作品のテーマは家族間における「共依存」。肯定に尽きるもろく甘い支え合いを避け、目が醒めるような言葉で互いを照らし出すための対話はいかにして可能か。「還暦祝い」や「ルビー婚式」といったイベントに集う親族のそれぞれが、〈他の家族〉との接触を通して家族の在り方を再考する瞬間を描く。
稽古は週1回。また毎回稽古場にさまざまなゲストを招くことで、演者と演出家の関係の硬直化をすり抜けようと取り組む新聞家。まさに「共依存」への抵抗を孕むその特異な演劇実践が今作で作品化する。
【新聞家】
演劇作家の村社祐太朗による演劇カンパニー。3331千代田芸術祭2014パフォーマンス部門で中村茜賞を受賞。テキストを他者として扱うことで演者に課せられる〈対話〉を、パフォーマティブな思索として現前させる独特の作品様態が注目を集めている。演劇批評家の内野儀はそれを「本来的な意味での演劇」と評した。
新聞家
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