会(コトル/モンテネグロ)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。
プロフィール
【一般社団法人 邦楽囃子研究所歳松会】
邦楽囃子音楽の保存伝承・普及を目的とするとともに、先人たちが長い歴史の中で培ってきた技術や感性を基軸に、新しい邦楽囃子の姿を模索し研究することを目的として設立された。これまでのコンサートでは、長唄・清元等の古典音楽に加え、新曲を委嘱して発表。また、舞踊や、映像等の視覚効果も取り入れ、“わかりやすく邦楽囃子音楽を伝えること”にも取り組んできた。昨年度のコンサートでは中国や韓国の楽器との新作も発表。その他の活動として、長唄のスコア譜(長唄『時致(五郎)』、『鶴亀』)を出版。