アーツカウンシル東京が実施する「東京アートポイント計画」は、地域社会を担うNPO(※)とともに、社会に対して新たな価値観や創造的な活動を生み出すためのさまざまな「アートポイント」をつくる事業です。 当たり前を問い直す、課題をみつける、異なる分野をつなぐ―そうしたアートの特性を活用し、実験的なアートプロジェクトをとおして、個人が豊かに生きていくための関係づくりや創造的な活動が生まれる仕組みづくりに取り組んでいます。
2009年から現在(2024年4月)までに、東京都、アーツカウンシル東京、NPO*との共催で56団体と45件のプロジェクトを実施してきました。プロジェクトが地域に根付くために、プロジェクトを担う人材育成や活動基盤の整備なども行っています。
※NPO法人のほか、一般社団法人、社会福祉法人など非営利型の組織も含む
アートプロジェクトが継続的に動いている場であり、その活動をつくる人々が集まる創造的な拠点のこと。アーティスト、運営スタッフ、ボランティア、参加者などさまざまな担い手により「アートポイント」は形成されると考えています。
■令和6年度 東京アートポイント計画 事業一覧東京アートポイント計画紹介映像(2021年度制作)
HAPPY TURN/神津島「くると冬まつり2022」の様子 撮影:小野悠介
東京アートポイント計画では、東京都、アーツカウンシル東京、NPOの3者による「共催事業」としてアートプロジェクトを実施します。 共催事業では、プロジェクトの立案~実施~振り返りまで、3つの組織がプロセスを共有し、話し合いながら進めます。「共催」のメリットは、事業と組織の進捗に合わせ、じっくり推進していけるところ。事業費だけでなく運営費も支出可能で、資金にかぎらず情報、スキル、ネットワーク等の共有も行います。 ただし、異なる規模、目的、ルールを持つ組織が協働していくことは、容易でありません。そこで、絡まりがちな糸をほぐしつつ、ステップを一段ずつ登っていくために、東京アートポイント計画の「プログラムオフィサー」がプロジェクトに伴走します。
■ブログ「東京アートポイント計画通信」:「共催」って何?―時間をかけて事業と組織を育てる協働の仕組み
東京アートポイント計画 ディレクター(中央)、プログラムオフィサー 撮影:池田宏
東京アートポイント計画における「プログラムオフィサー(PO)」は、行政とアートプロジェクトの現場をつなぐ専門スタッフです。POの多くはアートプロジェクトの現場経験や独自の専門性を持っており、その役割は大きく分けて2つあります。
(1)プロジェクトの現場に伴走する
NPOと綿密に連絡・会議を重ねながら、企画・体制の組み立て方の指南、進行管理、リスク管理、精算書類の確認等を手がけ、プロジェクトに伴走します。
(2)現場の環境を整える
現場でぶつかった課題をすくい上げ、アートプロジェクトの環境整備につながるよう、プログラムやシステムにすることで解決を目指します。
以下は、プログラムオフィサーが活動する中で生まれた冊子や記事です。
■『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本<増補版>』
■ネットTAM講座 実践編「アートプロジェクト」:はじめに|アートプロジェクトを動かす「ことば」を紡ぐ
ジムジム会の様子 撮影:加藤甫
アートプロジェクトの運営サイクル(企画、準備、実施、報告、検証・評価)を円滑に動かす「チーム」づくりや、多様な人がかかわる活動を支える拠点づくりを大切にしています。例えば、活動を推進するために、Tokyo Art Research Labと連携した学びの機会を提供しています。また、東京アートポイント計画を担うNPO相互のネットワークづくりの取り組みも行います。
Artpoint Meetingの様子 撮影:小野悠介
東京アートポイント計画では、「まち」をフィールドに人々の営みに寄り添い、アートを介して問いを提示するアートプロジェクトを紐解くため、活動から見えてきたトピックをもとにゲストを招き、事例紹介やディスカッションを通じて新たな「ことば」を紡ぐ「Artpoint Meeting」を定期的に開催しています。また、日々変化する社会に向き合うための学びの場づくりをオンライン・動画視聴・対面にて行い、活動の中で制作した書籍や映像などの資料を「Tokyo Art Research Lab(TARL)」ウェブサイトにて無料で公開しています。
アートプロジェクトの実践の中から生まれる現場の声をもとに、事業の記録や評価を見据えた運営手法を研究・開発し、そのメソッドを広く社会に開いています。
東京アートポイント計画では、共催団体を公募しています。公募を実施する際は、アーツカウンシル東京の公式ウェブサイトはじめ、東京アートポイント計画のFacebookページやメールニュースでご案内します。また、年間を通して共催事業に関心のある方のリサーチを行っています。共催事業や公募についてのご質問等は下記のお問合せ先までご連絡ください。
*選定プロセス
共催団体の選定にあたっては、アーツカウンシル東京事業部において審査を行い、外部有識者で構成される事業・共催団体選定会議で選定します。
公益財団法人東京都歴史文化財団
アーツカウンシル東京
事業部事業調整課事業調整係
TEL:03-6256-8435
E-mail:info-ap@artscouncil-tokyo.jp
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