「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」は、2020年、世界規模のコロナウイルスの流行とともに始まったアジアの協働プロジェクト。2018年に東京で初演された『テラ』という演劇作品を、日本・タイ・ミャンマー・ベトナム・インドネシアのアジア各地のアーティストたちが次々に作り変え、現代の信仰や死生観をテーマとして創作・発表している。
「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」の実践は、多文化共生社会の実現の途上で立ちはだかる多くの疑問に直接リンクしている。すなわち「互いに異なる文化をどのように尊重するか」「離れていても協働は可能か」「困難な状況下でいかに連帯し関わり続けることができるか」——。このような問いに、芸術を介して2020年から取り組んできた「テラジア」は、これからの時代の国際パートナーシップにおける一つのモデルケースを社会に示すことを目指す。
2025年1月にインドネシアで開催する国際フェスティバル「Sua TE RA SIA Episode2」をマイルストーンとし、前半の1年半で作品創作とインタビューの蓄積を行い、フェスティバル後にドキュメンタリーブック電子版を制作する。
【1年目プロジェクト概要】
(1)インタビュー 日本語・英語Web公開1
内容:「テラジア」のアーティストを対象としたインタビューをオンライン記事として日本語・英語で公開した。これまで十分に明かされて来なかったメンバーの個人史をインタビューを通じて辿ることで、プロジェクトの背景にある大きな文脈を国際的な読者と共有した。社会情勢が流動変化する中で作品を創作し続けているアジア各地のテラジアメンバーの感情や思考の変化にもフォーカスしたアーカイブであるとともに、芸術愛好家にとどまらない観客の裾野を広げる広報活動としての役割も担った。
日時:通年随時公開
会場: オンライン
日本語:https://note.com/terasia_jp/m/mcdf01ccb93c3
English: https://note.com/terasia_jp/m/m953faa136b6b
(2)インドネシア 滞在リサーチ
内容:日本・インドネシア・タイ・ミャンマー各国からメンバー数名ずつが集合し、2年目の国際フェスティバル「Sua TERASIA」の準備を行った。
ジャカルタでTeater Kubur(ディンドン W.S.演出)による新作パフォーマンス『TERA Indonesia: Back to Nature』のワーク・イン・プログレス発表を鑑賞した。
チアンジュールを訪問し、フェスティバルの会場候補であるグヌンパダン遺跡を視察・リサーチした。
他の芸術団体等とのネットワーキングおよび会場リサーチを行った。
日時:2022年9月4日(日)-13日(火)
会場:Teater Kubur、グヌンパダン遺跡(ジャカルタ、チアンジュール/インドネシア)
(3)ベトナム 映像創作・ショートバージョン
内容:映像作家のグェン・ハイ・イェンらベトナムのアーティスト・チームと日本のドラマトゥルク(渡辺真帆)が滞在リサーチを行い、ドキュメンタリーとフィクションを融合した新作映像作品「TERA Vietnam: The Tangerine Womb」を制作開始した。
グェンの出身地である北部のランソンに滞在し、地域住民への聞き取り、寺や墓地の見学、土地の習俗について調査する他、会場候補である洞窟の寺を訪れ、プラン検討を行った。
日時:2022年9月26日(月)-10月23日(日)
会場:Chùa Tiên 洞窟寺院ほか(ランソン/ベトナム)
(4)テラジア オンラインウィーク2022 + オンサイト
内容:タイ、ミャンマー、ベトナム、インドネシア、日本のアーティストたちによる完全オンラインのミニフェス「テラジア オンラインウィーク2022」を開催。演劇・美術・映像・音楽の分野横断的な作品、各種トークや読みものなどのプログラムが、10日間の会期を通して順次ウェブサイトで公開された。一部の有料コンテンツを除き、原則的に参加無料。ビルマ語で収録される動画を含め、全て日本語・英語で閲覧・鑑賞可能。日本・タイ・ベトナム・ミャンマー・インドネシア各地で、テラジアのアーティストたちに直接出会えるオンサイトイベントも同時開催した。
日時:2022年11月4日(金)-13日(日)
会場: オンライン
日本語: https://terasia.net/event/onlineweek2022/
English: https://terasia.net/en/event/onlineweek2022/
【2年目プロジェクト概要】
(1)国際フェスティバル Sua TERASIA
内容:2024年1月にインドネシアで国際フェスティバル「Sua TERASIA」を開催した。ジャカルタとバンドンの2都市で、上映、上演、展示、ワークショップ、シンポジウム、アーティストトークなどのプログラムを実施した。特設ウェブサイト上では日・英・インドネシア語の各プログラムの情報と、配信のアーカイブを見ることができる。
https://terasia.net/event/suaterasia/jp/
日時:2024年1月12日(金)―20日(日)
会場:
[ジャカルタ] コムニタス・ウタン・カユ、テアトル・クブール
[バンドン] スラサール・スナルヨ・アートスペース、インドネシア芸術文化大学(ISBI) バンドン校
(2)インタビュー 日本語・英語Web公開2
内容:「テラジア」のアーティストを対象としたインタビューをオンライン記事として日本語・英語で公開した。前年度に引き続き、3名(ズン・エイピュー、ナルモン・タマプルックサー、ユスティアンシャ・ルスマナ)のWebインタビュー記事を日英2か国語で公開した。
日時:通年随時公開
会場: オンライン
日本語:https://note.com/terasia_jp/m/mcdf01ccb93c3
English: https://note.com/terasia_jp/m/m953faa136b6b
【3年目プロジェクト概要】
(1)インタビュー 日本語・英語Web公開3
内容:「テラジア」のアーティストを対象としたインタビューをオンライン記事として日本語・英語で公開する。前年度に引き続き、3名のWebインタビュー記事を日英2か国語で公開する。
日時:通年随時公開
会場: オンライン
日本語:https://note.com/terasia_jp/m/mcdf01ccb93c3
English: https://note.com/terasia_jp/m/m953faa136b6b
(2)ドキュメンタリーブック制作
内容:「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」を総集して、作品・トーク・記事のアーカイブとそれらの資料に基づく一連の考察を記録物としてまとめる。ドキュメンタリーブックは日本語・英語併記で作成し、電子データをウェブサイトで一般公開する。印刷製本も一部行う。
日時:2025年5月25日(月)―2025年6月30日(月)
会場: オンライン
日本語:https://terasia.net/
英語: https://terasia.net/en/
【合同会社UPN】
合同会社UPNは、これまでフリーランスとして活動してきた坂田ゆかり(演出)と、渡辺真帆(ドラマトゥルク・通訳・翻訳)が、分野横断的な文化芸術事業を行うため組織した法人である。アートイベントの企画運営、作品制作、編集・出版など、領域にとらわれない活動を展開している。
合同会社UPN
terasia.info@gmail.com
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。