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松井周の標本室2020-2022/ ダイアローグとアートが発酵したら

東京芸術文化創造発信助成【長期助成】活動報告会 第17回

アーツカウンシル東京では平成25(2013)年度より長期的な活動に対して最長3年間助成するプログラム「東京芸術文化創造発信助成【長期助成】」を実施しています。この度、助成対象活動報告会の第17回として、令和2(2020)年度から3年にわたり助成した有限会社quinadaによる「松井周の標本室」をご紹介いたします。 

劇作家・演出家の松井周が「演劇」を通して世の中に思いを巡らすためのスタディ・グループ=「松井周の標本室」は、会員の年齢・性別・所在地を不問とし、経済効率や生産性に重きを置かないコミュニティです。2020年に始まり、40名程度のメンバーが半分ずつ入れ替わりながら活動しました。オンラインコミュニケーションツール(SLACKなど)を軸に、ワークショップや合宿、演劇鑑賞やアウトプットの場を設け、結果的には新しい生活様式とマッチしたオンライン・オフラインのハイブリッドな活動形式をとりました。

人それぞれのちょとした好奇心を、アートという菌で発酵させ、アウトプットする場をもうけたのが標本室です。コロナ禍によって様変わりした生活環境を背景に、人間という標本がどのような進化を遂げるのか、見届けた3年間となりました。同時に、生活や仕事から少し離れて「自己」を客観視できる第三のコミュニティの存在と、経済的成果や評価を強いないアウトプットが、どのような効果をもたらすのかも見えてきました。

運営にあたっては、作り手と鑑賞者がフラットに意見を交換できるような、クリエイティビティの循環を目指しました。成果は求めない、ただし最終的には作り手と鑑賞者という枠を越えた、双方向的に影響する結果を望むという、とってもでこぼことした試行錯誤の経過を「松井周の標本室」の独創的な運営とともに紹介いたします。

また、標本室で独自開発した「標本会議」というカードゲームを使ったアウトリーチは、価値観を着脱可能にした、松井周の創作世界にもつながるコミュニケーションツールです。中学校や社会人向けワークとして注目され、現在も公立ホール等で発展しています。本報告会ではその「標本会議」の短縮版体験もできます。


登壇団体
有限会社quinada

登壇者
松井周(劇作家・演出家・俳優・劇団サンプル主宰)
三好佐智子(有限会社quinada代表取締役)
綿貫美紀(株式会社アプレシア代表)

手話通訳 
加藤裕子
丸山垂穂

司会進行 
酒井徹(活動支援部助成課 シニア・プログラムオフィサー)


※本報告会は主催者の広報及び記録目的に写真・動画・音声の収録を行い、後日アーツカウンシル東京のウェブサイト等でレポート記事として公開します。予めご了承ください。
※手話通訳・UDトークによる情報保障があります。

助成対象事業の概要

「松井周の標本室」

【1年目の事業の概要】

  1. 標本室の立ち上げ(運営、キックオフ、トークイベントなど)
  2. 回遊型インスタレーション「セルフサービス」
  3. サンプル・ワークショップ

【2年目の事業の概要】

  1. 標本室の運営(運営、キックオフ、トークイベントなど)
  2. 自給自足コミュニティへのフィールドワーク
  3. リサーチ&インスタレーション公演(標本空間の発見)

【3年目の事業の概要】

  1. 標本会議の開発
  2. アーカイブドキュメンタリー(上映会)・標本空間の発表(標本の湯)

プログラム内容(予定)

【第1部】
・松井周の活動について
・本助成対象事業を実施するに至った背景と企画意図
・『松井周の標本室2020-2022/ ダイアローグとアートが発酵したら』(10分版)上映

(休憩)

【第2部】
・標本会議の体験(標本室で開発したカードゲームを使ったアウトリーチプログラム)
・助成がもたらした効果 今後の展開
・質疑応答

登壇団体・登壇者プロフィール

「松井周の標本室」
劇作家・演出家の松井周が2020年より立ち上げたスタディ・グループ。
*標本とは?:自らの、本意ではないかもしれない「社会的な役割」と「その人性(個性)」の間で揺れながら生きている者をここでは指しています。

 Photo: Toru Hiraiwa
松井周
劇作家・演出家・俳優・劇団サンプル主宰
2007年劇団「サンプル」を旗揚げ、2011年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。近作に北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 「イエ系」(2023年脚本・演出)など。「サンプル・クラブ」を前身として2020年から「松井周の標本室」を企画・総合監修している。


三好佐智子
有限会社quinada 代表取締役
スロウライダー、サンプル、ハイバイの劇団制作をへて、現在は松井周のマネジメントと劇団た組の制作を務める。2023年より一般社団法人EPAD理事。2020年から2022年まで「松井周の標本室」を企画・主催。


綿貫美紀
株式会社アプレシア代表
早稲田大学卒業後、コンサルティング企業やAIスタートアップ勤務を経て、現在。様々な企業の事業開発プロジェクト等を支援する傍ら、2020年より「松井周の標本室」のコミュニティマネージャーを立ち上げから務める。

定員

40名(事前申込制/先着順)

料金

無料

申込方法

こちらのフォームより必要情報を記入の上、お申込みください。

※お申込みの際には、標本会議(カードゲームを使ったワークショップ)への参加希望の有無をお知らせください。希望者の中から抽選で10名の方に参加いただく予定です。

申込締切
2023年12月11日(月)14:00
定員になり次第受付を終了いたします。

※標本会議(ワークショップ)への参加希望は締め切りました。聴講希望者のみお申込みが可能です。
※お寄せいただいた個人情報は厳重に保管し、本報告会に関わるご案内のみに使用いたします。
※内容が変更になる場合があります。予めご了承ください。

お問い合わせ

「長期助成活動報告会」運営担当(合同会社syuz’gen)
E-mail:act_tj@syuzgen.com
FAX:03-4333-0878

開催場所

アーツカウンシル東京 5階会議室
(東京都千代田区九段北4丁目1-28 九段ファーストプレイス5階)

チラシ

クレジット

主催
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
運営
合同会社syuz'gen