アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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Artpoint Meeting #11 - 映像を映す、見る、話す -

ジャンル:
  • アートプロジェクト

地域の日常に寄り添い、人と人との“かかわり”づくりを行うアートプロジェクト。その現場では、映像を使うことで多様な人々のかかわりや語りの場をつくることが試みられています。また、なかなかプロジェクトの外側から見えにくい現場の風景も、映像に収められることで、多くの人たちと共有できるものになります。
Artpoint Meeting #11「映像を映す、見る、話す」では、映像を介したプロジェクトづくりの事例や、プロジェクトの現場の様子を捉えた映像をご紹介します。プロジェクトの担い手とゲストが語り合い、新たなことばを紡ぎます。

プログラム

13:00~13:10 オープニング


13:10~14:10 セッション1「映画が映すまちと、映画制作がつくるまち」

2022年4月に始動したプロジェクト「KINOミーティング」。プロジェクトメンバーが制作した小作品を見ながら、プロジェクトを振り返り、語り合います。
話し手:阿部航太(デザイナー/文化人類学専攻/一般社団法人パンタナル)、森内康博(映像作家/らくだスタジオ)
ゲスト:馬然 MA Ran(名古屋大学大学院人文学研究科准教授/ 東アジア映画研究者)


KINOミーティング
一般社団法人パンタナルが、海外に(も)ルーツを持つ人たちが集まるさまざまなエリアを舞台に、映像制作を軸にしたワークショップを実施するプロジェクト。多様な背景をもつクルーと、ワークショップ参加者が協働することで生み出されるコミュニティと新しい映像表現を追求している。
https://www.facebook.com/KINOmeeting

14:15~15:15 セッション2「映像アーカイブをケアの現場でつかってみる」

8mmフィルムのデジタルデータを活用したプロジェクト「移動する中心|GAYA」。世田谷のまちや、在宅医療の現場での活用の試みを、映像や写真とともに報告します。
話し手:松本篤(NPO法人remoメンバー/AHA!世話人)
ゲスト:尾山直子(看護師/写真家)、神野真実(デザインリサーチャー)

撮影:尾山直子
移動する中心|GAYA
NPO法人remoと公益財団法人せたがや文化財団 生活工房が収集した、昭和の世田谷をうつした8ミリフィルムのデジタルデータを活用し、映像を介した語りの場を創出するプロジェクト。ロストジェネレーション世代を中心した「サンデー・インタビュアーズ」の活動など、映像の再生をきっかけとした語りを拾い上げる活動を行っている。
https://aha.ne.jp/project/gaya/


15:30~17:50 『ラジオ下神白 ドキュメント映像』上映+アフタートーク
「映像と音楽でプロジェクトを追体験する」

福島県いわき市の復興公営住宅でのプロジェクトの様子を収めた『ラジオ下神白 ドキュメント映像』(監督・撮影・編集:小森はるか/2022年/70分/字幕付き)を上映します。上映後は、同時期に制作された音楽作品『福島ソングスケイプ』にも触れながら、ゲストを交えてアフタートークを行います。
話し手:アサダワタル(文化活動家)、小森はるか(映像作家)
ゲスト:細馬宏通(行動学者/早稲田大学文学学術院教授)


ラジオ下神白 あのときあのまちの音楽からいまここへ
福島県いわき市の県営復興団地「下神白団地」を舞台に、住民が住んでいたかつてのまちの記憶を、馴染み深い音楽とともに収録するラジオ番組を2016年から制作。2019年に都内で住民の思い出の曲をバック演奏する伴奏型支援バンド(BSB)を結成。2022年3月に、「アサダワタルと下神白団地のみなさん」名義で『福島ソングスケイプ』をリリース。
https://radio-shimokajiro.jimdosite.com/


17:50~18:00 クロージング

※プログラムは変更になることがございます。
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じて実施します。

参加費

無料 ※手話通訳あり

定員

100名(事前申込制)

申込方法

開催日前日までに、こちらのウェブフォームよりお申し込みください。

※(1)全プログラム、(2)セッション1+セッション2のみ、(3)『ラジオ下神白 ドキュメント映像』上映+アフタートークのみ、いずれかの参加方法をお選びいただけます。
※定員になり次第、申し込みを締め切ります。
※お預かりした個人情報は、本事業の運営及びお知らせのみに使用します。

登壇者プロフィール


阿部航太(デザイナー/文化人類学専攻/一般社団法人パンタナル)
廣村デザイン事務所を経て、2018年よりデザイン・文化人類学を指針にフリーランスで活動を開始。2018年から19年にかけてブラジル・サンパウロに滞在し、現地のストリートカルチャーに関する複数のプロジェクトを実施。2021年に映画『街は誰のもの?』を発表。近年はグラフィックデザインを軸に、リサーチ、アートプロジェクトなどを行う。2022年3月に高知県土佐市へ移住。


森内康博(映像作家/らくだスタジオ)
らくだスタジオプロデュースによるドキュメンタリー映画の制作や、CM・PV・アートプロジェクトの記録映像、また大学研究機関との映像アーカイブに携わる。戦没画学生慰霊美術館「無言館」を題材としたドキュメンタリー映画『二十歳の無言館』(2016年)監督、旧神奈川県立近代美術館 鎌倉の改修工事の記録『再生される白い建物—改修工事の軌跡 2017-2019』(2019年)監督など。


馬然 MA Ran(名古屋大学大学院人文学研究科准教授/ 東アジア映画研究者)
インターアジア研究、トランスナショナル映画・映像文化研究、映画祭研究の交差点において、特に映画運動、作家主義の政治性、映画作品の上映/流通/批評の制度的文脈との関係などを研究テーマとしている。著書に『Independent Filmmaking across Borders in Contemporary Asia』(アムステルダム大学出版、2019年)がある。研究の他に、大阪、北京、東京、名古屋にて、アジアのインディペンデント映画の上映会を開催している。


松本篤(NPO法人remoメンバー/AHA!世話人)
「文房具としての映像」というコンセプトの普及に取り組むNPO法人記録と表現とメディアのための組織(remo)に、2003年から参画。8ミリフィルムや家族写真といった“市井の人びとの記録”に着目したアーカイブ・プロジェクト、AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]を、2005年に始動。記録集『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』、ウェブサイト『世田谷クロニクル1936-83』、展覧会『わたしは思い出す』など、さまざまなメディアづくりの企画・設計・運営を行っている。


尾山直子(看護師/写真家)
東京・世田谷区にある桜新町アーバンクリニック在宅医療部に勤務。訪問看護師として働きながら、京都造形芸術大学を卒業。現在は、かつて暮らしのなかにあった看取りの文化を現代に再構築するための取り組みや、老いた人々との対話や死生観、人が人を看取ることの意味を模索し、写真作品制作を行っている。2021 年より、老いと死をテーマにした写真展「ぐるり。」巡回中。


神野真実(デザインリサーチャー)
自身の祖父の死をきっかけに、耳の不自由な祖母(当時86)が引きこもる姿を目の当たりにし、社会包摂のあり方に興味を持つ。現在は、医療・ヘルスケア業界に身を置きながら、市民・専門家参加型のデザインアプローチで、認知症の人が自立した生活を送るための環境づくりや、在宅医療患者と家族・医療者が医療やケアについて対話をしやすくするツールや、環境づくりを行う。写真展「ぐるり。」共同主催。


アサダワタル(文化活動家)
音楽などの表現行為を支点に様々な生活現場に赴き、「これまでにない他者とのつながりかた」をプロジェクトやコンセプトという形で制作、実践、研究、提案。コミュニティやケアの領域を得意とする。2022年より近畿大学文芸学部文化デザイン学科特任講師。著作に『住み開き増補版 もう一つのコミュニティづくり』(ちくま文庫)、『想起の音楽 表現・記憶・コミュニティ』(水曜社)、CD作品に『福島ソングスケイプ』(Granny Rideto)ほか多数。「ラジオ下神白」ではプロジェクトディレクターを務める。


小森はるか(映像作家)
瀬尾夏美(画家・作家)とのアートユニットやNOOK(のおく)のメンバーとしても活動。2011年以降、岩手県陸前高田市や東北各地で、人々の語りと風景の記録から作品制作を続ける。代表作に『息の跡』(2016年)、『空に聞く』(2018年)。小森はるか+瀬尾夏美として2014年に『波のした、土のうえ』を制作、2019年に発表した『二重のまち/交代地のうたを編む』は、シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭コンペティション部門特別賞、令和3年度文化庁映画賞文化記録映画優秀賞を受賞。


細馬宏通(行動学者/早稲田大学文学学術院教授)
人と人とのやりとりで声と身体がどう使われるかについて、日常生活からフィクションまで幅広い対象を研究している。著書に『うたのしくみ 増補完全版』(ぴあ)、『いだてん噺』『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社)、『二つの「この世界の片隅に」』『絵はがきの時代 増補新版』『浅草十二階 増補新版』(青土社)、『介護するからだ』(医学書院)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』(新潮社)など。バンド「かえる目」でボーカル、ギター、作詞・作曲を担当。

お問い合わせ

公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
事業部事業調整課事業調整係
TEL:03-6256-8435(平日10:00~18:00)
E-mail:info-ap@artscouncil-tokyo.jp

開催場所

東京都写真美術館 1Fホール(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
アクセスはこちら

クレジット

主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
運営協力
一般社団法人Teraccollective

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