Tokyo Art Research Lab(TARL)のウェブサイトでは、デザインやレイアウト、コーディングの状態などについて、障害当事者の方々にレビューを行っていただくことでウェブアクセシビリティの向上に取り組んでいます。かれらは身体・精神障害当事者としての立場からウェブサイトをつかい、機能やビジュアルへのアドバイスや、不安を感じる瞬間・部分を共有するなど、丁寧な視点でウェブサイト制作に伴走する心強い存在です。
一方で、レビューでの指摘は多岐にわたり、決められた条件や環境の中で実装の判断に迷うこともしばしばあります。あるいは、ウェブサイト制作に関するチェックリストやマニュアル制作によって、達成すべき環境づくりが形骸化してしまわないか、あるいは「良い状態」や「良い環境」を一方的に押し付けることにならないかなど、ウェブアクセシビリティへの悩みは尽きません。
そこであらためて、さまざまな環境・文化を背景にした「ユーザー体験の豊かさ」や「心地よさ」を探りながら、そのレポートを公開します。ウェブアクセシビリティをあらためて「わたしたち」の視点の中に捉えることで、新たな言葉を紡ぎます。
2025年3月までに順次、レポートをTokyo Art Research Lab ウェブサイトにて公開予定。
萩原俊矢(ウェブディレクター)
1984年神奈川県川崎市南部生まれ。ウェブディレクター、プログラマ、デザイナー。工業高校時代にメディアアートに出会い、デザインとテクノロジーを組み合わせた表現に関心を持つ。大学で美術を学びつつネットアートやウェブデザインの領域で活動をはじめる。セミトランスペアレント・デザインを経て、2012年に独立。現在は株式会社スタジオ・オータムの代表として、文化芸術分野を中心にウェブサイト制作とアクセシビリティ向上、オンラインアーカイブ構築に取り組む。これまでに文化庁メディア芸術祭新人賞や東京TDC RGB賞などを受賞。
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
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