申請者が、東京藝術大学大学院(修士課程および博士課程)で研究した内容に関する演目で、自身の初の古典リサイタルを開催。プログラムは同時代の作曲家をテーマに掲げ、研究内容に基づいた実験的演奏も取り入れた。賛助出演として、平野裕子氏が箏と三絃、岡村慎太郎氏が三絃として助演を担った。本事業は、今まで研究されていなかった作曲家を取り上げ、箏曲界でほとんど知られていない楽曲や、新たな合奏形態に挑戦し、研究成果と演奏の融合による演奏会であった。
プログラム
「秋風の曲」(光崎検校作曲) 箏:福田恭子
「琴の栄」(山口巌作曲)・《菜蕗・六段の調》(八橋検校作曲)合奏 箏:福田恭子 平野裕子
「みだれ」(山口巌作曲) 三絃替手:福田恭子 三絃本手:平野裕子
「萩の露」(幾山検校作曲) 箏:福田恭子 三絃:岡村慎太郎
【福田 恭子】
東京藝術大学 邦楽科 箏曲生田流専攻の学部・修士課程を経て、2016年同大学大学院 博士後期課程 修了。博士号取得(音楽)。これまでに中国・イギリス・ロシアでの海外演奏を経験し、箏曲の歴史研究と演奏の両面から、日本の伝統文化である箏曲の魅力を伝える活動を行っている。日本の他の伝統文化とのコラボレーションを企画し、さまざまな思考・理念を取り入れながら多文化交流によって常に新たな客層の獲得と視野を広げた音楽作りを目指している。
また、自身の活動の傍ら、東京藝術大学を卒業した若手演奏家による出張演奏サービスを運営し、後進への演奏派遣サポートおよび支援している。
紀尾井小ホール(東京都千代田区)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。