コンビニエンスストアという、日本社会を象徴する空間でおりなされる、無気力な様相。どんどん先行きのないものになっていく社会の只中で、彼らは怒りの感情・鬱屈・絶望などを感じるのをやめてしまったかのようにみえる。音楽は、バッハなどを使用。バロック音楽に特有の装飾性に、ノッキングを起こしたかのような発話や動き(具体的には、どもり、小さな動きの繰り返しなど)を対応させ、2009年初演の『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』よりもさらに過激に、楽曲の構造にパフォーマンスが従属しているさまを提示することをたくらんでいる。
作・演出:岡田利規
出演:矢沢誠、足立智充、鷲尾英彰、淵野修平、太田信吾、上村梓、川崎麻里子
美術:青木拓也
衣装:小野寺佐恵(東京衣装)
舞台監督:鈴木康郎
音響:牛川政紀
照明:大平智己
編曲:須藤崇規
【チェルフィッチュ】
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。『三月の5日間』(第49回岸田國士戯曲賞受賞作品)などを経て、日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性を持つようになる。その後も言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、現在に至る。2007年5月ヨーロッパ舞台芸術界の最重要フェスティバルと称されるKUNSTENFESTIVALDESARTS 2007(ブリュッセル/ベルギー)にて『三月の5日間』が初の国外進出を果たして以降、アジア、欧州、北米にて海外招聘多数。2011年には『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』がモントリオール(カナダ)の演劇批評家協会の批評家賞を受賞。
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マンハイム国立劇場(NTM)(マンハイム)