池袋エリアを中心に展開する都市型国際舞台芸術祭「東京芸術祭」は、野外劇、招聘公演など幅広いジャンルの公演事業、誰でも参加できるアートプロジェクト、世界のアート・シーンで活躍する人材の育成事業を行っています。
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明⽇は今⽇より良くなる、と思っている⼈が、減ってしまった気がします。
⽇本という国のイメージが、たとえば「全体として古くなった服」のような感じで、どこかの⽳を修繕すればV字回復する、とは思えない。 ホツれを直そうとすると別のところが薄くなって⽳があく。そういう感じかもしれません。 もしそうなら、最上の策はみんなで我慢すること、となりそうですが、明⽇が今⽇より良くなると思えずに我慢していても何も⽣まれないんじゃないかと⼼配になります。
そこで提案したいのですが、今の⽇本をいっそ「落ち⽬の国」と定義してしまうのはどうでしょう。そんなことしたら⼀層元気がなくなるぞというご意⾒もあるかと思いますが、でも「落ち⽬」を経験した国って、歴史上にいくつもありますよね。 ⽇本以外にも⾊々な前例があると知れば、⼼に余裕ができるのではと思うのです。
⼼に余裕ができる。 ここからいきなり結論に⾶びますが、落ち⽬から復活できた国はどんな国かと⾒てゆくと、それは「⼈間は楽しむために⽣きていいんだ」という考えが堂々と認められている国だ、ということに気づきます。 たしかに、⽣きていて楽しい、と思える国は滅びないですよね。 この楽しみを次世代にも、と⼈々が思うから。みんなで我慢する、の真逆の策です。
で、⼈間が⼈⽣を楽しむために発明した “⼈類の知恵” が、「お祭り」です。 誰でも参加できるお祭り。
そしてお祭りのないところにお祭りを作るのは、いまや⾏政の仕事だと⾔っていいでしょう。 今の⽇本の状況を根底から変えるには、国⺠が国に対して「⼈⽣を楽しませろ!」と堂々と要求していいはずです。
そしてまたいきなりですが。
今年の秋、東京は、ちょっと頑張って、東京芸術祭をやります。
東京芸術祭総合ディレクター
宮城聰
東京芸術祭実行委員会事務局
TEL:050-1746-0996(平日10:00~18:00)