アーツカウンシル東京では平成25(2013)年度より長期間の活動に対して最長3年間助成するプログラム「東京芸術文化創造発信助成【長期助成プログラム】」を実施しています。この度、助成対象活動報告会の第12回として、平成27(2015)年度より3年間助成した一般社団法人伶楽舎の活動をご紹介します。
伶楽舎は古典雅楽の演奏、廃絶曲の復曲、現代作曲家への新作の委嘱をはじめ、国内・海外で活躍している団体ですが、創立以来、普及活動にも熱心に取り組んでいます。
本プロジェクトは、平安時代から千年以上にわたって継承されてきた雅楽が今後も長く発展し引き継がれていくために、雅楽を広く一般に知ってもらうことを目指して実施されました。子どもたちが直に雅楽の楽器に触れることができる演奏会の開催や、初心者の方でも雅楽に親しみを感じてもらえる新作雅楽曲の創作、学校の音楽の授業でも活用できるCDとDVDの作成といった複数の活動で構成されていました。
一般の方にも伝統芸能を身近に感じてもらうためにどのような取り組みが有効で、何が課題となっているのか。プロジェクト全体を振り返って、発見された視点や気づき、そして今後の活動の展開などについて、伶楽舎の皆様にお話を伺います。
※本報告会は主催者の広報及び記録目的に写真・音声の収録を行い、後日アーツカウンシル東京のウェブサイト等で公開します。予めご了承ください。
対象事業:伶楽舎・子どものための雅楽プロジェクト
(平成27年度から平成29年度までの3年間の長期助成プロジェクト)
団体名:一般社団法人 伶楽舎
<1年目の活動>
子どもたちに雅楽の魅力を知ってもらう機会を増やすために、楽器体験コーナーを含む趣向を凝らしたコンサートを開催。また音楽教育現場でも活用しやすいツールであるCDとDVDの制作を開始(1年目は録音および映像収録のみ)。CDには芝祐靖作曲・脚本による子どものための雅楽作品「ポン太と神鳴りさま」、「カラ坊風に乗る」ほかを収録。DVD『雅楽ってなあに?』は演奏や舞、楽器の紹介等、雅楽の幅広い魅力をやさしく紹介する内容。
<2年目の活動>
子どものための雅楽作品第2作・芝祐靖作曲「カラ坊風に乗る」をメインに据えたコンサートを開催。1年目に録音・収録したCD・DVDが完成。一般市販の他、都内図書館に寄贈した。また今後の活動内容に活かすため、学校での雅楽教育に関する意識調査を行う(アンケート協力校には今回制作した雅楽教材用のCDとDVDを案内・配付)。3年目に予定している子どものための芸術性の高い新作雅楽の創作に向け、5人の作曲家(山根明季子、藤家渓子、北爪道夫、東野珠実、伊左治直)とのワークショップを実施。
<3年目の活動>
子どものための芸術性の高い新作を披露する全曲初演雅楽コンサートを開催(異なる編成と趣向をもった5曲を初演)。また前年のアンケートの内容を踏まえて「子どものための雅楽コンサート」を開催。プロジェクト全体を通じて雅楽を次の時代につなげるために一石を投じることができた。
一般社団法人 伶楽舎
1985年に芝祐靖(初代音楽監督)が創設した雅楽演奏団体。発足以来、現行の雅楽古典曲以外に、廃絶曲の復曲や正倉院楽器の復元演奏、現代作品の演奏にも積極的に取り組み、国内外で幅広い活動を展開している。特に、現代作曲家への委嘱作品や古典雅楽様式の新作の初演には力を入れ、年2回のペースで開催している自主演奏会で度々発表している。他に、解説を交えた親しみやすいコンサートを企画し、雅楽への理解と普及にも努める。また、文化庁「文化芸術による子供の育成事業」他、小中高校生を対象としたワークショップ、レクチャーコンサートなどの教育プログラムも多く行っている。令和2年(2020年)「第50回ENEOS音楽賞邦楽部門」受賞。
18:45 開場
19:00 長期助成プログラム及び対象活動の紹介
19:05 【第1部】
・本プロジェクトを実施するに至った背景と企画意図
・3年間の助成を受けた期間に実施したこと(音と映像による紹介を含む)
20:05 休憩
20:10 【第2部】
・このプロジェクトを実施したことで生じた変化
・これからの活動の可能性
・雅楽の将来――雅楽を身近に
20:40 質疑応答
21:00 終了
登壇者[報告者]
宮田まゆみ(伶楽舎 音楽監督)
宮丸直子(伶楽舎)
中村仁美(伶楽舎)
尚紀子(東京コンサーツ)
司会進行
堀内宏公(企画助成課 シニア・プログラムオフィサー)
報告者プロフィール
宮田まゆみ(みやた まゆみ)
国立音楽大学卒業後、雅楽を学ぶ。1983年に笙のリサイタルを開催して注目を集める。古典雅楽の他に現代音楽にも積極的に取り組み、世界的な活動を展開している。国立音楽大学招聘教授。2018年紫綬褒章。雅楽演奏団体「伶楽舎」音楽監督。
宮丸直子(みやまる なおこ)
東京藝術大学音楽学部、同大学院修士課程(音楽学専攻)修了。雅楽を芝祐靖に師事。雅楽演奏団体「伶楽舎」に1985年の創立時から参加。国内外の演奏会、音楽祭等に出演。共著『図説 雅楽入門事典』(柏書房)
Photo by Itj
中村仁美(なかむら ひとみ)
東京藝術大学修了。篳篥、楽箏、左舞、古代歌謡等を芝祐靖・大窪永夫・上明彦・豊英秋などに学ぶ。1986年から「伶楽舎」に参加。古典雅楽から現代音楽まで、独奏楽器としての篳篥の魅力を開拓する活動を展開。国立音楽大学、沖縄県立芸術大学非常勤講師。
尚 紀子(しょう のりこ)
音楽事務所、株式会社東京コンサーツ・代表取締役社長。所属演奏団体「伶楽舎」のマネジメントを担当(コンサート、全国各地の小・中学校での雅楽普及公演の企画制作)。
30名(事前申込制。応募多数の場合は抽選とさせていただきます。)
無料
Eメール(forum-grant@artscouncil-tokyo.jp)に、ご氏名/ご所属・職業/人数/当日連絡可能な電話番号/Eメールアドレス/手話通訳の要否、以上を明記の上お申込みください。
申込締切
2021年12月3日(金)正午まで 12月7日(火)正午まで ※締切を延長しました。
※手話通訳をご希望の方は、11月26日(金)17:00までにお申し込みください。
※お寄せいただいた個人情報は厳重に保管し、本報告会に関わるご案内のみに使用いたします。
※内容が変更になる場合があります。予めご了承ください。
当日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を講じた上で実施いたします。ご来場にあたってはマスク着用などのご協力をお願い申し上げます。なお、37.5℃以上の発熱がある方や、体調不良が認められる方等は、当日ご入場をお断りする場合がございますので予めご了承ください。
イベント開催時のチェックリスト・感染防止策チェックリスト(PDF)
アーツカウンシル東京 企画室 企画助成課
TEL:03-6256-8431(10:00~18:00 土日祝日を除く)
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