≪音楽分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数12(7); 芸術創造活動6(4)、国際芸術交流6(3)、創造環境向上0(0)
◆採択率 : 58.3%
作曲家グループの自主企画公演、日本と諸外国の記念年に因んだ特別企画や青少年の合奏団による国際交流まで、幅広い内容の申請がありました。なかでも、即興音楽、日本の現代作曲家等、特定のテーマを掲げた特徴ある音楽祭や、海外のフェスティバルから招待を受けて日本の演奏家や作曲家を紹介するプログラムなど、国際的な広がりのある活動が目立ちました。また、日本を代表する作曲家の貴重な作品を取り上げる個展など、優れた内容の申請が多くみられました。
《演劇分野》
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数17(9);
・都内での芸術創造活動14(7) ・国際芸術交流3(2) ・創造環境向上0(0)
◆採択率 : 52.9%
今年度より助成対象期間が変更となり第1期に申請が集中したため、29年度第2期と比べ申請件数が減少しましたが、特に活動基盤形成期にある団体において、これまでの活動が成果として実を結びつつある団体からの申請が多く見られました。また、海外の芸術祭に参加した経験を海外の劇団との共同制作につなげる意欲的な申請もありました。審査にあたっては、「助成の基本方針」に照らし、総合的に判断しました。
≪舞踊分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数12(5);
・都内での芸術創造活動10(5) ・国際芸術交流1(0) ・創造環境向上0(0)
◆採択率 : 41.7%
今期の申請案件はコンテンポラリーダンス及び舞踏を中心に、次なるステップアップを目指す若手や中堅団体の公演活動や、アジアにおける身体芸術の可能性を探求する企画が特徴的でした。審査にあたっては各申請団体の活動実績や目標に注目しながら、舞踊芸術の新たな境地を切り開くような創造性溢れる意欲的な活動を評価しました。今後はより多様で幅広いジャンルの活動も期待します。
≪美術・映像分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数19(8);
・都内での芸術創造活動9(4) ・国際芸術交流10(4) ・創造環境向上0(0)
◆採択率 : 42.1%
今期においては個人申請が全体の55%と半数以上を占め、当分野での過去最高の比率となりました。内容は、若手から中堅による国際的な芸術交流活動と都内での活動が半数ずつ、表現方法も絵画・写真や陶芸、映像作品など多岐に渡っています。審査においては、事業の目的と企画内容の整合性及び実現性、また、事業の持つ影響力・普及力、そして申請者のキャリアにおける適時性を加味し、総合的に判断しました。
《伝統芸能分野》
◆申請件数/( )内採択件数:
総数10(4); 公演6(3)、国際芸術交流4(1)、創造環境向上0(0)
※個人申請1(0)
◆採択率:40.0%
申請件数の約半数が初めての申請という傾向が変わらずに続いています。申請種目は、新内、一中節、義太夫、長唄、邦楽囃子、能楽、狂言、雅楽、日本舞踊、尺八、落語、講談、複合的な企画等、多岐にわたるものでした。様々な種目の第一級の芸に触れる機会の提供や、海外での本格的な伝統芸能公演の実施など、各専門種目における伝統の特性・本質・様式を見極めた水準の高い事業が目立ちました。
≪複合・その他分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数18(5);
・都内での芸術創造活動16(4) ・国際芸術交流2(1) ・創造環境向上0(0)
◆採択率 : 27.8%
今期は18件の申請があり5件を採択としました。今回は国際芸術交流での申請が極端に少なかったのが特徴です。また、このカテゴリーでの申請のほとんどは、演劇、音楽、美術・映像、舞踊、伝統芸能の内、複数の分野にまたがる事業での申請となっていますが、実質的にはいずれかの分野を中核とするものが増加しています。従来のジャンル区分を超えた新しい創造への挑戦が期待されます。