アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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共に在るところから/With People, Not For People

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地域福祉とアートの繋がりを考える展覧会

地域の文化資源の活用を通じてまちを学びの場に見立てるアートプロジェクト「ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―」(通称:ファンファン)では、アーティストの碓井ゆいを招聘し、東京都墨田区で100年以上ものあいだ保育事業を営む興望館と共に、セツルメント運動と文化活動の接点を探るリサーチを続けてきました。今年度はこれまでの活動の成果発表として、興望館セツルメントの資料や碓井ゆいがリサーチから着想を得て制作した作品を発表する展覧会を開催します。


よりよく生きることを目指して福祉と文化が交わる
新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ、近年の様々な社会の変化は、これまで私たちが当たり前だと思っていたことを考えなおさせる機会となりました。例えばパンデミック下において、エッセンシャルワーカーや家事育児を担っていた家族など、それぞれの生活を支えていた身近な存在が浮き彫りになったことは、一人ひとりが「生きること」を見つめ直すきっかけとなったのではないでしょうか。
大小様々な変化が起こる時代には、短絡的な答えばかりを求めず、矛盾や不確かさのなかでもじっくりと考え続ける忍耐力が必要となるかもしれません。そんな時、アートとは多様な視点が存在することを教えてくれるヒントになるものです。
しかし一方で、解決が急務となる社会課題があることも確かな事実です。そのような社会課題の解決を目指した地域福祉の歴史にセツルメント運動があります。近代化が進む19世紀、地域課題を改善するためにその地域へ住みながら住民の生活改善を目指したセツルメント運動では、必要最低限の生活の保障だけでなく、心身の健康を目指して福祉、医療、法律や文化が入り混じった多種多様なプログラムが展開されていました。
ファンファンでは、2021年から碓井ゆいと共に興望館に保存されていた保育日誌や写真資料のリサーチ、学童保育を利用する子供たちを対象としたワークショップを行ってきました。セツルメント運動とアートの繋がりを模索するなかで見えてきたものは、人々が「よりよく生きる」ことを目指すうえでは、福祉もアートもひとつのグラデーションのなかに存在しているということです。
『共に在るところから/With People, Not For People』では、セツルメント運動とアートを手がかりに、人々が地域のなかで「よりよく生きる」ためにどのような創造的な実践が行えるか、その可能性を考えていきます。

参加アーティスト

碓井ゆい
1980年東京生まれ。手芸の技法を中心に、布をはじめとした身近な素材を用いて平面・立体作品を制作する。ジェンダーの不均衡さを突いた《shadow of a coin》(2013-2018)や《shadow work》(2012-2016)では、近代化の過程で女性が担うようになった家事を「見えない」労働/影の部分として浮き彫りにする。社会・文化・歴史に対し、女性や労働の視点を中心に様々な角度から読み解いていくことで作品制作に取り組み、関係性や批評を生み出していくという表現活動を実践する。2018年VOCA賞受賞。

観覧料

無料(事前申込不要)

関連イベント

トーク「アートのやわらかな社会実装」(オンライン配信)

近年福祉や教育など、他分野との協働を積極的に行うアーティストたちの活動も増えており、アートが様々なかたちで社会化されています。児童福祉施設でのアートプロジェクトの経験もあるゲストを交えて、現代社会においてアートをどのように社会実装することができるかを考えていきます。

【公開開始日】
2022年11月20日(日)19:00~
【登壇者】
碓井ゆい、青木彬(「ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―」ディレクター)
【ゲスト】
堀内奈穂子(NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト] / dearMeプロジェクト)
エジンバラ・カレッジ・オブ・アート現代美術論修士課程修了。2008年より、AITにてレジデンス・プログラムや展覧会、シンポジウム、企業プログラムの企画に携わる。
【視聴方法】
「ファンタジア!ファンタジア!ー生き方がかたちになったまちー」YouTubeチャンネルからご覧いただけます。


オープンディスカッション「創造的な地域福祉を目指して」

興望館をはじめ、セツルメント運動では人々がよりよく生きることを目指すなかで、文化が必要不可欠であったことがうかがえます。
専門化が進みそれぞれの分野で理論や実践が積み重なる一方で領域を横断することに難しさもある現在、異なる領域の人々がゆるやかに繋がっていく場が必要かもしれません。本イベントではアートと地域福祉の協働について、参加者の皆さんが感じている可能性や悩みについてディスカッションしていきます。

【日時】
2022年11月26日(土)14:00~15:30
【進行】
青木彬(「ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―」ディレクター)
【料金】
無料(要予約・先着順)
【定員】
30名
【会場】
興望館 本館
【参加方法】
こちらのフォームよりお申込みください。

お問い合わせ

ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―事務局
E-mail:info.fantasiafantasia@gmail.com

※プログラムの 内容は変更となる場合がございます。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営及びご案内のみに使用いたします。
※新型コロナウイルス感染拡大対策を講じて実施します。

開催場所

興望館 別館
(東京都墨田区京島1-10-3)

チラシ

クレジット

主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会、一般社団法人藝と
共催
墨田区、社会福祉法人興望館
協賛
株式会社東京鋲兼、東武鉄道株式会社