アニメーションとは、単純に記号や絵画が動いている映像のことを呼ぶのではない。非連続な静止画を連続再生すると、それらが動いて見えるという、身体に起因する現象であって、その非連続な画像の1枚1枚に凝縮された思考と時間は、描き手・鑑賞者を、経験や意識を越えた未到のタイムラインへと誘うのである。抽象風景をアニメートすることにより、作者は自然・文化・生命の刹那的側面を経験し、またそれを公開することによって、その極めて個人的で非現実的な風景を他者と共有する。本展示では、東京を舞台にした抽象風景アニメーション短編作品の制作途中を展示。ドローイング・スケッチ・テスト動画・完成した映像パーツなどを配置し、アニメーションの表現力の認知の拡大を目指すとともに、作画という思考作業を多角的に知る機会としたい。この展示を経て、新たな思考を加えたのち、最終的には1本の短編アニメーション作品を仕上げていく。
【 小野ハナ 】
1986年生まれ、岩手県出身のアニメーション作家。2014年、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。アニメーション表現における身体性と物語表現を主軸に制作と研究を行う。修了制作『澱みの騒ぎ(英題:Crazy Little Thing)』で第69回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。ほか代表作に『such a good place to die』(2015)、『あいたたぼっち(英題:Ouch, Chou Chou)』(2016)など。
アニメーション作家:小野ハナ(当真さやか)
〒179-0084 東京都練馬区氷川台3-29-8 サンハイム浅見209
TEL:090-2023-1125
e-mail:ginkgo@xb.raindrop.jp
新宿眼科画廊(東京都新宿区)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。