本公演では、昨年10月に亡くなられた三善晃氏を追悼する。三善氏は東混と共に団の創立間もない頃より委嘱作品を含む数多くの活動を通して、合唱芸術の発展と普及に尽くしてこられた。その影響力は計り知れず、今やその膨大な作品は合唱芸術における重要なレパートリーとなり盛んに演奏されている。プログラムでは全て三善氏の作品として、近現代の日本を代表する4人の詩人のテキストによる珠玉の代表作4曲（『嫁ぐ娘に』高田敏子 詩、『月夜三唱』中原中也 詩、『クレーの絵本 第2集』谷川俊太郎 詩、『縄文連禱』宗左近 詩）を取り上げる。指揮には東京混声合唱団指揮者の大谷研二氏をお迎えする。大谷氏は中世から現代に至る色彩ゆたかな作品の紹介と流麗な指揮によって高い評価を受けている日本を代表する合唱指揮者の一人。浅井道子氏のピアノ、東京混声合唱団の演奏と共に、三善氏の遺した合唱芸術の神髄を披露したい。