演劇を辞めて久しい土井のもとに、持病の治療のためにアメリカで療養している「演出家」から、一本の戯曲が届く。それはSNSで流れてきた戦争の映像を見て、ある「奇妙な恐怖」を抱いた「演出家」が、アンドレイ・タルコフスキーの映画『サクリファイス』を参照しながら執筆したものだった。
しかし土井をはじめとした登場人物らによる上演は、ただ一度行われたのみで、全公演が中止になった。その経緯について、もとの戯曲に登場人物それぞれがコメントを加えていった「『想像の犠牲』アーカイブ版」が出版された——。
戯曲の読書会と再現という形式で、戦争と表象の関係を扱いつつ、観客への写真撮影の許可・戯曲を読みながらの観劇を許可することで、劇場で演劇を見ることの意味と責任を問う「フェイク・読書会演劇」。
作・演出:山本ジャスティン伊等、出演:石川朝日、田崎小春、佐藤駿、油井文寧、ロビン・マナバット、制作:小野寺里穂ほか
【Dr. Holiday Laboratory】
Dr. Holiday Laboratory は、2021年に設立されたシアターコレクティブ。メンバーは山本ジャスティン伊等(主宰)、石川朝日、小野寺里穂、油井文寧、ロビンマナバットの5名。
演劇公演を中心としつつ、川柳、小説、日記など、言語表現を中心とした制作を行っている。
近作に『脱獄計画(仮)』、『想像の犠牲』など。ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム“KIPPU” 選出(2024年度)。
吉祥寺シアター(東京都武蔵野市)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。