「尺八の聖地」と題して、聖地を巡り、曲の理解を深めることの重要性を表現した。
1部では、『古伝巣籠』『山越』『三谷ノ曲』(明暗真法流) の三曲を演奏し、曲に合わせて竹田武史氏の写真を投影した。『古伝巣籠』では日本神話を舞台にした作品、『山越』では仏陀ゆかりの聖地(インド)の作品を投影し、曲との対比によって緊張感が生まれた。『三谷ノ曲』では、撮り下ろした京都の作品を投影した。寺院と自然が混在するモノクロ作品で、曲の世界観と相まって、独特の静的な空間を生み出すことができた。
2部では、一節切曲『さがりは~六の手』(復元楽器による)、古代尺八によ『王昭君』(復元楽器による) を演奏した。
小濱と竹田氏の対談を挟み、3部の1曲目は『瀧落』。ゆかりの滝「伊豆・旭滝」の撮り下ろし作品を投影した。終曲には、聖地を巡った経験をもとに作った『聖地が語りかけるもの』(小濱明人作曲)を初演した。
【小濱明人】
琴古流尺八および古典本曲を石川利光に師事。NHK邦楽技能者育成会修了。尺八新人王決定戦優勝。国立劇場主催公演等に出演。ACCの助成によりNYに留学。国際尺八フェスティバル、ラ・フォル・ジュルネ他、多くの国際音楽祭に招待参加。海外公演も多く37カ国に及ぶ。古典本曲三部作『寂静光韻』、『LOTUS POSITION with 山下洋輔』他計10枚のCDを発表。学習院大学非常勤講師。(一社)日本尺八演奏家ネットワーク会員。
sonorium(東京都杉並区)
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