アーツカウンシル東京の事業

新作能「冥府行~ネキア NEKYIA」

  • 団体名 : 公益財団法人 梅若会
  • 区分 : 区分なし
  • 助成タイプ : 単年
  • 分野 : 複合・その他

事業概要

本事業は、ホメロス作古代ギリシアの長編英雄叙事詩『オデュッセイア』から第11歌【ネキアの章】を能楽の手法で上演する企画である。現代ギリシアを代表する演出家ミハイル・マルマリノスは、ホメロスの叙事詩は、歌であり文学ではなく、また能楽は、演劇ではなく歌である、という。すなわちホメロスの11歌「ネキア」(邦訳・冥府行)を舞台上に具現化できる唯一の手段が能楽であるという確信にこの作品は起因する。トロイ戦争でギリシア軍を勝利に導いた英雄・オデュッセウスが故国に辿りつく為に必要な事を知るため冥界に降りる冥府行を表現する手法として能の劇構造、身体表現を用いる能とギリシア古代演劇のコラボレーションである。今日のギリシア、キリスト教などを含む現代の概念では理解できない死者と生者がお互いを行き来する世界観の表現に、古代ギリシア演劇の遺伝子を持つと想像させる能楽の手法を用いて臨む日希合作のプロジェクトである。

プロフィール

◇梅若 玄祥(うめわか・げんしょう)
能楽観世流シテ方、日本藝術院会員
重要無形文化財各個認定保持者
1948年東京生。1951年 能『鞍馬天狗』子方で初舞台、17歳で『道成寺』を披く。1979年 梅若六郎家当主継承。1988年 五拾六世 梅若六郎を襲名。2008年玄祥へ改名。古典は基より廃絶された能の復曲、新作能の上演に自ら出演・演出するなど第一線で活動する。海外招聘公演も多く能の普及と国際文化交流の一役を担っている。2006年紫綬褒章受章

◇ミハイル・マルマリノス
演出家
アテネ生。大学で生物学(専攻は神経生物学)と演劇を学ぶ。1983年 Diplous Eros 劇団を設立、設立初作直後ギリシア文化庁の助成を受ける。劇団はその後変遷を経て現在の Theseum Ensemble(TE)に至る。ギリシアを中心に欧州で毎年作品を発表。2013年パリ・コメディ・フランセーズにて「フェードル」を演出。現代ギリシアを代表する演劇人。

お問い合わせ

公益財団法人 梅若会
事務局長:山本祥一
〒162-0003
東京都中野区東中野2-6-14
TEL: 03-3363-7748
FAX: 03-3363-7749

実施場所

エピダウロス野外劇場(エピダウロス)