2016年に引き続いて行われたロンドンのKings Placeにおける「能リ・イマジンド」フェスティバル第2回は、「夢幻能」をテーマに、現代の芸術と科学の視座に照らし、ジャンルを超えた日英のコラボレーションを展開。6名の能楽師による夢幻能「井筒」(半能)ほか、古典演目と一噌幸弘作曲、入来篤史脚本による新作能「Reflection」を披露した。また、イギリスの先駆的な芸術活動を行っているアーティストらは、夢幻能が表現するイリュージョンや能の美意識に取り組み、2つの新作を発表した。日英2名の脳科学者は、「能」がもつ現実と想像世界を行き来する魂を自在に表現する夢幻性と「脳」との関連性を科学的視座で解き明かすプレゼンテーションを行った。また、法政大学能楽研究所の2人の教授によるレクチャーでは「イリュージョンを生み出す仕掛け:能の所作と能面」についてQ&Aを交えたトークを行った。ロンドンのライブハウスCafé OTOでは、現地の音楽家2名と即興演奏を行い、マドリッドの国際舞台芸術フェスティバルClasicos En Alcalaでは日西外交関係樹立150周年事業としてアルカラ(マドリッド)のセルバンテス劇場にて能の公演を行った。
<出演者>
■能楽師:一噌幸弘[一噌流 笛方]、馬野正基[観世流 シテ方]、浅見慈一[観世流シテ方 後見]、田邊恭資[大倉流 小鼓方]、柿原光博[高安流 大鼓方]、吉谷潔[金春流 太鼓方]
■英国での協働アーティスト:Clod Ensemble(舞台芸術カンパニー)、Wiebke Leister(写真美術家)、David Toop(サウンド・アーティスト)、Leon Michener(前衛ピアニスト)、Neus Torres Tamarit & Ben Murray(アーティスト)、Roger Turner(パーカッション)、Ute Kanngeiser(チェロ)
■脳科学者:入来篤史(理化学研究所)、Semir Zeki(University College London)
■能楽研究者:山中玲子(法政大学能楽研究所長・教授)、宮本圭造(法政大学能楽研究所・教授)
国際能プロジェクト実行委員会は、日本の伝統芸能である能楽をベースに、世界の多様な伝統文化や現代芸術のアーティストたちとのコラボレーションを通じて新規性のあるプロジェクトを展開し、海外における能の紹介と共に、新たな文化の創造に寄与することを目的とする。2016年と2018年に、ロンドンの会場Kings PlaceでNoh Reimagined festivalを開催する他、ローマ日本文化会館、マドリッドのClasicos En Alcala国際演劇フェスティバルフェスティバル等で公演やワークショップを実施している。設立2015年1月。
代表:柳沢晶子/副代表:一噌幸弘/会計事務:溝江有里子/会計監査:横石雄紀/特別顧問:入來篤史
国際能プロジェクト実行委員会
代表・プロデューサー
柳沢晶子
e-mail: info@issoyukihiro.com
キングス・プレイス(ロンドン)
カフェ・オト(ロンドン)
Antiguo Hospital de Santa María La Rica(マドリッド/スペイン)
サロン・セルバンテス劇場〔Clasicos En Alcala国際演劇フェスティバル〕(マドリッド/スペイン)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。