本事業は、音楽作品を「観想(瞑想)の対象」にしてしまった19世紀ドイツ文化の影響から離れ、作品の実現に関わるすべてのコミュニケーションを強調し、音楽作品というものを異なるものとの間で⽣じ得るあらゆる⽣成、共感、交流、合意、すなわち「分かち合いの場」として捉えることである。
聴取という行為を「創造的想像力」ではなく「楽器=道具化された身体」を通じて行う。そして音楽作品という空間の中に生じる人―楽器―音という異種間のコミュニケーションを図ることを試みる。
プログラムは金ヨハンの《ピアノ的モデル:マテリアルターン》(2022)と《半空間音楽:傾聴と共聴の間で》(2023)、委嘱作曲家の足立智美のレクチャー・パフォーマンス《コレクティヴ・インストルメントとは何か》または“Sympathy/Synchronicity/Synthesizer”(2023)の3つの作品である。出演者は⾜⽴智美、井上郷⼦(ピアノ)、⾦ヨハン、栗原響⼦(フルート)の4人である。
【金ヨハン】
韓国ソウル生まれ、作曲家を志して2011年に渡日。作品理解に関わるアイロニーとそれを無効化するユーモアをテーマに作品創作を行う。2021年初の個展「Kim Yohan Composer Solo exhibition 曖昧|複雑|偶然…の聴取」をアーツカウンシル東京スタートアップ助成を得て東京で開催、雑誌『みらいらん』など好評を博す。近年は韓国のソウル、ドイツのベルリンとケルン、オーストリアのウィーン、スウェーデンのボロスにおいて新作初演を行った。
金ヨハン
090-8344-3619
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トーキョーコンサーツ・ラボ (東京都新宿区)
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