本作品では、明治時代の後半から昭和時代の初期に活躍した作家の長谷川時雨の半生を描いた。「女流劇作家」の草分け的存在である時雨は幼少の頃より文学に接し、進歩的な考えを育んだが、両親の取り決めで望まぬ結婚をするなど、女性であることで受ける侮蔑をこらえてきた。
その後、作家、劇作家として成功を収め、女性の解放、社会進出を目指し、女性による女性のための雑誌『女人芸術』を刊行する。本作では主人公の長谷川時雨を筑波竜一、時雨の親友の岡田八千代をいわいのふ健が演じるなど、全ての登場人物を男性の俳優で演じた。男性社会の枠の中で生きるしかなかった女性の人生を逆照射させる試みであった。
【劇団 温泉ドラゴン】
2010年結成。現在のメンバーは、阪本篤、筑波竜一、いわいのふ健、シライケイタ、原田ゆう、の5人。近年、作品ごとに俳優を集めて公演を行うユニット体制や、作・演出を一人が兼ねることが主流になりつつある日本の演劇界で「温泉ドラゴン」は作品のクオリティを担保するため固定メンバーでの作品作りを行っている。劇団に2人の劇作家を擁し、オリジナル作品を定期的に上演。創作した舞台芸術作品を通じ「生と死」「人を愛するということ」「国家とは」といった人類普遍のテーマに挑み、問いかけ、掘り下げる。
〒116-0013 東京都荒川区西日暮里5丁目6-10 gran+ NISHINIPPORI 6階
劇団温泉ドラゴン
E-mail: onsendragon@gmail.com
座・高円寺1(東京都杉並区)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。