震災国である日本においての美術を検証する展覧会。他者との共生や対話、それぞれのエゴの輪郭がどのように交わるかが展覧会の軸だったが、今回は野外展ということで圧倒的な他者「自然」「台風」等の影響を受けてしまうことになり、展覧会関係者各々が対話不可能で忖度なきアンコントローラブルな存在とどのように共生していけるのか?を問う。展覧会の構造としても各々がアンコントローラブルな状況の展覧会。
10月29日晴 30日晴 31日雨
展覧会タイトルは詩人の辺口芳典に依頼し『のけもの』とした。展覧会の骨格となるステートメントは歌手のさらさの詩。搬入中にはスピギャル(占い師)のハイヒトミにこの場のお清めをお願いした。メインビジュアルを制作した八木幣二郎のタイポグラフィがSTYLYの協力でAR作品として浮かんでいる。風が吹くまで待つ光岡幸一の布の構造物。藤倉麻子のメタな展覧会3DCG作品を株式会社ミナモトビジョンの協力のもとLEDビジョンで展開し夜になるにつれて怪しく輝く。千葉大二郎は会期中休むことなく水浸しになりながらも水車の舞台装置で大声でプロットを読み上げパフォーマンスを続ける。森山泰地の作品は飲める水や積める石等の所作の集合物であり緩やかなエコシステムを鑑賞者に再度経験づけることになる。そのすべてを見通すように会場入ってすぐのGROUPの『水屋根』が中に浮かんでいる。3日間の展覧会の最終日は雨、水屋根の下には乾いた道ができた。
【吉田山】
富山出身東京在住の散歩詩人(HIKER)である。展覧会キュレーションやギャラリーのディレクション、個人での制作、等の活動を行う。
吉田山
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