建物も制度的な枠組みも無い自然環境の中で、ゼロからミュージアムを立ち上げるプロジェクト。人工物と自然物を分ける、作者と観客を分ける、自然環境と展示空間を分けるといった近代のアート・ミュージアムが前提としている考え方をひとつひとつ反省しながら、アートインフラとしての新しいミュージアムの可能性をさぐる。
【1年目プロジェクト概要】
(1)読書会4:ヒト・シュタイエル『あえてゲームを(または、アートワーカーは考えることができるか)』
内容:参加者はオンラインVR空間に集まり、ヒト・シュタイエル『デューティーフリー・アート:課されるものなき芸術』収録のテキスト「あえてゲームを(または、アートワーカーは考えることができるか)」を読み、ディスカッションを行った。
日時:2021.10.31(日)19:00~22:00
会場:Web上のVR空間(Spatial)
(2)カンファレンス1:ミュージアムなしのミュージアム
秋川渓谷で、「ミュージアムなしのミュージアム」を1日かけて構想。ブレインストーミングを通し、参加者各々が立案した。
日時:2021年11月28日(日)10:00~18:00
会場:秋川渓谷 十里木
ゲスト:池田武史、灰原千晶、神谷絢栄、高田冬彦、和田昌宏
(3)ブック・クラブ5:新しいプラットフォームのかたち_芸術とテクノロジーを通して考える
ネイサン・シュナイダー『ネクスト・シェア ポスト資本主義を生み出す「協同」プラットフォーム』』を読み、社会と芸術の新しいプラットフォームのかたちを検討した。
日時:2022年2月20日(日)19:00~22:00
会場:Web空間 (Jitsi Meet)
(4)カンファレンス2:具体的・分散的・抽象的・・・プラットフォーム@Web
Wikipedia等のプラットフォームにコレクティブに書き込みを加えるワークショップ。新たなプラットフォームのアイデアやプランを参加者各々が立案した。
日時:2022年2月27日(日)10:30~19:00
会場:Web空間(Jitsi Meet)
ゲスト:井出賢嗣、石橋友也、中島りか、ユミソン、吉田山
(5)カンファレンス 2の補足:ウィキペディアを編集
前回のワークショップで選択されたWikipediaの「日々」の記事を参加者間で話し合いながら編集を行った。
日時:2022年3月20日(日)20:00~21:30
会場:Web空間(Jitsi Meet)
(6)コレクション展 コラージュ、カムフラージュ、企画展 dis/cover
多摩地域の住宅街に面した森にて開催。コレクション展『コラージュ・カムフラージュ』と企画展『dis/cover』の二つの展覧会によって構成。関連企画として、アーティスト・トーク&ディスカッション、ツアー&カンファレンス[(7)(8)参照]も行った。
日時:2022年6月27日(月)~7月18日(月・祝)
会場:長房町の住宅街に面した森(193-0824 東京都八王子市長房町138)
出展アーティスト・事物:井出賢嗣、荻野僚介、神谷絢栄、阪口智章、佐塚真啓、鈴木あい、張小船、孫田絵菜、アイビー、関東造盆地運動、シマウマ、ジョルジュ・ブラック、パブロ・ピカソ、葉潜り蝿、迷彩、ほか
(7)《アーティスト・トーク&ディスカッション「dis/cover」を巡って》
企画展 『dis/cover』の出演者の作品や、森で開催した展覧会(5)全体を掘り下げ、ミュージアムやアートを巡って参加者とディスカッションした。
日時:2022年7月10日(日)14:00-16:00
会場:長房町の住宅街に面した森
出演:井出賢嗣、神谷絢栄、阪口智章、アート・ユーザー・カンファレンス
(8)ツアー&カンファレンス3ミュージアムの発見(コラージュ、カムフラージュ、dis/cover)
5の展覧会会場周辺の地域を巡るツアーと、ワークショップ的なブレインストーミングを通し、参加者各々が発見したミュージアムをレポートにまとめ発表した。
日時:2022年7月17日(日)11:00~15:00
会場:長房町の住宅街に面した森、及び周辺の古墳や商店など
出演:佐塚真啓、冨樫達彦、中島水緒、張小船
【2年目プロジェクト概要】
(1)コレクティブ・リサーチ & カンファレンス4 & 展覧会「1.《ソヴィエト非公式芸術 ‘集団行為’ のリサーチ》、2.《場所の発掘とその使い方》」
東京という都市の辺境、末端に位置する奥多摩へ向かい、日光や風、あるいは雨のなか「芸術表現の場所」に関するリサーチ&カンファレンスを行った。
日時:2023年4月8日(土)10:00~16:30
会場:東京都西多摩郡奥多摩町(登計園地ふれあい広場、氷川渓谷)
ゲスト講師:生熊源一
(2)「General Museum|Site」
既成の場所ではない様々な場所で行われる活動をリンクさせることで新しいあり方のミュージアム/公共圏を形成していくプロジェクトとしてWEBプラットフォームを立ち上げ、分散的展覧会として「General Museum|Site 場所の発掘_Some Practices」を開催した。
日時:6月30日(金)〜7月31日(月)*WEBプラットフォームは継続
会場:Web空間および公園、美術館、自宅、グループチャット、各自の身体、スーパーマーケット、フリマアプリ等
出展アーティスト:池田武史、石橋友也、小栢可愛、片山初音、佐藤史治と原口寛子、鈴木あい、高嶋晋一、谷口暁彦、中島りか、藤倉麻子、前田春日美、槙原泰介、村松珠季、吉野俊太郎
【3年目プロジェクト概要】
(1) カンファレンス 6:外のミュージアム_ミュージアムを尋ねる
「ディープ・ルッキング」という見る方法を提唱し、「フェンバーガー・ハウス」というミュージアムを個人で運営するロジャー・マクドナルド氏とともに、従来の制度としてのミュージアムの外で新しいミュージアムを実践する方法を考えた。
日時:2024年6月22日(土)19:00〜21:30
会場:オンライン(Zoom)
出演:ロジャー・マクドナルド、ジェネラル・ミュージアム
(2)カンファレンス 7:外のミュージアム_台場から外の世界を発掘する
お招きしたゲストたちによるブレインストーミングを通して、新しい外の場所の発掘を目指した。東京のフロンティアともいえる湾岸地域に集合し、その場所を批判的に捉え、複数の脳と環境の相互作用から場所へのあらたな視点や使用法を探った。制作者同士が密接に協働する関係性を模索し、同時にそこに離散的で広い間口をもたらすためにインターネットを使ったオンライン配信を行った。
日時:2024年6月29日(土)15:00~20:00
会場:東京の湾岸地域にて、ゲストとともに実施する探索やブレインストーミングの様子をオンライン配信
出演:播磨みどり、近藤愛助、小山友也、上竹真菜美、渡辺泰子
【アート・ユーザー・カンファレンス】
アート・ユーザー・カンファレンスはアーティストや研究者からなる組織。アーティスト、観客、キュレーター、批評家といった既存の立場とは異なる「ユーザー」という視点から、アートに関するさまざまな展覧会やカンファレンス、印刷物の発行やイベントを行っている。
アート・ユーザー・カンファレンス
anartuser@gmail.com