「カテゴリーI 単年助成」には369件の申請があり、70件を採択いたしました(採択率19.0%)。助成予定総額96,822千円です。うち「創作環境サポート費」は13件で予定総額1,164千円です。
※2024年6月18日に公開した本件リリースに誤りがありましたので、以下のとおり訂正します。(8月15日更新)
【誤】助成予定総額95,658千円です。うち「創作環境サポート費」は13件で予定総額1,164千円です。
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【正】助成予定総額96,822千円です。うち「創作環境サポート費」は13件で予定総額1,164千円です。
《音楽分野》
◆申請件数(採択件数):92(20)
内訳:都内での芸術創造活動 77(17)
国際的な芸術交流活動 15(3)
◆採択率:21.7%
第1期として過去2番目に多い92件の申請がありました。国際的な芸術交流活動が活発化しており、音楽分野の採択総額の33%を占めています。申請者の活動ステージについては、前回に引き続き活動基盤形成期が全体の50%を超え、新たなクリエーションを目指す取り組みが盛んであることが見て取れます。アーツカウンシル東京のスタートアップ助成で採択歴のある申請事業者も4件が採択となりました。いずれの申請事業者も、公演実績を重ねる中で内容や規模の充実を図っている点が共通しています。なお、申請事業の中には、設立3年未満の団体や新進の個人を対象とするスタートアップ助成(補助率10分の10)の申請も可能な事業が見受けられました。ご自身の活動目的や規模等に適った助成プログラムをご検討のうえ、ご申請くださいますようお願いします。
《演劇分野》
◆申請件数(採択件数):160(24)
内訳:都内での芸術創造活動 146(21)
国際的な芸術交流活動 14(3)
◆採択率:15.0%
申請件数160件は、過去最大だった令和5年度第1期の141件を更に上回り、最多申請数を更新しました。それに伴い、採択件数も過去最大となりました。活動基盤形成期、活動拡大・発展期の団体からの申請が増加傾向にあり、8割を占めました。スタートアップ助成から当助成へステップアップする流れも拡大しており、全体の約2割を占めています。演劇分野では、自身の創作手法やテーマについてより深めるとともに、新たなカウンターパートと共に活動規模の拡大を目指す等、団体のキャリアの節目となるような適時性の高い事業を採択しました。また、ジェンダーや社会的マイノリティ等のテーマを独自のまなざしで観客に提示しようとする試みや、事業内容が具体的でかつ目的と取り組みが適合している事業が採択となっています。オンラインでの申請になりましたが、アップロード書類とフォームに入力した内容に乖離がないか等、入力内容を確認のうえ提出をお願いします。
《舞踊分野》
◆申請件数(採択件数):19(6)
内訳:都内での芸術創造活動 12(4)
国際的な芸術交流活動 7(2)
◆採択率:31.6%
申請件数は、昨年度の第2期より微増し19件でした。活動ステージは、活動拡大・発展期と活動成熟・トップ期が7対3の割合で占め、活動基盤形成期からの申請はありませんでした。スタートアップ助成から次のステージに活動を進める若手からの申請を期待しています。国際的な芸術交流活動の申請件数は、昨年度の1年間の申請件数とほぼ同数の7件で、いずれも独創的な振付・演出が評価されている創造活動の2件が採択となりました。また、活動拡大・発展期にあるダンスカンパニーが、テーマを明確に設定し、独創性の高い世界観をダンス作品として表現する波及力が見込まれる事業が採択となっています。採択となった事業のテーマは、自然環境、食料危機などの現代社会の課題を扱ったものや、人間の深淵に迫る精神世界、ミュージカルの上演形式を用い国体を扱う作品の4件でした。
《美術・映像分野》
◆申請件数(採択件数):22(3)
内訳:都内での芸術創造活動 18(3)
国際的な芸術交流活動 4(0)
◆採択率:13.6%
申請件数及び採択数は昨年度第1期と比べて減少しましたが、活動基盤形成期と活動拡大・発展期にある個人や団体からの申請が多数を占めました。さらに初申請は18件で、全体の75%を占めました。都内での芸術創造活動では、新進キュレーターによる企画で、従来の展示方法を批判的に捉えたプロジェクトや、映画や映像に関する申請のうち、着実に実績を重ねている団体による独自性のある上映会が採択になっています。国際的な芸術交流活動についての申請も4件ありましたが、参加作家の選定方法や事業の具体的な取り組みの記述が乏しく、採択には至りませんでした。また昨年度第1期では20件申請のあった映画・映像の制作や上映の事業が、今回は8件と減少しています。今後、都内で提携先と協働して行う波及力のある事業や国際的な芸術交流活動等、意欲的な申請を期待しています。
《伝統芸能分野》
◆申請件数(採択件数):21(11)
内訳:都内での芸術創造活動 21(11)
国際的な芸術交流活動 0(0)
◆採択率:52.4%
申請件数は従来の2倍となった昨年を除きこれまでの第1期と同程度でした。初申請は5割でさらにそのうちの5割が採択となっています。また、申請件数のおよそ6割を活動基盤形成期が占めていますが、活動基盤形成期の申請者が最も高い割合となる傾向が定着してきています。能楽、邦楽、日本舞踊、演芸、種目横断など幅広い活動内容から申請があり、個人の研鑽を発表する公演や伝統的な表現の拡張に挑戦する取り組みが大半を占めています。今期の特徴としては、大がかりな興行形態をとる事業が見られた点ですが、全体を通じて、種目の別、規模の大小にかかわらず、独自性と継承性をあわせ持った事業が採択となっています。
《複合分野》
◆申請件数(採択件数):55(6)
内訳:都内での芸術創造活動 47(3)
国際的な芸術交流活動 8(3)
◆採択率:10.9%
複合分野は、過去最大の55件の申請があり6件が採択となっています。異なるジャンルのアーティストとコラボレーションし複数分野の要素を融合させるなど、複合分野ならではの多様な申請がありました。その中から、これまでの活動実績を活かした多ジャンルのアーティストが今日性のあるテーマに取り組む国際交流事業や、雅楽の新たな奏法や演奏形式に挑戦する独創性の高い事業、異種目共同(日本舞踊と狂言)の作品を創作する創造的かつ実験的な触発を企図した事業等の申請が採択に至りました。