アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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ラッコルタ – 創造素材ラボ – vol.2 「いしのこえとみかげ」ワークショップ+展覧会

ジャンル:
  • アートプロジェクト ,
  • 展覧会・上映会 ,
  • ワークショップ・体験 ,
  • その他

「自分」と「石」との関係性を見つめる。
それを思い起こして形にしてみる。
自由に新たな風景を想像する。

府中市には、東京の公営墓地としては最大の大きさを誇る多磨霊園があります。
この場所に長年寄り添い、墓石を扱ってきた玉川石材工業株式会社の資材協力のもと、アートユニット・MATHRAX(マスラックス)による「石にふれて石の声をきく」ワークショップを開催します。

古来より人々は石とどのように付き合い、どのような思いを込めてきたのでしょうか。
それを想像してみながら、石と新しい関係性を結べるような作品を参加者の皆さんとともに作ります。
このワークショップでは、作家の作品制作方法でもある「はんだづけ」の体験も行います。はんだづけが初めての方でもぜひご参加ください。

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じて実施します。
※プログラムは変更になる可能性があります。

MATHRAX「いしのこえとみかげ」ワークショップ

日時
2023年2月19日(日)午前の部(10:00~12:00)、午後の部(14:00~16:00)
場所
府中市生涯学習センター3階和室(談話)、工房1(工作)
講師・アーティスト
MATHRAX(マスラックス)
対象
どなたでも参加いただけます。 ※親子参加歓迎(10才以下は保護者同伴)
定員
各回10組
参加費
500円(税込) ※会場にて現金精算
申込方法
申込フォームに必要事項を入力の上、送信してください。
※個人情報は、本事業の運営およびご案内のみに使用いたします。
申込締切
2023年2月17日(金)
※先着順のため定員に達し次第締め切らせていただきます。


ワークショップの流れ

当日は、以下のような流れでワークショップを進めていきます。

  1. イントロダクション|自分と石について
    自分と身のまわりの石の関わり方について、様々な例から考えます。なぜ人は石を使うのか、石にどのような思いを込めていたのか、想像してみましょう。
  2. 石の印象をアウトプットしてみよう
    自分は石にどのような印象を持っているのか、言葉や絵、身体表現で自由に表現アウトプットしてみましょう。
  3. レクチャー
    MATHRAXの普段の制作活動や作品、テーマや興味などをご紹介します。
  4. 工作
    MATHRAXの制作方法をもとに、はんだづけ体験をしながら、石に加工を加えます。
  5. 体験と共有
    工作した石を持ち寄って、石にふれて声をきいてみましょう。その感覚について、参加者の皆さんと共有してみます。

素材:お墓の石材 見本
開園から100年、多磨霊園は日本初の公園墓地で参道には数十件の石材店が並びます。今では中国やインドからも輸入しているお墓の石材サンプルを老舗店から提供いただきました。(玉川石材工業株式会社より)

展覧会|ラッコルタ – 創造素材ラボ – 「いしのこえとみかげ」成果展示

ワークショップ参加者とともにつくり上げた作品の展示、講師のMATHRAXの活動や素材提供会社へのインタビュー映像などを展示します。出来上がった作品をぜひご体感ください。

日程:2023年3月4日(土)~12日(日)10:00~16:00
会場:府中市郷土の森博物館(旧田中家住宅 和室)
作品観覧料:無料
※ただし、博物館入館の際に入場料がかかります。詳細はこちらをご覧ください。

紹介動画

MATHRAXからのメッセージ

ACFの皆さんに府中市をご案内いただいている時、たまたま見ていた地図の中に、ひときわ大きな空間があることに気づきました。そこは「多磨霊園」だったのですが、まるで街の大きさほどある広大さでした。

知らない方の眠る「お墓」には、普段は何だか少し近寄り難いイメージがあるものです。ですが、実際に霊園を歩いてみると、不思議と心が落ち着くような気がしたことに驚きました。まるで墓石が音を吸い込んでしまったかのごとく、紅葉の美しさと静けさが染み渡るような場所に思えたのが新鮮でした。

私たちには、一見、平和そうに思える日常の中にも、ふとした瞬間にのぞかせる底知れぬ死の感覚を思い起こしたり、想像する力があります。生き物としての本能ももちろんありますが、ここ最近は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックをはじめ、世界情勢の不安定さや日本の先行きの見えなさも相まって、不安の絶えない日々が続いており、誰にとっても平等に訪れる死は、ここ最近は、なんだかずっと身近な存在になってしまったようにも感じます。霊園がどこか親しみを持って感じられたのは、そのせいだったのかもしれません。

今回、私たちは、長年、墓石を扱ってきた玉川石材工業株式会社さんにも取材をさせていただき、石と人との関係について改めて考えてみたいと思いました。石は、古来から人の生活の営みや様々な思いに寄り添う存在でした。
ある時には、権力を誇示する方法として、また不老不死の薬として。そして、願いや祈りの対象になったり、世界を分ける境界の役割をも果たしました。そして、自らの心を映す友としても存在してきました。石は、ものを言わぬからこそ、人の生に寄り添い、信じるに足る存在になっていったのかもしれません。

今回のワークショップでは、自分と身のまわり石との関係性をもう一度、見つめてみます。
そして、参加者の皆さんそれぞれの中から生まれた感覚をもとに、石と人との新しい関係性や、そこから垣間見える新しい風景を想像してみることができればと考えています。

【アーティストプロフィール】

MATHRAX〔久世祥三+坂本茉里子〕
電気、光、音、香り、また、木や石などの自然物を用いたオブジェやインスタレーションの制作を行う、久世祥三と坂本茉里子によるアートユニット。デジタルデータと人間の知覚との間に生まれる現象に注目し、人が他者と新たなコミュニケーションを創り出すプロセスを探る作品を制作している。
https://mathrax.com/

・近年の主な展覧会(個展)
2022 とよなかアーツプロジェクト メディアアート企画「光さす間に」豊中市立文化芸術センター
2021 とよなかアーツプロジェクト メディアアート企画「いしのこえ」豊中市立文化芸術センター
2020 「ふれて すすむ まえへ - 音と光と香りとともに」茅ヶ崎市美術館
2019 「指先の中の音たち」アートギャラリーミヤウチ
2018 「いしのこえ」茅ヶ崎市美術館
2016 「じぶんのまわり -耳でながめて 目でかいで 鼻でふれて 手できいて- 展」茅ヶ崎市美術館

お問い合わせ

NPO法人アーティスト・コレクティヴ・フチュウ[ACF]
https://acf-tokyo.com/contact/

開催場所

府中市生涯学習センター、府中市郷土の森博物館

クレジット

主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、NPO法人アーティスト・コレクティヴ・フチュウ[ACF]
資材協力
玉川石材工業株式会社、株式会社TOKIO Lab、日本光具株式会社、一般社団法人まちづくり府中、株式会社F.F.P.、株式会社協和、樋口鞄工房株式会社、株式会社サーカス、サトー洋裁教室、矢島歯科医院、GREEN
撮影協力
玉川石材工業株式会社、藤沢市アートスペース