アーツカウンシル東京の事業

  • 開催終了

実演とお話による
伝統芸能パースペクティヴ<第3回>
庭を読む<六義園>

―景色とうつろひ・「和歌の宇宙」に遊ぶ―

「伝統芸能パースペクティヴ」は、 日本の芸能のなかに脈々と息づく、時代やジャンルをこえた日本文化の核心を探るシリーズ企画です。 毎回、伝統文化・芸能の世界で新たな道を切り開いている実践者や研究者を迎えて、実演とお話で構成します。

シリーズ第3回は、和歌をもとに作庭された六義園を舞台に開催します。六義園には、88の和歌に詠まれた景勝が「八十八境」として園内に写し込まれ、そこには和歌を刻んだ石碑がひっそりと立てられています。いわば、和歌の「見立て」によって庭園全体が構成されているのです。

午前中の座学では、この「見立て」の方法、和歌が古来つちかってきた「見えないものを見る」技術について、文学と脳科学の両面から迫ります。そして実際に庭園を巡って参加者自身の新たな発想で「見立て」の体験を実践。午後の座学では、「歌枕」を訪ねて諸国を巡った遊行者の存在と精神に触れながら、中世以来、日本文化の基層をかたちづくってきた和歌の宇宙を見つめ直します。

記録動画

プログラム

【1】講座・座談

◇和歌の修辞(レトリック)を知る
 ・和歌における表現技巧の紹介(枕詞、序詞、見立て、掛詞、縁語)
◇中世の遊行者たちから芭蕉まで
 ・山伏の道、遊女の道 ・歌枕と道行
◇「六義園」と和歌
 ・見立ての妙 ・かさねとあわせ
◇<体験>和歌の詠唱(謡)

【2】現地体験

◇庭を読む
 ・講座で学んだ知識を使って「見えないものを見る」テクニックを実践
 (当日、講師から課題が出ます。)

※プログラムは変更になる場合がございます。

入場無料[要予約/定員70名(応募多数の場合は抽選)]

申し込みは締め切りました。

申込締切:2015年11月2日(月)18:00まで
※応募多数の場合は、抽選で70名の方を当選といたします。
※申込方法は下記をご覧ください。
※お申し込みいただいた方全員に、結果を11月4日(水)にメールにてお知らせします。

出演

鈴木宏子[日本古典文学 平安文学 和歌文学/千葉大学教育学部教授]
藤井直敬[脳科学/理化学研究所 脳科学総合研究センター 適応知性研究チーム・チームリーダー]
安田登[下掛宝生流ワキ方能楽師]
座談進行:船曳建夫[文化人類学/東京大学名誉教授]
※出演者は変更になる場合がございます。

予約・お問い合わせ

予約

E-Mail:dento3[at]atelier-canon.jp
※送信先アドレスの[at]を@に変えてください。
※件名を「庭を読む」予約とし、本文に
 (1)参加希望者の氏名とフリガナ
 (2)連絡先電話番号
 (3)職業(専門分野、所属、肩書き)
 (4)年齢
 (5)今回の内容について特にご興味をお持ちの点(ご参加の動機)
 以上(1)から(5)をご記入ください。
※申し込みは、ご本人様1名となります。
※全プログラム(10:00~17:00)に参加できる方に限ります。一部のみの参加はご遠慮ください。
※お寄せいただいた個人情報は厳重に管理し、本事業の運営および案内にのみ使用いたします。

お問い合わせ

「庭を読む」事務局
TEL:050-5274-2250(受付時間:平日10:00~18:00)

お願いと注意事項

  • 当日は雨天決行です。雨具をご持参ください。
  • 会場は、駐車場のご利用はできませんので、公共交通機関をご利用ください。
  • 昼食に関しては、参加者各自でご準備・ご対応ください。
  • 万一キャンセルされる場合は、必ず事前に電話かメールでご連絡ください。定員数が限られておりますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 当日は、主催者による写真・映像・音声の収録を行います。予めご了承ください。

出演者プロフィール

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鈴木宏子 (すずき ひろこ)
1960年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在千葉大学教育学部教授。専門分野は、平安時代和歌文学。著書に、『古今和歌集表現論』(笠間書院、2000年)、『王朝和歌の想像力 古今集と源氏物語』(笠間書院、2012年、第14回紫式部学術賞受賞)。共編著に『和歌史を学ぶ人のために』(世界思想社、2011年)。

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藤井直敬 (ふじい なおたか)
1965年広島県生まれ。理化学研究所脳科学総合研究センター適応知性研究チーム・チームリーダー 、株式会社ハコスコ代表取締役。
東北大学医学部卒業。同大医学部眼科学教室にて初期研修後、同大大学院に入学、博士号取得。1998年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)、McGovern Instituteにて研究員。2004年より理化学研究所脳科学総合研究センター象徴概念発達研究チーム副チームリーダー。2008年より同センター現職。主要研究テーマは、適応知性および社会的脳機能解明。主な著書に、『つながる脳』『ソーシャルブレインズ入門』『拡張する脳』など。

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安田登 (やすだ のぼる)
1956年生まれ。下掛宝生流(しもがかりほうしょうりゅう)ワキ方能楽師。舞台のかたわら、学生や子どもたちと能や朗読、群読の公演、ワークショップを行う。『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」主宰。甲骨文など古代文字の研究も行う。著書に、『身体感覚で「論語」を読みなおす。-古代中国の文字から』[春秋社]、『本当はこんなに面白い「おくのほそ道」』[実業之日本社]、『あわいの力―「心の時代」の次を生きる』[ミシマ社]、『異界を旅する能 ワキという存在』 [ちくま文庫]ほか。現在、古代メソポタミアの神話「イナンナの冥界下り」を、能楽を軸にシュメール語で上演するプロジェクトを進行中。

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船曳建夫 (ふなびき たけお)
1948年生まれ。文化人類学者。東京大学名誉教授。東京大学教養学部教養学科卒業、ケンブリッジ大学大学院社会人類学博士課程修了(Ph.D)。メラネシア(バヌアツ、パプアニューギニア)、ポリネシア(ハワイ、タヒチ)、日本(山形県)、東アジア(中国、韓国)でフィールドワークを行う。関心は、身体における自然性と文化性、儀礼と演劇の表現と仕組みなど。編著書に、『知の技法』[東京大学出版会]、『「日本人論」再考』[NHK出版/講談社学術文庫]、『旅する知』[海竜社]ほか。

アクセス

六義園のウェブサイトはこちら
東洋文庫のウェブサイトはこちら

開催場所

[講座1]東洋文庫2階 講演室
[庭園散策]六義園
[講座2]東洋文庫2階 講演室
※東洋文庫と六義園の間は、徒歩約3分。最寄駅はいずれもJR・東京メトロ南北線「駒込」あるいは都営地下鉄三田線「千石」、各徒歩7~8分。

クレジット

主催
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援
公益財団法人東京都公園協会
協力
公益財団法人東洋文庫
企画協力
安田登

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