《音楽分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数13(5); 公演9(2)、国際芸術交流3(2)、創造環境向上1(1)
◆採択率:38.5%
音楽分野の申請は第1期に引き続き、テーマ性の高い事業の申請が大半を占めました。特に海外での活動については、企画趣旨に沿って観客や参加者を具体的に想定した優れた活動が目立ちました。審査においては、事業の目的と企画内容の整合性及び実現性、また、事業の持つ影響力・普及力を総合的に判断しました。活動実績の豊富な団体の活動や長期の継続的事業については、ガイドラインの「各ステージにおける助成方針」に照らし、慎重に検討しました。
《演劇分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数32(11); 公演25(8)、国際芸術交流6(3)、創造環境向上1(0)
◆採択率:34.4%
申請件数のうちほぼ半数が「各ステージにおける助成方針」の活動基盤形成期からのものでした。その中でも、それまでの活動実績を踏まえ、次の段階への発展を積極的に進める将来性のあるものを評価しました。活動拡大・発展期からは、社会現象等に対する意識を、独創性の高い作品へ落とし込もうとする企画が採択となっています。一方で、コラボレーションや代表作の再構築など、長年の活動の蓄積を基にしながらも新たな取り組みを取り入れた活動成熟期の団体の活動が採択になっています。また、国際進出のための制作者向けセミナー(複合分野)も採択しています。
《舞踊分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数15(9); 公演9(4)、国際芸術交流5(4)、創造環境向上1(1)
◆採択率:60.0%
活動拡大・発展期にある中堅団体が若手団体支援に取り組むプロデュース公演や、活動成熟・トップ期にある団体が優れた舞踊作品を次代へ継承させる企画等、舞踊分野への影響力・普及力が期待できる意義深い公演事業及び欧州の振付家への振付委嘱企画といった意欲的な国際芸術交流活動や託児サービスと連携したパフォーマンス企画という創造環境の整備・向上に資する独創的な活動等の申請がありました。審査にあたっては、各申請団体の活動実績や達成目標に注目しながら、当助成の審査基準に照らし、総合的に評価しました。
《美術・映像分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数23(9); 公演14(6)、国際芸術交流7(2)、創造環境向上2(1)
◆採択率:39.1%
従来の美術・映像の形式に留まらない複合的な内容のものが多く見られました。個人からの申請件数は引き続き増加傾向にあり、特に将来性・適時性の高い申請が多くありました。この他、鑑賞環境の向上や情報整備を目的とする事業などもあり、影響力・普及力の観点から評価しました。芸術文化によって社会課題にアプローチする革新性・独創性に富む活動の申請も見られました。当助成制度の審査基準に基づき、総合的に審査を行いました。
《伝統芸能分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数17(12); 公演12(8)、国際芸術交流5(4)、創造環境向上0(0)
◆採択率:70.6%
申請種目は、長唄、清元、箏曲、能楽、日本舞踊、創作邦楽、民俗芸能等の多岐にわたるものでした。中堅からベテランの世代による次代への継承性を踏まえた意欲的な事業が目立った一方で、若手から中堅世代の申請数は少なめでしたが、日本の伝統文化・古典芸能の特質や魅力を見極めて表現・継承を行っていこうとする姿勢が見られました。全体的に、伝統との接点を丁寧に考えた水準の高い申請が増えています。また、海外での事業が多いのも今期の特徴となっています。
《複合・その他分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数19(6); 公演9(2)、国際芸術交流9(3)、創造環境向上1(1)
◆採択率:31.6%
複合分野での申請は、近年増加傾向にあります。分野を横断する活動から、他の分野との協働などによって自らが抱える課題を乗り越えようとする意識がうかがえるものなど、意欲的な事業の申請が多く寄せられました。その中でも、特に革新性・独創性や影響力・普及力の面で期待できる事業を、当助成ガイドラインに基づき採択としました。