「MOTサテライト」とは、東京都現代美術館(MOT)の活動を地域にも拡張し、作品鑑賞とまち歩きを通して、美術館周辺の「まち＝地域」の魅力を再発見するシリーズ企画です。休館中は工場跡地や地域拠点を活用して展示を行なっていましたが、今回はこの春にリニューアル･オープンしたばかりの美術館をメイン会場として、まちなかにも展示スポット(MOTスポット)があります。これまで通り無料でご覧いただけます。
美術館の展示では、空想の都市の姿を詳細に描いた地図や、触覚や匂い、音などの感覚を表現した地図、そこに暮らす人の日常を可視化する地図など、さまざまな「地図」を紹介します。物語の断片を拾い集めるゲームブックや、質問に答えながら織り成すタペストリーも、まちとあなたの関係をマッピングします。海洋民族の作る不思議な海図や、ちょっとした誤解から描かれた古地図など、あなたの地図観を覆す地図も待っています。
最後の展示室で「冒険の書」をゲットしたら、そのまま清澄白河のまちを探検してみてください。MOTスポットを巡ったり、地図を見ながら自由に寄り道するのもいいですね。知らない土地と出会う手がかりであり、自分の視点を映し出す鏡ともなる「地図」は、この美術館のあるまち、そしてあなたの住むまちへのまなざしも変えるでしょう。
今和泉隆行［地理人］（いまいずみ たかゆき・ちりじん）
市販の市街地地図のフォーマットで、架空の都市「中村市(なごむるし)」を描いています。彼が20年以上かけて断続的に改訂している地図は、創造主として理想の街を具現化したものではなく、ここに暮らす156万人の日常や葛藤を観察者として読み取っていく過程が形になったものなのです。
マリー・コリー・マーチ
「私は楽天的だ」「私は家族を愛している」といった属性や性格を表す文章が書かれた200個のプレートが壁にちりばめられ、参加者が自分に当てはまると思うものに毛糸をかけていくと、壁面全体が大きな織物のようになる参加型の作品《アイデンティティ・タペストリー》を展示します。
光島貴之（みつしま たかゆき）
音や匂い、触覚や身体感覚など、視覚以外の感覚によって空間や物事を認識し、それを目に見える形や色で表現するアーティストです。製図用のラインテープとカッティングシートで描いた平面作品で知られますが、今回は木製パネルに打った釘の間隔や傾き、高低差などで立体的に表現した新作も展示します。
サトウアヤコ
対話を通じて、日常生活の中であまり意識していないことを掘り起こす様々なプロジェクトを続けています。今回は、個人の日常や愛着を地図にプロットすることで、その土地の特性を顕在化させると同時にアーカイブする「日常記憶地図」という方法を用い、インタビューした深川・清澄白河の住宅の約60年間の土地との関係性と変化を可視化します。
orangcosong＋進士 遙（おらんこそん＋しんじはるか）
選択肢によってストーリーが分岐するゲームブック「冒険の書」を手がかりに、ひとりひとりが自由にまちを探検する『演劇クエスト』。展示室で「冒険の書」を手にしたら、物語のスタートです。実際に清澄白河のまちを歩いて目印を見つけながらプレイすることで、フィクションと現実が交差します。
地域の点在するカフェや店舗の窓ガラスや展示できるスペースを活用し、展覧会のショウケースとなる作品を展示します。会場ごとに開場時間や定休日が異なりますので、事前にご確認の上、ご来場ください。
光島貴之《まちを歩く in 清澄白河》
美味しい匂い、段差、光の入り方・・・光島貴之がまちなかを歩いて気になったお店を舞台にして、そこで感じことを作品にしました。
・オールプレスエスプレッソ 東京ロースタリー＆カフェ（東京都江東区平野3-7-2）
・チーズのこえ（東京都江東区平野1-7-7 第一近藤ビル1F）
・HOZON（東京都江東区三好2-13-3）
・しまぶっく（東京都江東区三好2-13-2）
今和泉隆行《中村市の住人の落とし物》
架空の都市・中村市に住む人が清澄白河のまちに来て、落とし物をしていったようです。落とし主の性格や好みなど、レシートやポイントカードなどからうかがえます。（架空の人物です）
・ワールドネイバーズカフェ清澄白河（東京都江東区平野4-13-1 第2伊勢喜代ビル1F）
・深川江戸資料館（東京都江東区白河1-3-28）
・デリカやまこし（東京都江東区白河4-3-1）
参加アーティストはどんなことを考えているんだろう
今和泉隆行 トーク「空想都市の歩き方」
日時：8月12日（月・祝）15:00～16:30
会場：リトルトーキョー（東京都江東区三好1-7-14）
定員：50名（事前予約不要、先着順）
光島貴之 ワークショップ「てざわりのカード」
日時：9月7日（土）14:00～16:30
会場：どうぶつしょうぎカフェいっぷく（東京都江東区白河3-2-15）
定員：20名（事前申込制）
サトウアヤコ ワークショップ「家族の風景を共有する」
日時：9月16日（月・祝）13:00～17:00
会場：東京都現代美術館 第2研修室
対象：大人になって改めて家族の話を聞いてみたい人と、その家族のペア
定員：5組10名（事前申込制）
orangcosong＋進士遙 トーク「演劇クエスト 清澄白河編ができるまで」
日時：10月14日（月・祝）18:00～19:30
会場：リトルトーキョー（東京都江東区三好1-7-14）
定員：50名（事前予約不要、先着順）
21時までの開館！夏の夜にふらっと、マニアックな地図トーク
会場：東京都現代美術館 ホワイエまたは展示室内
定員：椅子席30席（事前予約不要）
アグネス吉井（白井愛咲、KEKE）「街の隙間でこっそり踊る～ダンス・マッピングの手法～」
日時：8月9日（金）18:30～20:00
株式会社ゼンリン「地図作りの達人たちの街の見方」
日時：8月16日（金）18:30～20:00
浜元信行（顔マラソン研究所）＋やっさん（GPS絵画）「現代の地上絵 地球に絵を描くGPSアート」
日時：8月30日（金）18:30～20:00
担当学芸員によるギャラリートーク
日時：8月9日（金）、9月6日（金）、10月12日（土） 各日11:00～（各回40分程度）
集合場所：東京都現代美術館 企画展示室 地下2階展示室入口（事前予約不要）
ワークショップ「地球にでっかい絵を描く夏休みにしよう」
日時：8月10日（土）11:00～、14:00～（各回1時間15分程度）
定員：各回20名・小学生以上（大人の参加も大歓迎／事前申込制）
講師：浜元信行（顔マラソン研究所）＋やっさん（GPS絵画）
ビジュアル・ディスクリプション（言葉による記述）のある鑑賞会
日時：9月8日（日）13:30～15:00
定員：視覚障害のある方5名（同伴者も参加可／事前申込制）
ファシリテーター：光島貴之
「手話で味わう美術鑑賞！知らない世界の歩き方」
日時：9月23日（月・祝）13:30～16:30
対象：手話を使う方はもちろん、手話が分からない方もどうぞ
定員：15名（事前申込制）
ファシリテーター：美術と手話のプロジェクト
スローなアートツアー
日時：10月5日（土）13:30～15:00
対象：車椅子や杖を使用している、内部障害や疾患があるなど、ゆっくりしたペースでギャラリートークに参加したい方
集合場所：東京都現代美術館 企画展示室 地下2階展示室入口（事前予約不要）
無料 ※関連プログラムもすべて参加無料
03-5777-8600（ハローダイヤル／年中無休 8:00～22:00）
03-5245-4111（東京都現代美術館 代表／平日9:30～18:00）
2019年8月3日（土）～10月20日（日）10:00～18:00
休館日：月曜日（8月12日、9月16日・23日、10月14日は開館）、8月13日、9月17日・24日、10月15日
※8月の金曜日（8月9日・16日・23日・30日）は21:00まで開館
※美術館外での展示については、会場ごとに開場時間や定休日が異なります。事前にご確認の上、ご来場ください。
東京都現代美術館 企画展示室 地下2階＆清澄白河エリア（MOTスポット7箇所）
