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東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2020/02/27

「港区文化芸術ネットワーク会議」にプログラムオフィサー・大内伸輔が登壇しました

2月3日、港区役所にて開催された「港区文化芸術ネットワーク会議」にアーツカウンシル東京 東京アートポイント計画 プログラムオフィサーの大内伸輔がゲストパネリストとして参加しました。港区の文化芸術活動団体のみなさんへ東京アートポイント計画のミッションや、政策とNPOをつなぐ中間支援の仕組みについてお話しする機会となりました。大内によるレポートをお届けします。

「港区文化芸術ネットワーク会議」は区内の文化芸術活動団体が緩やかにつながることにより、新たな文化芸術の創造機会の創出、効果的な情報発信、区の事業との連携の促進を目的としています。2013年の設置以降、定期的に交流機会を設けています。今年度2回目となる今回も55団体、72名の参加がありました。

奇しくも東京アートポイント計画でも、参加団体の交流促進や学び合いを目的としたネットワークプログラム「ジムジム会」を今年度新たにスタートさせたところ。文化活動におけるいわゆる「横のつながり」の重要性をあらためて感じているところです。

前半では「東京の新しい試みを持続可能な取り組みへ」と題して、東京アートポイント計画の仕組みについてお話ししました。後半は文化政策研究者の太下義之さんのコーディネートのもと、もう一人のゲストであるPalabra株式会社の山上庄子さんと「文化芸術をとおした共生社会に向けて」をテーマにパネルディスカッションに参加しました。

東京アートポイント計画からは「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」の「イミグレーション・ミュージアム・東京」を事例に、地域における外国にルーツを持つ人々との相互理解を深める試みを紹介。山上さんはPalabraのバリアフリー演劇「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち~」を紹介されていました。東京アートポイント計画としても昨今プログラムオフィサー間で、アートプロジェクトの現場におけるアクセシビリティを高めていく方法を検討しているところで、タイムリーに興味深いお話を伺うことができました。

今回、港区の文化芸術振興係よりお声がけいただいたのは、Tokyo Art Research Labのレクチャー「文化に時間をかける「ことば」をひらく―東京アートポイント計画の10年から紐解いてみる―」がきっかけです。文化行政の担い手の方に届けるべく、イベントの情報発信も工夫したレクチャーだったため、ひとつひとつがつながり、ネットワーク会議でお話しする機会をいただけたことは幸いでした。

終了後も参加者の方々から多数ご質問や「他地域の取り組みについて聞けるのは勉強になりました。」「現実的な問題にもいろいろ気付きがあり、今後の活動に役立てなければと思います。様々な点で勉強になりました。」「質問に的確にお答えいただき助かりました。」
といった感想をいただきました。

やりとりの中で、7年継続しているプログラムと出会いました。「継続しているからこそ見えてくる効果はありますか?」と伺うと、「オーディエンスだった子供が成長して手伝ってくれるようになりました」との回答。

「文化を育むにはかけるべき時間がある」。私たちが東京アートポイント計画の10年をまとめた書籍『これからの文化を「10年単位」で語るために― 東京アートポイント計画 2009-2018 ―』の中で取り上げた言葉です。まさに、そういうこと。小さな営みから文化の結び目はより強くなっていく。そのことの重要性をお伝えし、分かち合うことができました。続けることはたやすいことではありません。だからこそ、文化における新しい試みが持続していくためにできることを開発していきたいと思います。

*東京アートポイント計画からのご案内

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