※本シンポジウムは、アートフェア東京2014において「AMIT 2014」の一環として開催されました。
アートは各時代の最新技術を取り込むことで新たな表現を生み出してきました。現代においては、日常のさまざまな機器をアーティストが活用するだけでなく、最新技術により、誰もが思い通りの表現をすることができる時代が訪れています。そのような「パーソナル・ファブリケーション」などと呼ばれる新しいクリエーションのあり方が、アート、テクノロジー、クラフトをつなぐクリエーターを日本から世界中に輩出しています。その最前線といえるメディアアートは、新旧メディアの接合やコラボレーションによって表現を拡張させ、さらに街なかでの参加型プロジェクトを介して、都市の風景を大きく変容させていきます。ここではアート×テクノロジー×クラフトをテーマに、メディアアートのさまざまな場面で活躍する方々に都市とアートについて語っていただき、日本のメディアアートの未知の創造力を探ります。
日時:2014年3月8日(土) 13:30~15:30
会場:アートフェア東京会場内 トーク会場(東京国際フォーラム地下2階展示ホール)
主催:AMIT実行委員会
協力:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
齋藤精一
株式会社ライゾマティクス取締役
1975年神奈川生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後ArnellGroupにてクリエイティブとして活動し、2003年の越後妻有トリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイティブとして活躍後、2007年にライゾマティクスを設立。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続けている。2009年-2013年国内外の広告賞にて多数受賞。現在、株式会社ライゾマティクス代表取締役、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師。
野口玲一
三菱一号館美術館学芸グループ長
1993年から東京都現代美術館、96年から東京藝術大学大学美術館の学芸員。あわせて97年から開催される地域アートイベント「art-Link 上野-谷中」の実行委員。2004年から芸術文化調査官として文化庁に勤務し、在外研修や「DOMANI・明日展」の企画、メディア芸術祭などの業務に携わる。2011年より現職。昨年、「浮世絵 Floating World 珠玉の斎藤コレクショ ン」展を担当した。(Photo 須崎隆善)
毛利悠子
アーティスト
1980年生まれ。日用品やジャンクと機械部品を再構成した立体物を展示環境に寄り添わせることで、磁力や重力、光、温度など、目に見えない力をセンシングするインスタレーション作品を制作している。主な個展に2013年「おろち」(waitingroom)、2012年「サーカス」(東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオン)、主なグループ展に2013年「メディアアートキッチン」(インドネシア国立美術館、ジャカルタ)など国内外多数。東京の駅構内の水漏れの対処現場のフィールドワーク「モレモレ東京」主宰。
■モデレーター
四方幸子
メディアアート・キュレーター
メディアアート・キュレーター。多摩美術大学および東京造形大学客員教授、IAMAS(国際情報科学芸術アカデミー)非常勤講師。アツコバルー arts drinks talkアーティスティック・ディレクター、SIAF 2014(札幌国際芸術祭)アソシエイト・キュレーター。アートと科学を横断する数々の展覧会やプロジェクトを、インディペンデント(1990-現在)、キヤノン・アートラボ(1990-2001)、森美術館(2002-04)、NTT ICC(2004-10)をはじめ国内外で実現。2010年より「拡張されたキュレーティング」を提唱。