本公演は、西洋クラシック音楽と日本の伝統音楽という異なる文化の背景やルーツを「受け容れあう」ことをテーマに、前半・後半の二部構成・休憩15~20分を含む約2時間の演奏会として開催された。プログラムは、各ジャンルの既存曲と作曲家・平野によるオリジナル作品が織り交ぜられた構成となっており、オリジナル曲では既存曲の旋律や様式を引用・再構成し、両伝統がそのままの姿を尊重しつつ融合する姿が描かれた。
演奏には、笙のカニササレアヤコら邦楽器奏者3名、板谷俊祐ら合唱5名、小川紗果ら弦楽器奏者4名、本多悠人ら打楽器奏者3名、そしてチェンバロの浅野奈緒子など、東京藝術大学の学生・卒業生を中心に若手実力派が参加した。T. Tallis作曲の40声モテットでは、録音と生演奏を同期させる音響的実験も試みられた。
【みゅーじっく はぐ】
「誰しもが抱く心の孤独や痛みを音楽(芸術)を通して包みこむこと」、そして「異なる背景を持つ二つの要素を音楽で接ぎ、つなぎたい」という趣旨のもとに立ち上げられた音楽制作団体。企画進行担当の徳永芽久、作曲家の平野義愛、技術担当の福田遼を中心に、東京藝術大学の学生・卒業生の有志によって結成された。2023年より、平野による新作を軸としたシリーズ公演を企画・開催しており、2027年には第3回公演となる音楽劇の上演を予定している。
かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール (東京都葛飾区)
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