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【開催】カロクリサイクル|展覧会 歴史の蟹・戦後80年を歩く


開催時期
2025年11月23日(日・祝)~2026年2月14日(土)
※木・金・土・日曜日・祝日のみオープン
木・金 13:00~20:00
土・日・祝 11:00~18:00
※12月29日(月)~1月7日(水)は閉室
開室カレンダー
開催場所
Studio 04
(〒136-0072 東京都江東区大島4-1 大島四丁目団地1号棟1階106)

戦後80年。わたしたちはこれまでに訪れた東北、沖縄、広島、台湾、韓国、マレーシア、シンガポール、マーシャル諸島で聞いた「戦争」にまつわる語りと見た風景、そして残された記録を中心に置き、「戦争」と「戦後」を多角的に見つめ直す展覧会をひらきます。

長い年月が経ち、当時を経験した世代が少なくなり、直接語りを聞く機会が減る一方で、わたしたちは、あらたな戦争のニュースが現在進行形で流れる日常を生きています。そんな「戦後80年」にもぞもぞと集まって、第二次世界大戦時と「戦後」の記録を持ち寄り、読みあい、話しあう小さな勉強会が始まりました。

マレーシアでのフィールドワークを重ねている大瀧芽衣、台湾出身の映像作家である王藝珍(ワン・イチェン)、地元・長野にある引揚者のコミュニティについて調べている大木諒也、そして、東日本大震災以降、災禍の語りを記録・収集してきたNOOKのメンバーを中心とするわたしたちの関心は、アジア各地の「戦争の記憶」がいまどのように語られ/語られず、そして、残され/残されずにいるのかということでした。

戦争の終結は必ずしも「平和な戦後」の始まりではありません。人びとは戦争という巨大な災禍による傷を心身に抱え、植民地支配や戦時体制を経験した土地や社会では、その影響が民族間の緊張や対立、制度や仕組みの中に受け継がれました。戦争は「戦後」にも形を変えて、人びとの生活や社会のあり方に作用し続けています。

本展は、わたしたちが実際に訪れた土地で出会った声や風景を丁寧に編み直し、各地の資料と合わせて展示することで、来場者とともに考え、学ぶ場をつくる試みです。記憶や記録を共有し、小さな対話を重ねながら、戦後80年を生きるわたしたちが過去から何を引き継ぎ、未来へどうつなぐのかを考えたいと思っています。

※プログラムは変更になる可能性があります。

「歴史の蟹」とは?

蟹は横に歩くが、確実に前に進む。その姿は、過去をふりかえりながら未来へ進もうとするわたしたちの姿勢を表しています。歴史を一方向から直線的に語るのではなく、ときに迂回し、横から眺めることで、これまで見えていなかった、気づかれることのなかった声や記憶、風景が立ちあがる。蟹の小さな歩みによってそれらを繋ぎながら、戦争と戦後の断片を拾い上げ、多面的に捉え直そうとする試みです。

入場料

無料

本展に関わるメンバー

【大瀧芽衣】
東京都出身。大学時代に東南アジア諸国に興味を持ち、在学中にマレーシアへ留学。以来マレーシアの社会や政治への関心を深める。会社員になった今もマレー語を学び、日本統治時代に生きた人々や起きた出来事の記録をリサーチしている。本展ではこれまでのリサーチで収集した資料や実際にマレーシアを訪れた際の旅の記録を展示する。

【王藝珍】
台湾出身。映像作家。団地住民の視点による日常の記録から、社会運動まで幅広い記録と調査を行う。日本が太平洋戦争に突入する中で重要な南進基地となった台湾において、多くの台湾人が戦場に加わり、故郷を離れることになった。本展では、そうした人びとから集めた物語、そして自身の故郷である高雄を実際に訪ねて見出した戦時中の遺跡や資料を通して、当時の台湾の姿を描き出す。

【大木諒也】
長野県出身。満州へ開拓団として移住した日本人の中で、信州から送り出された人が最も多かったことを知り、その歴史を調べ始める。資料や証言の収集により現在も続く課題を考察する。本展では、引揚港や戦後開拓地など、引揚者の足取りを辿る中で出会った人々の語りや風景、資料などを展示する。

*上記3名はカロクリサイクルのワークショップ「記録から表現をつくる」の参加者であり、そこでの発表を起点に、それぞれ独自の調査を展開しています。

【NOOK】
瀬尾夏美/中村大地/磯崎未菜/関優花
東日本大震災以降、仙台市内や三陸沿岸各地で、リサーチ、記録、表現活動を行ってきたアーティストや研究者らによるコレクティブ。
これまで東北や広島で戦争の語りを記録してきた。今回は、日本国内および釜山、マレーシア、シンガポール、台南、マーシャル諸島で聞いた語りや風景を展示する。

【小屋竜平】
愛知県出身。自然と規範が交差する言語学という学自体の歴史に関心を持ち調べている。本展では、科学としての言語学が、植民地政策において果たした役割を主に文献調査を通して再考しながら、全体の年表の整理作業および資料整理を行う。

関連イベント

展示期間中には、以下の関連イベントを開催予定です。ぜひご参加ください。

*カロク・リーディング・クラブ「戦争の詩を読む」、講演と対話の場「戦争トラウマについて考える」のイベントの開催中は展示がご覧いただけません。あらかじめご了承ください。
*後日イベント追加の可能性があります。詳細は本ウェブページ、またはカロクリサイクルのウェブサイト及びSNSでお知らせいたします。
*お申し込みの際にご記入いただいた個人情報は厳重に管理し、本事業の運営及びご案内のみに使用いたします。

ギャラリーツアー

本展参加者が展覧会をより楽しんでいただけるよう作品について紹介しながら、会場をご案内します。会期中2回開催します。

第1回:2025年11月30日(日)14:00~16:00
第2回:2026年1月10日(土)14:00~16:00

参加費:無料 
*予約不要。直接会場にお越しください。

カロク・リーディング・クラブ「戦争の詩を読む」

過去の災禍の記録や、それに関わる表現(映画、絵画、戯曲、手記、小説など)をみんなで囲み、それぞれが考えた・感じたことをあれこれ話してみる対話の場です。今回は、台湾、マレーシア、満州、そして日本国内で残されてきた戦争にまつわる詩を取り上げます。同時代にさまざまな地域で書かれた言葉を読みあう体験を起点に、ゆっくりと語らいます。

日時:2025年12月19日(金)19:00~21:00
登壇者:本展参加メンバー
聞き手:永井玲衣(哲学者)
料金: 1,500円
定員:20名 *応募者多数の場合は抽選となります。

申込み方法:こちらのフォームからお申込みください。
申込締切:12月14日(日)

講演と対話の場「戦争トラウマについて考える」

戦争という巨大な災禍の体験は人びとの心に深く傷を残し、戦後も多くの方を苦しめてきました。ゲストの黒井秋夫さんは、父親が戦争トラウマに苦しんでいたことを知り、「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」を発足。以後同じような経験を持つ方々同士の繋がりが生まれています。黒井さんの講演を聞きながら、これまであまり光の当たってこなかった戦争トラウマについて考える場を持ちたいと思います。

日程:2025年12月27日(土) 14:00~16:00
ゲスト:黒井秋夫(PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会代表)
司会:大木諒也(本展参加メンバー)
料金:1,000円
定員:30名 *応募者多数の場合は抽選となります。

申込み方法:こちらのフォームからお申込みください。
申込締切:12月22日(月)

お問い合わせ

一般社団法人NOOK
E-mail:karoku.nook*gmail.com(*を@に置き換えてください)