アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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フィルム&パフォーマンス「Undercurrents」

ジャンル:
  • 演劇・舞踊 ,
  • 美術・映像 ,
  • 展覧会・上映会 ,
  • 公演
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け中止となった、都内各地を舞台に舞踏のプログラムを展開する東京芸術祭特別公演ファンタスティック・サイト(共催:東京芸術祭実行委員会)を2021年1月から5月の期間で再開いたします。(2020.12.22)

Undercurrentsとは、表面には現れていない流れを意味する。

東京の下には見えない江戸が流れているように(江戸時代の水路が現在の都市計画の下敷きになっている)、誕生から60年経った舞踏のスピリットも、表向きの形を変えながら、脈々と受け継がれている。今回は、舞踏の影響を受けながら、それぞれの方法で身体と向き合い活動を続けている岩渕貞太、大橋可也&ダンサーズ、黒田育世の3組を取り上げる。3組がそれぞれ異なるコンセプトをもとに、東京の歴史の移り変わる風景を借景にした踊り/ダンスのフィルム化を行う。撮影された3つの映像作品(各20分程度)は、東京芸術祭のウェブサイトで配信される。「Undercurrents」クリエイションチームには、3作品を通して、映像ディレクションに宮澤響(Alloposidae)が、リサーチに東彩織が参加。劇場での上演に限らず、サイトスペシフィックな作品に関わってきたチームだからこそのアプローチで、東京の「サイト」と、踊り手の「身体」を接続させる。

ディレクション:長島確、河合千佳(フェスティバル/トーキョーディレクター)
映像ディレクション:宮澤響(Alloposidae)
リサーチ:東彩織

フィルム ※配信は終了しました。

配信期間:2021年3月25日~2022年3月末

岩渕貞太『A Water Vein』(製作年:2021年 上映時間:22分)
東京という都市は、かつての「水の都」だ。
江戸時代に人工開削された川(水路)が、現在の東京における区画の原型をなしている。
だがその多くは、都市開発や災害・戦災によって徐々に姿を変え、今は都市の裏側に隠れている。

東京・東日本橋の〈かつて〉の川の跡、〈いま〉の川の風景。
街のすきまを徘徊する黒い姿ーー振付家・ダンサーの岩渕貞太が、
つねに変容し続ける都市のなか、コンクリートの下の〝見えない川〟を辿った。

舞踏や武術をベースに日本人の身体と感性を生かし、独自の表現方法を探求する岩渕。
自身の身体を媒介に、街と人、表面と底流、現在と過去、見えない関係を繋いでいく。

振付・出演
岩渕貞太


大橋可也&ダンサーズ『Tune To A Dead Channel: Departure / Arrival』(製作年:2021年 上映時間:Arrival(86分)Departure(26分))
舞踏の方法論をもとに現代社会の身体の在り方を問う大橋可也&ダンサーズ。
東京西部・八王子で撮影された本作は、彼らが街を歩き、記憶を共有しながら振付をつくるという独自のプロセスを経て創作された。

都内有数の工場地帯・北八王子の鉄製品工場。現役で稼働する機械と場を共有し、ライブ配信をおこなった「Arrival」。
宿場町としても栄えた八王子の街なか。河川敷・飲み屋街・かつての遊郭跡など、複数の場で撮り下ろした映像作品「Departure」。
大橋可也みずからもカメラを持ち、〈記憶〉を踊る身体をとらえた。

サイバーパンクSFの嚆矢『ニューロマンサー』の冒頭に想を得て、
〈いま〉の八王子の風景でありながら、往還可能なDeparture⇄Arrivalという2つの世界が立ち上がる。

※2021年1月にライブ配信をおこなった上演の映像を再編集したものを配信いたします。

出演
後藤ゆう、横山八枝子、高橋由佳、ヒラトケンジ、阿竹花子、松尾望、田花遥、今井亜子、今井琴美、大橋可也(Arrivalのみ)
振付・構成・演出
大橋可也


黒田育世『病める舞姫』(製作年:2021年 上映時間:22分)

『病める舞姫』とは、暗黒舞踏の創始者・土方巽が著した文集である。
そのシュルレアスティックかつ魅惑的な言語世界は、土方の自叙伝とも、「舞踏の言語」とも呼ばれる。1983年の出版以来、数多の踊り手によって舞台化され、研究者・哲学家をも魅了してきた。

2018年、ダンスカンパニー「BATIK」主宰の黒田育世が、土方の『病める舞姫』をもとにソロ作品を発表。クラシックバレエの基礎と、さまざまな踊り手との共創の経験をもつ黒田の自伝的要素も加わり、土方の言葉が新たな舞台作品として展開された。

本映像では、黒田育世の『病める舞姫』を原作に据え、その一部を、東京・目黒の日本家屋にインストールしている。
その家は築後150年が経過し、使い継がれた役目をまもなく終える。
土方のテキストの断片を連想させる空間で、黒田の身体を追った。

原案・振付・出演
黒田育世
原作
土方巽「病める舞姫」

パフォーマンス

大橋可也&ダンサーズ『Tune To A Dead Channel: Departure / Arrival』※終了しました
Tune To A Dead Channel
街の喧騒をかきわけ、空きチャンネルに合わせろ。

東京西部に広がるヒトとモノの交差点、
電脳と電脳を結ぶ糸、
何にでもなれる柔らかい鉄の身体。

結成22年目を迎える大橋可也&ダンサーズが、古くから織物業で栄え、近代以降は鉄鋼業も盛んな「ものづくり」の街・八王子に登場。往還可能な2つの世界——街路で展開する「Departure」と、現役の工場で機械と人が入り乱れる「Arrival」を映像でお届けします(「Arrival」のみ先行ライブ配信)。サイバーパンクSFの嚆矢『ニューロマンサー』の冒頭に想を得たインダストリアル・ランドスケープ・パフォーマンス作品です。

振付・構成・演出
大橋可也
出演
大橋可也、後藤ゆう、横山八枝子、高橋由佳、ヒラトケンジ、阿竹花子、松尾望、田花遥、今井亜子、今井琴美

Arrivalライブ配信
日程:2021年1月11日(月・祝)16:00~
撮影地:森崎工業第二工場(北八王子)より配信 ※オンライン配信のみ
料金:無料・要予約
予約期間:2020年12月22日(火)~2021年1月11日(月・祝)17:00まで
視聴可能期間:2021年1月13日(水)17:30まで
予約方法:下記、予約フォームより必要事項を入力の上、送信してください。
URL:https://ssl.form-mailer.jp/fms/61138551689419

※ご予約の方にご視聴リンクをお送りします。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営およびご案内にのみ使用します。

プロフィール

岩渕貞太(いわぶち・ていた)
振付家/ダンサー
玉川大学で演劇を専攻、平行して、日本舞踊と舞踏も学ぶ。2007年より2015年まで、故・室伏鴻の舞踏公演に出演、今日に及ぶ深い影響を受ける。2005年より、「身体の構造」「空間や音楽と身体の相互作用」に着目した作品を創りはじめる。2010年から、大谷能生や蓮沼執太などの音楽家と共に、身体と音楽の関係性をめぐる共同作業を公演。2012年、横浜ダンスコレクションEX2012にて、『Hetero』(共同振付:関かおり)が若手の振付家のための在日フランス大使館賞受賞。自身のメソッドとして、舞踏や武術をベースに日本人の身体と感性を生かし、生物学・脳科学等からインスパイアされた表現方法論「網状身体」開発。玉川大学非常勤講師。急な坂スタジオレジデントアーティスト。

大橋可也(おおはし・かくや)
振付家、一般社団法人大橋可也&ダンサーズ代表理事。
1967年、山口県宇部市生まれ。横浜国立大学経営学部卒業後、イメージフォーラム付属映像研究所に学ぶ。1991年、カナダ・ヴァンクーバーにてパフォーマンスを始める。1992年から1994年まで、陸上自衛隊特別儀仗隊に在籍。1993年から1997年まで、「和栗由紀夫+好善社」の公演に舞踏手として参加、土方巽直系の舞踏振付法を学ぶ。1995年、独自の活動を開始。1999年、「大橋可也&ダンサーズ」を結成、振付作品の発表を開始する。2000年、「バニョレ国際振付賞横浜プラットフォーム」に出場するも、出演者が全裸であるという理由で非公開の審査になる。以降、2003年まで活動を休止。2004年に発表した『あなたがここにいてほしい』で「トヨタコレオグラフィーアワードネクステージ」に出場。2013年、「舞踊批評家協会賞新人賞」受賞。2014年、「利賀演劇人コンクール奨励賞」受賞。ソフトウェアのエンジニアとしても活動し、企業の基幹システムからヒューマノイドロボットのアプリケーション開発まで手掛けている。

大橋可也&ダンサーズ
1999年、結成。テキストを用いた舞踏の振付法を基に現代社会における身体の在り方を問うダンスカンパニー。代表作に、秋葉原連続殺傷事件に想を得た『帝国、エアリアル』(2008年・新国立劇場)、飛浩隆の長編小説を題材にした『グラン・ヴァカンス』(2013年・シアタートラム)、市川春子のコミック作品を題材にした『Lustrous』(2020年・横浜赤レンガ倉庫)がある。2013年より江東区を舞台にリサーチに基づくダンス作品を制作するプロジェクト「ザ・ワールド」を開始、2022年、『ザ・ワールド2022』を発表予定。
https://dancehardcore.com/

黒田育世(くろだ・いくよ)
BATIK主宰振付家・ダンサー
6歳よりクラシックバレエを始め、1997年渡英、コンテンポラリーダンスを学ぶ。02年BATIKを設立。バレエテクニックを基礎に、身体を極限まで追いつめる過激でダイナミックな振付は、踊りが持つ本来的な衝動と結びつき、ジャンルを超えて支持されている。03年トヨタコレオグラフィーアワード次代を担う振付家賞及びオーディエンス賞、04年朝日舞台芸術賞、06年舞踊批評家協会賞、10年第4回日本ダンスフォーラム賞、15年第9回日本ダンスフォーラム賞を受賞。BATIKでの活動に加え、金森穣率いるNoism05、飴屋法水、古川日出男、笠井叡、野田秀樹、串田和美など様々なアーティストとのクリエーションも多い。

お問い合わせ

東京芸術祭特別公演 ファンタスティック・サイト「Undercurrents」事務局
TEL:03-5961-5200(平日11:30~16:30 NPO法人アートネットワーク・ジャパン内)

撮影地

八王子駅周辺、森崎工業第二工場、東京都内
森崎工業第二工場(北八王子)、八王子駅周辺 ほか ※オンライン配信のみ

クレジット

主催
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
共催
東京芸術祭実行委員会[豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)]
協力
フェスティバル/トーキョー実行委員会、季節の佃煮 柳ばし 小松屋、八王子市、公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団、株式会社カフス、公益財団法人セゾン文化財団、株式会社森崎工業、MODESTE、八王子食糧株式会社、目黒ハウス
制作
NPO法人アートネットワーク・ジャパン