本事業は、張楽によるエレクトーンの芸術的可能性を提示するソロリサイタルとして、2025年4月29日に東京オペラシティ・リサイタルホールにて開催された。エレクトーン演奏に加え、ヴァイオリニストの石上真由子をゲストに迎え、フィリップ・グラス《ヴァイオリン協奏曲第1番》のエレクトーンとヴァイオリンによる編曲版が披露された。そのほか、夏田昌和《電子オルガンのための即興曲》、張楽自身のオリジナル作品や編曲作品も上演され、現代音楽における電子楽器の新たな表現の可能性が探究された。照明・映像演出には、東京藝術大学および早稲田大学博士課程在籍中のクリエーターが参加し、リアルタイム音響処理を含む先端的な舞台表現が実現された。音響・運搬を含む技術面は専門スタッフによって支えられ、優れた演奏とともに、視覚と聴覚を融合させた高品質な公演となった。
【張楽】
エレクトーン奏者、作曲家・編曲家。現在、東京藝術大学大学院音楽音響創造研究分野博士後期課程に在籍しながら、昭和音楽大学電子オルガンコースにて非常勤嘱託講師を務める。ヤマハエレクトーン演奏グレード最上級2級を取得。3年に一度開催される中国「金鐘賞」音楽コンクール電子オルガン・プロフェッショナル部門にて第1位および創作賞を受賞。2018年度から2020年度にかけてロータリー米山記念奨学生。日本音楽学会正会員、日本音楽舞踊会議青年会員、中国音楽家協会鍵盤学会会員。
作曲家として、第12回中国ASEAN音楽祭、日中友好会館美術館、金沢市民芸術村などから委嘱を受け、作品が世界初演されている。エレクトーン奏者として、2019年に中国・ハルビンにて1,000人規模のソロリサイタルを開催。中国の常州大劇場や北京の梧桐会堂、横浜のはまぎんホールなど、国内外の著名なホールで開催された音楽祭に出演している。
東京オペラシティ リサイタルホール (東京都新宿区)
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