隅田川にかかる橋と橋場の歴史と逸話という地域文化に着目した「小唄」と「日本美術」を融合させた公演。舞台背景に葛飾北斎、歌川広重らの浮世絵、川瀬巴水の版画、明治・大正の古写真など49景を映写。落語家の柳家緑太が、映像に伴い、在原業平や梅若塚の伝説、両国の川遊び、中洲の賑わい、深川芸者の全盛など、それぞれの橋にまつわる歴史や逸話を紹介し、明暮れ小唄の千紫巳恵佳と小唄幸三希が、「柳橋から」「業平」「中洲から」「向島名所」など24曲の小唄を演奏した。また、福原千鶴社中による囃子が場面の臨場感を高めた。総合演出と脚本に国立劇場顧問の大和田文雄を迎え、伝統芸能と橋の風景が一体となった、江戸から東京の歴史の旅を展開し、隅田川流域の文化への愛着と郷愁を深める舞台とした。
小唄演奏家、千紫巳恵佳と小唄幸三希による小唄演奏ユニット。葛飾北斎の浮世絵映像を背景とした公演「北斎小唄」シリーズを2021年から続演。2023年には、人形浄瑠璃の文楽人形と共演した演奏会を企画開催した。また、岐阜県高山市の重要文化財の建造物で演奏を収録した映像をYouTubeで公開。日本の酒情報館主催の日本酒と和菓子を交えた小唄ライブなど、従来の小唄演奏会スタイルに拘らない活動を続け、伝統芸能としての小唄の認知度向上、普及に努めている。
YKK60ビル AZ1ホール(東京都墨田区)
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