現実世界とSNS上では自身と他人の距離感、公開する情報に多くの差がある。私は鏡をテーマに素材や技法を横断しながら、現代科学、産業史から神話や宗教祭祀などの考古学的観点まで人と鏡の関係性を追っている。本展では、自身の内面、外見を分離させて、他者に伝えるオンラインの虚像などに対して、向き合う姿勢として実像の自身が抱えるコンプレックスなどをテーマにした。実像と向き合うための10の方法を行い、10日間で自身をアップデートする記録を展示する。
【井村一登】
1990年京都市生まれ。2017年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。
自身の外見が再現を通じてのみ確認可能であるという状況に着目し、内面と外見を双方向から認識する存在の不在に興味を抱き、鏡をテーマにした制作を通して考究する。それは光学機器や映らない鏡、魔鏡、黒曜石、回転液体鏡など、多角的なリサーチに基づいて素材や技法を横断しながら、ルッキズムから現代科学、産業史から神話や宗教祭祀などの考古学的観点まで複合的に遡り、人と鏡の関係性の変遷を追う。
Studio Ghost(東京都葛飾区)
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